Revive

 

愛する人がどこにいても心から笑えますように

2020-01-17 20:21:44 | 日記
夜の帳が降り空を見上げれば
無数の星が瞬いている。
あぁ、今日も一日の仕事が終わった。

疲れた身体で自転車を走らせ
家まで夜道を急いだ。

街灯の少ない市内線の交差点で
車も歩行者も居ないのに信号が青になるまで
一人ぼんやりと待っていた。

目を凝らせば交差点の向こう、
進行方向に誰かの後ろ姿がある。
両手に荷物を持って歩道をテクテクと
歩いている。

信号が青になり再び自転車を走らせる。
その後ろ姿の人へどんどん近づき
歩道を走っていた私は後方を確認した後で
歩行者を避けるように一旦、車道へ出た。
その人の横を通り過ぎて再び歩道へ戻る。

・・・はずだったのに、
車道と歩道の間の凹凸にタイヤがはまり
バランスを崩し勢いよく転倒してしまった。


うぅ、息ができない。
痛い。

不思議なもので痛みと戦っていながらも
様々なことが脳裏に浮かび
周囲の状況が把握できた。

さっきの歩行者が走ってくる足音。
駆け寄ってきたその人の何度も何度も
大丈夫ですか!と横たわる私を心配する声。
この痛みは骨までいってない。
でも、ひょっとして服は破れたかも知れない。
車道を走る車のライトが流れている。
きっと、車の中では、こんな何でもない所で
転倒している。どんくさいな。と、
笑われているのだろう。
それより自転車は大丈夫なのだろうか?
もし自転車が走行不能になっていれば
ここから家までどうやって帰る?

そんな事を一瞬で考えていた。



大丈夫ですか大丈夫ですか!
立てますか?大丈夫ですか?

何度も繰り返し声をかけてくださるその方。

立とうとするのに自転車に足が絡み
うまく立てない私。

すると、背中から羽交い締めの体制で
私を抱きかかえ立たそうとする。



え?

言葉が出ない。
痛みではなくて、抱きかかえるという行動に
言葉が出ませんでした。

私ならば、そこまで出来るか?
手が貸せるか?

側で、大丈夫ですか?と声をかけ
必要であれば片腕を持ってあげるくらい?



何度もお礼を言って立ち去ろうとした時
気が付いたのですが
両手に持っていた荷物は、全て道に投げ捨て
私を助けにきてくれたのです。





まるで、王子様じゃないか!





って、その方は女性ですけどね!笑

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。