kurogenkokuです。
1252冊目は・・・。
【kindle版】
なぜローカル経済から日本は甦るのか
冨山 和彦 著 PHP新書
著者については、有名なので逐一説明しなくてもよいと思いますが、本書は企業規模ではなく、グローバルかローカルかという視点で、今後あるべき経済対策を論じています。
そのキーワードに「密度の経済性」という言葉が登場します。非効率なものについては思い切った退出、集約化などを提言、やや厳しいなぁと思うところもありましたが、人口減少問題などに悩む地方にとって、大胆に取り組まなければ、未来の道は開けないということを理解しておく必要はあります。
また著者は本書の中で「これからの日本の経済成長はローカル経済圏のサービス産業の労働生産性とその相関係数である賃金が大きく左右する」と述べています。
日本のGDPと雇用のおよそ7割を占めるのはサービス産業で、国内各地域内の小さなマーケットで勝負するローカル企業が大半を占めていることになります。サービス産業の多くは経済構造的にローカル企業がローカルに活動する構造から、今後もあまり大きくは変化しないのが理由ですが、そういう視点で支援策を考えていくのは重要だと新たな気づきがありました。
【目次】
第1章 グローバル(G)とローカル(L)という二つの世界
第2章 グローバル経済圏で勝ち抜くために
第3章 ローカル経済圏のリアル
第4章 ローカル経済圏は穏やかな退出と集約化で寡占的安定へ
第5章 集約の先にあるローカル経済圏のあるべき姿
第6章 GとLの成長戦略で日本の経済・賃金・雇用は再生する