京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

雨上がりの早朝に見つけた耀く姿

2022-07-23 17:57:06 | 歳時記・文化・芸術
スマートフォンから土砂災害や水害に対する避難情報が鳴るような今週火曜日に降った災害級の大雨。夕方には小降りとなり、翌日は雨もあがって朝から強い日差しが肌に照りつける一日となりました。

土用の入りの日だったからという訳ではありませんが、早朝に吉田神社に参拝しそのまま吉田山近辺を散策していると、後一條天皇(後一条天皇)の陵墓とされる菩提樹院陵の生け垣に巻きついたカラスウリ(烏瓜)の花が一輪、雨に濡れそぼつ姿で咲いていました。



周囲の葉に貼り付いてしまって、きれいな咲き姿とは言い難いかもしれませんが、このような姿にいのちの輝きや美しさといったものを感じてしまいます。

そのようなことを考えていたら、目の前で日向ぼっこでもする気か、こちらに対して何の警戒心もなく止まったウラナミシジミ(裏波小灰蝶)が一頭。



最初、左側の前翅と後翅を見せるようにじっと止まっていましたが、そのうち翅を広げ始め、左側の翅に隠れて見えなかった右側の翅を見てみると……



かなりの痛手を負っていますね。羽根の表側の色合いからメスのようですが、前日の雨で翅が傷んだのか、すでに傷んでいたのかわかりませんが、こちらの姿にもいのちの尊さを感じるだけでなく、生を受けて「生きる」ということはどういうことかを教えられているように感じます。

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さて、今日は土用の丑の日ですね。8月7日の立秋までの約18日間が夏土用にあたり、今年は8月4日が二の丑となるそうです。土用の丑の日に食べると言えば「うなぎ」が有名ですが、うなぎに限らず頭に「う」のつく食べ物や黒い食べ物であればよいそうですね。

これは陰陽五行の思想とも関係があるそうで、五行の「木・火・土・金・水」と「黒・白・黄・赤・青」を四季の「春・夏・秋・冬」に割り当てると……

・春  「木」と「青」
・夏  「火」と「赤」
・秋  「金」と「白」
・冬  「水」と「黒」


になります。そして、春土用、夏土用、秋土用、冬土用が始まる旧暦の月の干支と、その干支が表す方角や季節等が上記と内容が被りますが、以下のとおりとなり……

・春  辰月  春(木) 青
・夏  未月  夏(火) 赤
・秋  戌月  秋(金) 白
・冬  丑月  冬(水) 黒


季節で言うと「春⇄秋」と「夏⇄冬」は『相剋』と言ってお互いの効果を打ち消す関係になりますので……

・春(辰、木、青) ← 秋(戌、金、白)が打ち消す
・夏(未、火、赤) ← 冬(丑、水、黒)が打ち消す
・秋(戌、金、白) ← 春(辰、木、青)が打ち消す
・冬(丑、水、黒) ← 夏(未、火、赤)が打ち消す


ということから……

・春土用  戌の日に、頭に「い」のつく名前か「白い」色の食べ物
・夏土用  丑の日に、頭に「う」のつく名前か「黒い」色の食べ物
・秋土用  辰の日に、頭に「た」のつく名前か「青い」色の食べ物
・冬土用  未の日に、頭に「ひ」のつく名前か「赤い」色の食べ物


を食べて、季節の変わり目を健康に過ごして乗り切ろうということだそうです。各季節で野菜を中心にまとめてみると、以下のようになるでしょうか……

・春土用  イチゴ(い)・イモ(い)・ダイコン(白)・豆腐(白)
・夏土用  梅干し(う)・ウリ(う)・黒豆(黒)・昆布類(黒)
・秋土用  玉ねぎ(た)・大根(た)・ブルーベリー(青)
・冬土用  ひよこ豆(ひ)・リンゴ(赤)・トマト(赤)


旬の時期ではないものも含めましたが、こんな感じでしょうか。迷信と言ってしまえばそれまでのことですし強制するつもりもありませんが、その思想を信じた各自の責任で持って行動するのは自由であって、鰯の頭も信心からとも言いますので、たとえプラセボ効果であっても、おいしいものを食べて健康に過ごせれば免疫力も上がるのではないでしょうか。

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