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くじら街の曲がり角

ふと頭に浮かんだ言葉をここに残そうと思っています。不慣れな部分も多々ありますがご了承ください。無断転載等は禁止です。

秋と共に連れ去って。

2020-09-19 22:06:00 | ポエム


今日の午後、学校の帰り道に


雨模様の空の下、小さな教会の近くで


変わらない、金木犀の香りがしました。



どの秋にも必ずいた


あの日の帰り道と同じ


私の大好きな香り。



忘れることはきっとない


小さな頃の私の思い出。





それは鮮やかな緑色と


オレンジ色のコントラスト。



つま先で立ちながら


手を伸ばして掴み取った。



そのままその小さな手のひらで包み込んだ。



早歩きで、落とさないように


そっと優しく。



家に着くとすぐにそれを母にみせた。


母は優しく笑っていた。





毎年この香りがすると思い出す


小さな少女の後ろ姿。



どこかで読んだ話によると


匂いは私たちの意識の先を行くらしい。



きっと、何度違う秋が巡ってきても


また私は思い出すのでしょう。



金木犀の香りにつられて。




駅の階段、虫の寝床。

2020-09-07 21:46:00 | ポエム


発車時刻の3分前。


急ぐが走りはしない足取り。


飛び交う改札の電子音。


階段を降りようと足を踏み出す。




そこには必ず虫の個体。




電車と重なる歩く速度。


開いたドアと変わらない面々。


座って開く参考書。


そのまま終電へと眠りにつく。




変わらない、私の日常。




大衆に紛れて歩く道。


生ぬるい空気の授業と日々。


夕方の雨と濡れた教材。


そのまま乗り込む帰りの電車。




いつか終わる、わたしの日常。




朝よりもゆっくりと流れる時間。


降りていく人々と落ちていく太陽。


アナウンスとともに立ち上がる。


電車を降りて階段をあがる。




そこには必ず虫の死骸。




気にも止めずに足を進める。


足音が響いて耳に残る。


これが日常、これが日々。


足取りが重くなっていく。




踏み外しはしない。


絶対に。



わたしのための靴を探して。

2020-09-04 21:38:00 | ポエム

たとえ壮美なドレスがなくても、


あなたの思うわたしに1番似合う色と


あなたの好きな花の名前を


おしえてくれるだけでいいの。




たとえ豪華な食事がなくても、


あなたの好きな紅茶の茶葉と


わたしの好きなベリーのスコーンと


静かな鳥のさえずりさえあればいいの。




たとえ舞踏会や音楽がなくても、


心が踊るような朝の目覚めと


パーティ開く小さな街と


ワルツのような人々の行き交いがあればいいの。




たとえ魔法が解けてしまっても、


あなたがわたしの髪に触れ、


わたしがあなたの髪を撫で、


明日の光を望める夜を


2人だけで祈りながら過ごせればいいの。




でもどうか、おねがい神様、


わたしを灰になんかさせないで。



他には何もいらないから、


わたしを1人にさせないで。



あの童話の少女のように、


ハッピーエンドで笑わせて。


夜を追い越す朝日。

2020-08-23 09:45:00 | ポエム
目を閉じなければ眠れないけれど、

どうにもこうにも気が進まなくて、

無理やり部屋の全ての電気を消してみても、

そこが部屋の中なのか、まぶたの裏なのかわからなくなる。

「そもそも私はなんなのか。」

そんな突拍子のないことを考え出してしまう。

眠れない。

今日も同じような1日が終わった。

明日も同じような1日なのだろうか。

眠れない。

目の前のことでいっぱいなのに、

明日の私がどこにいるかなんて、わからないよ。

眠れない。

わたし以外は変わっていくのに、

わたしはなんで変われないのだろう。

眠れない。

どうしたら、いいのだろう。

答えは出ないまま、いつの間にか眠りについて、

空気の読めない朝はやって来る。

たとえ眠れなくたって、

綺麗な朝日は昇ってくる。






シンクロニシティ・ラブインシティ

2020-08-19 16:54:00 | ポエム
もしもね、
もしもの話なんだけど、

こんな広い世界で一目惚れをしたならば、

それこそ電気が走るような衝撃を感じたならば、

わたしは初めて恋を知れる気がするの。

今までのなんか比にならないくらい、

そんな突飛な恋がしたいの。

欲を言ってもいいならば、

あなたも同じだったらいいな。

そんな昼下がり、いつもの街並み。