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くじら街の曲がり角

ふと頭に浮かんだ言葉をここに残そうと思っています。不慣れな部分も多々ありますがご了承ください。無断転載等は禁止です。

カロンに逢いに。

2020-08-11 12:02:00 | ポエム

カロンに逢いに星空を泳いだ。


どれだけ過ぎようと一向に会えない。


暗闇が漂う中、1匹の魚と出会った。


魚は白百合を探していた。


あの子が愛していたんだと。


あの子が夢見ていたんだと。


見つけたらどうするのか聞いたところ、


魚はそこでゆっくり眠りたいらしい。


私たちは色んな話をした。


星屑はぱちぱちしているだとか、


うろこ雲には鮮やかなのがたまに混じっているだとか。


そんなこんなで別れが来た。


魚に私は言った。


もし君が辿り着いたら、

そこには一番星があるといいね、


2人だけを照らしてくれるように、


2人だけの世界を思わせるように、


2人の居場所がすぐ分かるように。


魚はありがとうと言って、


そのまま暗闇に紛れていった。


魚のうろこはぱらぽらと反射していた。


光を持てるなんて、星みたいでいいな。


わたしもだれかを照らしてあげたいな。


そう考えてまた泳ぎ出した。


カロン、君は何処にいるのだろう。


もし逢えたら、そこに一番星があるといいね。


僕たちを優しく見守ってくれるような、


そんな、一番星。