
69.
camoscio(カモッショ): イタリアの皮手袋屋さんへ行くと、色々な動物の皮があるが、良く聞くのにcamoscioがある。とにかく柔らかくて、皮の質が良いと店員はこの皮をさすって薦める。最初はこれがなんのことか分からなかった。鹿の種類だという気はしたが、鹿はcervoと言うので、どうも違う。色々聞いているうちに、これはひょっとしたら、その発音からカモシカのことではないかと勝手に決めてしまった。実は本当にこれがカモシカのことかどうか自信は全くなかったのだが、大分たってから念のために辞書を引いてみたら、カモシカとあったので驚いた記憶がある。日本語の原点は知らないが、鹿はともかくも、カモは、イタリア語から来たのではないのかと思ってしまっている。尚、イタリア語でmatterhorn(マッターホルン山4478m)のことを、Cervinoというが、これは「鹿の角」という意味である(ちなみに、ドイツ語のmatterは牧草地という意味だそうで、鹿の角とは関係がなさそう)。また、Cerivinoがすぐそばに見えるスキーリゾートの事を、Cerviniaという。ここはマッターホルンからスイス側に降りると有名なZermatt(ツェルマット)、イタリア語に降りるとこのCerviniaとなる。両方から、上っていけば同じところで会うはずなので、標高3500m程の尾根を越えて、スキーをはいたままスイス側に行くことも出来る(筈である=誰か試してみて下さい。雄大ですよ。私は両方から尾根までは行きましたが、国境を越えるまでは行かなかったので)。