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DIARIOくろちーに

子連れ・犬連れ、フランス初心者生活。

少女ソフィアの夏

2009-02-17 | 読書感想文 Book report
最近、なんとなく北欧に興味があるのです。

気になるブログも北欧インテリアや北欧旅行がテーマのものだったり。
今までは、「北欧は寒くって絶対無理!」と頭ごなしに否定していたのに、このごろのフランスのマイナス生活を実体験したせいで、寒さへの食わず嫌いがなくなり、「このくらいの寒さなら、北欧も大丈夫かも」と思えるようになりました。あー、いつか行ってみたいなあ。とりあえず、ストックホルムとヘルシンキに行ってみたいなあ。できることなら我が家も北欧チックなインテリアにしてみたいし。憧れは増すばかりです。

でも、振り返ってみると、私は以前から北欧的なものに興味があったよう。私にとって北欧といえば、ムーミン!子供の頃からアニメのムーミンが大好きでした。学生時代には、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの小説を知り、色々と読んでみたり。そのなかで、強烈に記憶に残っていたのが、「少女ソフィアの夏」という本。
先日、どうしてももう一度読みたくなって、ネットショッピングしてしまいました。

この本は児童文学とまではいかないけれど、小学高学年から中学生くらい向きの本で、私も図書館の子供向けの本に棚で見つけました。

内容は、小さな島で夏を過ごす幼い女の子とおばあちゃんの日々をつづったもの。なにもない小島で、自然と対面しながら過ごすシンプルな生活。限られた環境のなかで、ちょっとした面白いことを見つけて、子供らしく熱中する女の子と、それにしょうがなくお付き合いしながらも、一緒に楽しむおばあさんの様子が描かれています。
一見のほほんとしていながら、自然のなかで強調された子供の生と老人の死のコントラストが鮮やかで、びっくりするくらい生々しい人間らしさを感じます。

とても読みやすくって確かに子供向けだし、たいした事件が起こるわけでもないのですが、厳しい自然のなかで淡々と暮らす、人間が大昔から続けてきたことがそのまま残っているような、普遍的な主題があるよう。
こんなにもシンプルに、読みやすいながらも、こんなにも深いことを語った本が書けるなんて、トーベ・ヤンソンってすごいなあと感心しちゃいます。そういえば、ムーミンだって、なにか日々の些細な出来事なんかを超越しちゃっているゆーったりした流れがありますよね。私もそういった流れを身に付けてみたいものだわ。

井上靖の青春。

2008-12-10 | 読書感想文 Book report
ここのところ、とっても幸運なことに井上靖の作品を読む機会に恵まれました!

読んだのは;幼少時代を綴った「しろばんば」
      中学時代の「夏草冬涛」
      高校浪人時代の「北の海」

きっと好きな人には定番中の定番なんでしょうが、私は今回初めて読みました。どれもこれも面白かった!読み進むうちにどんどん主人公が成長していくのが楽しくて、夢中になってしまいました。

この主人公は井上靖本人にかなり近い設定で書かれているそうですが、井上靖ってこんなのんき気ままな少年だったのかと思うと親近感が沸きますね。主人公自身の描写はあまりないけれど、彼を取り囲む友人たちの描写からその場の雰囲気が良く伝わってきます。高校の柔道部員たちを赤鬼青鬼と書くのにはウケました。その一方で、中学の友達は自分で歌を詠んだりして、その知的な感じにうっとりしたり。

それでも、周りの人間の一言一言から物事の本質を機敏に察知して、潔癖なまでに純粋に判断していくさまにはハッとされされました。子どもだからといってごまかせないものってあるものですね。人の純粋さ、生き方の純粋さを求める姿勢は、まるで和風「ライ麦畑でつかまえて」のよう?いや、ちょっと極端か。

以前、井上作品のなかで恋愛を中心としたものを二つ読んだことがありますが、二作とも恋愛を扱っているのにものすごくさっぱり、あっさりしていて、そこらへんにも井上靖の純粋志向が見られるような気がしました。

三島に井上靖文学館があるそうなので、今度帰省して小田原に行ったときには寄ってみたいなあ。他の作品ももっともっと読んでみたいです。

パリパリ伝説。

2006-12-05 | 読書感想文 Book report
もんのすごーーーく久しぶりに読書感想文を書いてみます。
今日、フランス語のクラスで、日本人のクラスメートに突然「パリパリ伝説って知ってる?」と聞かれ、「いやー、全然知らないです」と答えたら貸してくれました。

これは、作者のかわかみじゅこさんがパリでの生活を綴った4こま漫画なんですが、爆笑の連続でとっても面白いです。とっても簡素な絵と、せりふ以外のコメントが笑える!フランスに住んでいると「本当だよねー」というネタも多くって共感しました。
1巻と2巻借りたのですが、夢中になって読んでしまいました。2巻では出産・育児ネタも加わりより親近感アップでした。
しかも、しかも、作者の紹介を見たら、私と誕生日が一緒だということを発見!あっという間にファンになってしまいました。

東京セブンローズ。

2006-01-19 | 読書感想文 Book report
おもしろい小説を読み終わったのでお話したいと思います。

井上ひさし著 「東京セブンローズ」です。

戦中戦後の混乱のなか東京下町で家族仲良く暮らす一家の様子が、お父さんの書く日記によって描かれています。

前半では、戦時下の厳しい状況に置かれながらも、とっても明るくたくましく暮らす人々の姿が描かれています。闇商売でどんなものが幾らで買えたかとか、当時の結婚式の引き出物の内容などとても詳しく書かれていて興味深いです。

後半ではガラっと内容が変わって、アメリカ占領下で日本語・特に漢字を廃止しようとするGHQと、その陰謀に巻き込まれ反対する一家の戦いというか、混乱が描かれています。

さすがは日本語についての著書が多い井上ひさしだけあって、フィクション小説でも日本語に関して学び、考えされられる内容になっています。特に私のように日本語について学んでいる(なんちゃってですが)読者には、膨大な数の漢字を整理整頓しようとする江戸時代からのいくつかの取り組みなどが分かりやすく説明されていて、とても為になりました。

戦時下の世の中の矛盾を明るく描くと共に日本語問題も知れて、一粒で二度おいしい小説だと思います。

それに、下町江戸っ子のユーモアたっぷりの会話もとても活き活きと書かれていて、まるで劇でも見ているよう。さすがは劇作家!ということでしょうか。

Martes con mi viejo profesor.

2005-12-20 | 読書感想文 Book report
久々にブログで紹介できるような本を読んでいます(って、別にそのほかの時には人に言えないような本を読んでいるわけでもないのですが…)。

この本は元々アメリカで出版された本で、日本語訳では
「モリー先生との火曜日」 ミッチ・アルボム著 となっています。

私は舅夫婦からお勧めされてこの本のことを知りました。
文字も大きくとっても読みやすいため、私も手にとってみようと思い立つことができました。

内容は、重病に侵され死に直面している恩師と元教え子の会話を綴ったドキュメントです。この恩師が教え子に最後に伝えたいいくつかのメッセージは、とってもシンプルで簡単なことなのですが、私たちの普段の生活では忘れられ勝ちなことです。
特に死に対する意識、「死を知ることで生きることを知る」といったメッセージは、普段全く死を考えていない私には、それを考えるいい機会になったと思います。

とにかくとっても読みやすい内容なので、ちょっとメッセージを思い出したいときなどにサッと読み返せていいなあ、と思います。

藤沢ワールド。 Fujisawa the world.

2005-09-22 | 読書感想文 Book report
ここのところ、藤沢周平の世界にどっぷりとつかっている私です。

今まで時代物小説なんて全く眼中になかったのですが、「ちょっとは日本を知ろう!」という意識が高まり(本当か?)手に取ってみるようになりました。

でも、もともとどんな時代作家が世にいるのかも知らない状態。定番中の定番、司馬遼太郎から始めました。
そして、ちょっと脇にそれて藤沢周平も試してみようと思って読んでみたら、あの心地よい軽さと重さのバランスにまんまとはまってしまいました。
謙虚で真面目でかわいそうなお侍さん達、応援せずにはいられません!!!武家の女性の潔さも素敵!!!

この病気が始まったのはちょうど今年の1月くらいでしょうか。
図書館で、藤沢周平全集を1巻から借りて読み始めて、今までで11巻くらい読みました。でも、こんなことができる時間も残りわずか。結局全集読破はできなそうです。

スペインに行って、なにが悲しいって、好きな本を気ままに読めないのが一番悲しいですね。かといって、全集を丸々持っていくなんてお馬鹿だし。

図書館で借りるなら、全集はとてもねらい目だと思います。単行本として出版されたものは、常に貸し出し中だったり、巻数がそろわなかったりしてイライラさせられますが、全集はほとんど手付かずで残っていることが多いです。
ただ、あまりにぶっ通しで読んでいると、何を読んだのか把握が全然できなくなってきます… それじゃあ意味ないじゃん。

It is me who is entirely using it for Shuhei Fujisawa's world of late.

Considering it though it was not, that is, "Let's know Japan for a moment" came to take it up to now in eyes completely ..the antique article novel.. ..the rise (Is it true?)...

However, it doesn't know when those who ghostwrite are originally in the world. It started from the standard during the standard and Ryotaro Shiba.
It has waited successfully the balance of that comfortable lightness and weight when Shuhei Fujisawa also will deflect sideward for a moment and, try, and it read.
It is modest, serious, and It cannot be. samurai's woman's bravery is also ..poor samurai.. wonderful without assisting.

Is it in January, year just now that this sickness started?
It borrowed the Shuhei Fujisawa complete volume from one volume at the library, it began to read, and about 11 volumes were read by the current. However, the remainder is a little at time that these kind of things can be done. After all, it seems not to be able to read through complete volume.

It goes to Spain, it is sad what, and not being possible to read is the saddest it remains is a nature. and a favorite ..sadness.. bookIt is foolish to take and complete volume completely.

I think complete volume to be an aim eyes very much if it borrows at the library. Complete volume often almost remains untouched though it is made to get irritated as the number of volumes doesn't become complete while lending it as for the one published as a book.
It becomes impossible to understand at all though it doesn't know what you read when Cayo is too read however … It is meaning it.



ゴシップ的日本語論

2005-08-30 | 読書感想文 Book report
せっかくなので、読みおわった本の記録をちょっとづつ残していきたいと思います。

今日読み終わったのは、丸谷才一著、「ゴシップ的日本語論」、2004年、文藝秋春。

最近日本語に興味があるので読んでみました。

丸谷才一さんって、「ユリシーズ」の翻訳とかしてますけど、日本文学にもとっても造詣が深いですよね。すごいわ。
今まで、ちょっと敷居が高くて丸谷さんのエッセイでさえあんまり手がでなかったのですが、今回は思い切ってチャレンジしてみました。

読んだ感想はとてもおもしろかった!
特にこの本は、講演とか対談などをまとめているので、よりとっつきやすいんでしょうね。

日本語を扱ったところでは、特に江戸から明治にかけての日本語の変化についての考察が興味深かったです。

当時、ヨーロッパから入ってきた新しい言葉を、漢語を使って訳していったそうな。漢語、つまり漢字をくっ付けあって新しい言葉を作り上げていくと、例えば、「家庭」「仮定」「過程」などといった同音異義語がどんどん増えていったそうです。

そこに、西洋式印刷技術が導入され、今までの文語体文章が、ヨーロッパ的文章の規則に則った(句読点とか、段落換え。さらには英語の翻訳文の影響を受けた文章とか)口語体文章で書かれ、多く普及するようになっていき…

これで一気に日本語は、今私たちが話したり書いたりする形に近づくんですね。しかし、戦後の生活変化と共に、多くのあいまいな問題を抱えるようになったと言っています。

日本人の弱いところ、レトリックとロジックの調和が図れない面などが指摘されています。確かにヨーロッパでは、文章の上手さ(レトリック)と、言いたいこと(ロジック)が両立して、初めていい文学になる、っていうような考えがありますよね。

この本を読んで、これからは明治の日本文学から、当時の知識人が改革していった日本語をもっと注意深く見てみたいと思いました。

ところで、こういった文章を簡易翻訳させるととんでもないことになりますね…

It is special, and I want to leave the record of the book that finished being read a
little.

It is Aya Akihal to have finished reading today in written by Saiichi Marutani, "
Japanese gossip theory", and 2004.

It read because it was interested in Japanese recently.

It has a great knowledge very much also in the Japanese sentence study though Saiichi Marutani is translating "Ulysses". ..terrible...
It feels self-conscious about visiting for a moment and no too hand it has challenged even Mr./Ms. Marutani's essay boldly up to now this time.

The read impression was very interesting.
Especially, because this book has brought the lecture or the talk, etc. together,
it might be and be.

The consideration of the change of Japanese especially put from Edo at the Meiji era was
interesting in the place where Japanese had been treated.

At that time, be not along from Europe ..the translation.. by the use of the Chinese loanword. a word new ..entering..The homonym "Home", "Assumption", and "Process", etc. seems to have increased fast for instance when the Chinese loanword ,in a word, the Chinese character is joined each other and a new word is made up.

The West print technology was introduced there, and the current literary style sentences followed rules of European sentences. (Changing of punctuation marks or paragraph. Furthermore, sentences that English translation sentence influences)It was written by the colloquialism sentences, and it came to spread a lot.

Japanese speaks by us now and approaches the written shape by this at a dash. However, it is said that it came to have a lot of vague problems with the life change in postwar days.

Face etc. not to be able to attempt harmony of weak Japanese point and rhetoric and logic. Wanting to say good of sentences (rhetoric)(logic) coexists, it becomes good literature for the first time, and there is .... idea in certain Europe.

Hereafter, I wanted to see Japanese that an intellect at that time had reformed from the Japanese sentence study since the Meiji era reading this book more carefully.

By the way, when such sentences are simply translated, it is unexpected.