声に出して

自分が悪い
全部　全部

そういうあなたを
好きになった自分が
悪いんだ

分かっている
分かっているんだ

無理して
笑っていた

無理して
楽しそうに

ほんとうは
さみしくて
苦しくて
泣きたかった

はりつめていた糸が
一気にほどけた

ふたをしていた
気持ちが
一気に飛び出した

言葉で
声に出して

気持ちを伝えたい
あなたの想いを声で聞きたい

コエニダサナケレバ
キオクニノコラナイ

言わなければ
伝わらない想いも
あるはずだから

Asystole

少しずつ
少しずつ
伸びていく波

私はじっと
みつめる


最後まで
力強く
波打つ

少しずつ　
少しずつ
お別れを

しているんだね


灯火が
ふっと
消えた

その瞬間
心は
どこに行くのだろう

もう
何も
考えることなど
できないのだろうか

もう
誰も
愛することなど
できないのだろうか

観覧車

その質問が突然くるとは
予想していなかった
けれど

ずっとこのままで
いいはずもなく
白黒させなくてはいけない時期が

中間のグレーなんてだめ？
でしょうね

決して答えに悩んでいるわけではない
もう　決まっているのだから

傷つけないように
傷つかないように
するにはどうするか

短い観覧車の間
頭の中は
言い訳を乗せたゴンドラが

まわる　まわる　高速で

今は夜景を見ているふりをしよう
今日は忘れたふりをしよう

静止

ふと　立ち止まり
空を見上げ
自分の立ち位置を確認する

ほんとうに　この場所でいいのだろうか
この方角でいいのだろうか
間違ってはいないのだろうか

頼りにしていた方位磁石は
いつの間にか狂いだし

今　どこを歩いているのか さえ
見失ってしまった


時々不安になる
このまま進んでいいのかどうか

手探りで
前に進んでいく恐怖
反して
別世界の扉への期待

何もかも
自分で決めて進んでいかなければ

自分で正しい方向に
歩いていかなければ


途中で見える
蜃気楼に
騙されてはいけない


わかっている
これは現実ではないのだと
突然姿を消すものだと

わかっているのだけれど
夢の国があまにりにも
居心地がいいから

もう少し
もう少しこのまま


時々立ち止まり
星の位置を確認しよう

道に
印をつけて歩いていこう

迷子になっても
もとの道へ帰れるように

ブレスレット

ハートのブレスレット
気付いたら無くなっていて

もしかしたら　私たちは
このブレスのように

突然

切れてしまうかもしれない　
消えてしまうかもしれない

ふと　そんな思いが巡り
淋しさに襲われる

絶対に私から離れることのない
永遠に途切れることのない

強い絆のブレスレット
ください

決して永遠はないなどと
言わないでください

Ｗｈｉｔｅ Ｌｉｅ

久しぶりに
真剣に嘘をついた
それが一番いい選択だと
信じて

でも君には通じなかった
全てお見通しだったね
心が完全にシースルー
鋭い目で私を見抜いていた

シフォンケーキをつつきあう
お互いの心をつつきあう
ちくちく痛かった

ごめんね
でも
傷ついてほしくなかった
早く笑って欲しかったんだ

真実を必ずしも知る必要は
ないと思う

真実と嘘は時に共存する

Ｍｕｓｅｕｍ ｏｆ Ｌｏｖｅ

時々手をぎゅっと握られると
胸がかーっとなるくらいほてっていたんだ
あなたは気付かなかっただろうけど


楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい
電車を待つ時間は苦しくて泣きたいほどだった
あなたは気付いていなかっただろうけど

胸がきゅーっと痛い
ズキズキ痛い
締め付けられている


あと何回会えるだろうなんて
考えたくないから
考えないよ

永遠って何だろう
分からない
けど

永遠なんてないって
決めつけてはいけないよ

絶対に

いけないよ

Ｔｒｕｅ Ｈｅａｒｔ

あなたに聞きたいことが二つある
でも絶対に聞かない
聞いてしまったらきっと
私はガラスが砕け散るように
こなごなに


世の中には聞いてはいけないことがある
自分を守るために聞かないほうがいいこともある
聞いたところでただ傷つくのであれば
知らないことが一番の幸せなのだから


あなたを忘れない限り
その存在が私を癒してくれている限り
この決心は固く守られるだろう
永遠に聞くことのない答え


もし、この世から去ろうとする瞬間に
聞いてしまったら
私をだましてほしい
たとえ嘘でもいいから


時々嫉妬する
時々さよならしたくなる
時々あなたをキオクから消し去りたい
時々あなたが大嫌いになる

笑顔の奥の本当の気持ち
気づいて

闇

ーあと半年の命でしょう
　治療しても治りません

　それでも命を延ばすために
　抗がん剤やりましょうか

　　それとも痛みを取りのぞく薬を使って
　　残りの人生を悔いのないように生きていきますか

　　　来週までに答えを出してくださいー


「あなたならどうする？」
不意に聞かれたその質問に
他人事であったことにはっと気づかされる

私なら？

言われた瞬間頭の中は真っ暗になるだろう
真っ白ではなく真っ暗
闇の中にぽつんと一人取り残された
死への一直線の道

私ならどうするだろう

答えなんて出せない
私もきっと同じ質問を他の人に聞くかもしれない


「あなたならどうしますか？」

ｓｅｔｕｎａｉ ｏｍｏｉ

ときどき分からなくなる
ときどき不安になる
ときどき絶望的になる


いったい誰をみているの
いったい誰を想っているの
いったい何があったの

こんなにも苦しんでいること
こんなにも想っていること
知らないでしょ

少しは気づいて
少しは思い出して

ｉｍａｎｏｋｉｍｏｃｈｉ

私ではない誰かの
違う温度を
感じたい

私ではない誰かの
大きなあつい手に
触れたい

私でない誰かの
同じ空気を持つ
居心地のよい場所へ

いきたい

トパーズ

ごめんね
ありがとう

わがままばかりの私
自分のことばかり考えている私
あなたをせめてばかりいる私
あなたをすごくすごく愛おしく想う私

あなたがいなければ輝くことなんてできない
あなたがそばにいてくれなければただの石ころ
あなたに嫌われるならば生きている意味さえ知れず

私はあなたに一生懸命でいたい
いつも真剣でいたい

遠くてもいい
心はいつもそばに置いて欲しい



トパーズのように輝いたらずっと身につけてくれますか

矛盾

どんな人でも
必ず家族はいる

血がつながっているもの
つながっていないもの

家族は家族

その関係は
他のものには目に見えぬ
強い絆でつながれており

決して切れることのない
深い絆

時に
裏切る行為をしたとしても
きっと許してくれることでしょう

私には入り込む余地はない


私は家族を大切にします

だからあなたも

家族を大切にしてください

心の住人

追われるより
追うほうが好き

獲物をつかまえる
その過程が
楽しいのだ

でも時にはうまくかわしながら
逃げるのもおもしろい

楽しかったし
嬉しかった
その
熱い眼差しが
刺さるほどに

しかし
心の中には
もう違う住人がすんでいて
出ていこうとしないのだ

追い出しても
追い出しても入ってくる
しょうもない住人

あなたを追うわけでも
あなたに追われるわけでもない
ただそこに存在するだけ

見えない存在が私を支える
私の背後でいつも守ってくれる

他の人じゃだめなんだよ
どうして他の人じゃだめなの？

記憶

人が亡くなるっていうことは
肉体と魂がなくなる他に
その人のもっていた楽しい思い出とか
辛かった思い出とかいろんな人との関わりとか
そういったすべての記憶をもなくなるのだということを
この間教えてもらった　気づかせてくれた

確かに
そうなのだ
私は今現在の姿しか見ていなかった
その人がどんな暮らしをしてきたか
何枚かの思い出写真を見るまでは

その写真には若き頃の彼女がたくさんいた
結婚式、旅行などの写真
ひ孫さんを抱いている楽しそうな笑顔

私はそんな彼女を知らない
知ろうともしなかった
今しか見ていなかった

いっぱいいろんな事があったんだね
急に話ができなくなってびっくりしただろうね
ごめんね
そんなあなたの気持ちに気づかなくて

あとどれくらい一緒にいられるかわからないけど
今度昔話しませんか
どんな恋愛したんですか？なんてね