カロンに逢いに星空を泳いだ。
どれだけ過ぎようと一向に会えない。
暗闇が漂う中、1匹の魚と出会った。
魚は白百合を探していた。
あの子が愛していたんだと。
あの子が夢見ていたんだと。
見つけたらどうするのか聞いたところ、
魚はそこでゆっくり眠りたいらしい。
私たちは色んな話をした。
星屑はぱちぱちしているだとか、
うろこ雲には鮮やかなのがたまに混じっているだとか。
そんなこんなで別れが来た。
魚に私は言った。
もし君が辿り着いたら、
そこには一番星があるといいね、
2人だけを照らしてくれるように、
2人だけの世界を思わせるように、
2人の居場所がすぐ分かるように。
魚はありがとうと言って、
そのまま暗闇に紛れていった。
魚のうろこはぱらぽらと反射していた。
光を持てるなんて、星みたいでいいな。
わたしもだれかを照らしてあげたいな。
そう考えてまた泳ぎ出した。
カロン、君は何処にいるのだろう。
もし逢えたら、そこに一番星があるといいね。
僕たちを優しく見守ってくれるような、
そんな、一番星。