でかい・・・スクーター・・・

　教習所の実地のなかで・・・

　でかいスクーターに乗らされた。怖い・・・前輪の位置も分からなきゃ～リアッタイヤの位置も分からない。なによりも自分の足の位置が定まらないのだ。急制動、クランク、一本橋・・・なにをやっても駄目なんである。
　軽い自己嫌悪に陥っていると、すかさず教官が・・・「いいでしょう、よ～く比較が出来たみたいだから」って・・・「じゃ～こっちに乗って」といつものＣＢ７５０を指差す。安堵の溜め息を吐き出しながら・・・跨り、エンジンをかけ走り出す。くっかぁ～と気持よくなる。
　私は中型から大型へと教習所に通っている為にする事がたまになく、はつかねずみのようにグルグル、グルグル同じところを回っている事があるのだが、さすがに今日は、「あまり教習者もいないようなんで立ち上がって一本橋、スラロームとかやってみますか？」ってまったく教習項目に無い事を言われた。
「ぜ・ぜひ」面白そうだからどうしてもやってみたくなっちまったのだ。「じゃ～私の後について来て」って言うのでニッコニッコしながらついてった。
　面白いんだ。目線が変わっただけで見える風景が違う。立ち上がったことによってニーグリップがちゃんと出来て車体は安定する。まぁ、やった事がある人ならすぐに分かる、モトクロの悪路走りの原理と一緒である。ルンルンで・・立ったままコースを回り満面の笑みを浮かべながら・・・しかし汗だくになりながら走りまわってみた。
「こ～んな事もできますよ」って教官が言って、左のステップだけに立ち上がって一本橋を渡って行く。ほんとの事言うと・・・多分、私にも出来る。けど・・・やらなかった。

　単車はやっぱり面白い。頑張って、はやく取っちゃおう。でも・・・でかいスクーターは・・・本当に怖かった。