79.braccio di ferro:braccioは腕、ferroは鉄、鉄の腕=腕相撲のことをいう。鉄の事を元素記号ではFeというが、これはFerroから来ている。鉄は強い意味を持つので、stomaco di ferro 頑丈な胃袋のようにも使う(stomaco di bronzo(青銅)という言い方もあるが)。鉄道はferro+viaでferroviaという。地下鉄は、sottoを使って、ferrovia sotterraneaである。一方bronzoは、厚かましいという意味がある。日本語では厚かましい人を「鉄面皮」というが、それは、faccia di bronzo「青銅面」という。金属のことで思い出すのは、1939年に締結された伊独同盟。この後、1940年には日独伊三国軍事同盟が結ばれ、第二次世界大戦に入っていくのだが、この伊独同盟のことを”Patto d'acciaio"という。acciaioとは、鋼鉄=スチールのことで、勿論これは鉄よりも硬い(絆で結ばれる)同盟との意味であったのだろうが、名前だけだったようだ。「外交」を象徴するような名づけ方だなと思わされる。尚、金属には冷たい意味もあり、occhio d'acciaio (鋼鉄の目)と言えば、冷徹な(冷たい)目(視線)の意。また、ferro(鉄)と言えば、「鉄の女」と言われたサッチャー元イギリス首相を思い出すが、これは signara di ferro, または lady di ferroという。しかし注意しなければならないのは、これは何もサッチャー女史だけのあだ名ではない。女性の首相や元首はこの名で通常呼ばれる。例を挙げれば、インドのインディラ・ガンディー首相、イスラエルのゴルダ・メイヤー首相など、ちなみにフィリピンマルコス大統領のイメルダ夫人はfarfalla di ferro(鉄の蝶)と呼ばれた。
