京都御苑に中立売御門から入るとすぐ南側に中立売駐車場がありますが、その傍でこのような花を咲かせていた植物(樹木)の名前はご存じですか?

カクレミノ(隠れ蓑)という名前の木です。関東以西から九州にかけての照葉樹林内に自生する常緑小高木で、海岸近くで見られることが多い樹木です。成木の葉は卵形で全縁ですが、若木や萌芽枝では3〜5裂し、この葉のかたちを蓑に見立て、さらに枝に葉が密についていることから姿を隠せるので、着ると姿を隠せるという「隠れ蓑」という名前がつけられました。花もあまり目立つ姿ではないので「隠れ蓑」をかぶって隠れているのでしょうか。そうそう、隠れ蓑と聞くと、小さい頃に読んだ「彦一ばなし」を思い出してしまいます。
さて、花というより蕾のつき方を見て、ヤツデ(八手)に似ていると思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。カクレミノはヤツデと同じウコギ科ですが、それぞれ自身の名前をつけた属(ヤツデ属とカクレミノ属)に分類されるため別属です。このヤツデに対し、3裂する葉のかたちからカクレミノにはミツデ(三手)という別名もあります。

ヤツデの花(2019年11月撮影、過去記事より再掲)
カクレミノの花は雄花と両性花とあるようです。両性花だけつく花序と雄花と両性花がつく花序があるようで、雄花と両性花が混在する花序では中軸に両性花がつき、その周囲を雄花の花序が囲むようにつきます。こちらは花序の中軸で子房がしっかりしているので両性花だと思います。他の

ただし、この時点では雌しべらしきものが見当たらず、丸印で囲んだ雄しべと花弁が落ちた花は中心部分がぷっくり膨らんで、かすかに5裂した柱頭らしきものが見えます。カクレミノもヤツデと同じく雄性先熟で雄性期を経て雌性期へと移行していくのなら、この写真の花は主に雄性期で先に咲き始めた花から順に雌性期へ移行している状況でしょうか。

カクレミノ(隠れ蓑)という名前の木です。関東以西から九州にかけての照葉樹林内に自生する常緑小高木で、海岸近くで見られることが多い樹木です。成木の葉は卵形で全縁ですが、若木や萌芽枝では3〜5裂し、この葉のかたちを蓑に見立て、さらに枝に葉が密についていることから姿を隠せるので、着ると姿を隠せるという「隠れ蓑」という名前がつけられました。花もあまり目立つ姿ではないので「隠れ蓑」をかぶって隠れているのでしょうか。そうそう、隠れ蓑と聞くと、小さい頃に読んだ「彦一ばなし」を思い出してしまいます。
さて、花というより蕾のつき方を見て、ヤツデ(八手)に似ていると思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。カクレミノはヤツデと同じウコギ科ですが、それぞれ自身の名前をつけた属(ヤツデ属とカクレミノ属)に分類されるため別属です。このヤツデに対し、3裂する葉のかたちからカクレミノにはミツデ(三手)という別名もあります。

ヤツデの花(2019年11月撮影、過去記事より再掲)
カクレミノの花は雄花と両性花とあるようです。両性花だけつく花序と雄花と両性花がつく花序があるようで、雄花と両性花が混在する花序では中軸に両性花がつき、その周囲を雄花の花序が囲むようにつきます。こちらは花序の中軸で子房がしっかりしているので両性花だと思います。他の

ただし、この時点では雌しべらしきものが見当たらず、丸印で囲んだ雄しべと花弁が落ちた花は中心部分がぷっくり膨らんで、かすかに5裂した柱頭らしきものが見えます。カクレミノもヤツデと同じく雄性先熟で雄性期を経て雌性期へと移行していくのなら、この写真の花は主に雄性期で先に咲き始めた花から順に雌性期へ移行している状況でしょうか。