イタリア語の単語

イタリア語学習の裏話
イタリア語の不思議

79. braccio di ferro 鉄の腕とは?

2013-07-24 | 日記
79.braccio di ferro:braccioは腕、ferroは鉄、鉄の腕=腕相撲のことをいう。鉄の事を元素記号ではFeというが、これはFerroから来ている。鉄は強い意味を持つので、stomaco di ferro 頑丈な胃袋のようにも使う(stomaco di bronzo(青銅)という言い方もあるが)。鉄道はferro+viaでferroviaという。地下鉄は、sottoを使って、ferrovia sotterraneaである。一方bronzoは、厚かましいという意味がある。日本語では厚かましい人を「鉄面皮」というが、それは、faccia di bronzo「青銅面」という。金属のことで思い出すのは、1939年に締結された伊独同盟。この後、1940年には日独伊三国軍事同盟が結ばれ、第二次世界大戦に入っていくのだが、この伊独同盟のことを”Patto d'acciaio"という。acciaioとは、鋼鉄=スチールのことで、勿論これは鉄よりも硬い(絆で結ばれる)同盟との意味であったのだろうが、名前だけだったようだ。「外交」を象徴するような名づけ方だなと思わされる。尚、金属には冷たい意味もあり、occhio d'acciaio (鋼鉄の目)と言えば、冷徹な(冷たい)目(視線)の意。また、ferro(鉄)と言えば、「鉄の女」と言われたサッチャー元イギリス首相を思い出すが、これは signara di ferro, または lady di ferroという。しかし注意しなければならないのは、これは何もサッチャー女史だけのあだ名ではない。女性の首相や元首はこの名で通常呼ばれる。例を挙げれば、インドのインディラ・ガンディー首相、イスラエルのゴルダ・メイヤー首相など、ちなみにフィリピンマルコス大統領のイメルダ夫人はfarfalla di ferro(鉄の蝶)と呼ばれた。

71 イタリア語単語の話 そば

2013-02-16 | 日記
71.蕎麦:ソバは日本の食べ物ですから、何故イタリア語の話に「ソバ」が出てくるのか? そろそろネタ切れで日本語で勝負しようなんて考えてるんじゃないだろうな?とお疑いを持たれるかもしれませんね。無理やり話を引っ張ります。Spaghettiはイタリアの料理ですが、これも一説には、マルコポーロが中国から麺類を伝えたという話もあります。Spaghettiの原料は、うどんや素麺と同じ小麦粉ですから、元は大して変らないようですが、小麦粉にもいろいろ合って、セモリナ(semolina)種から作ったものだけが、イタリアではパスタと認定されるそうです。セモリナ種も地方や州によって色々特徴があるのでしょうが、大体私が行ったところでは、どこでも自分のところのsemolinaが最高だと言ってました。ちなみに、”私の個人的な感想ですが”、世界で食べ物が自分の国及び自分が生まれ育ったところが一番おいしいと思っているのは、イタリア人と中国人です。そして、海外へ行ってもイタリア料理と中国料理しか食べないのも、この2カ国民です。しかし、日本にも、自分の故郷のラーメンが絶対一番おいしいとか、言い張る人もいますので、それを思うとどこでも同じかもしれません。以上個人的な感想でした。さて、ソバに話を戻します。イタリア語ではソバ粉のことを、grano saraceno(グラーノ サラチェーノ)またはfarina di grano saracenoといいます。意味は、サラセンの小麦です。ここにくるまで大分遠回りをしてしまいました。日本では更科(サラシナ)ソバと言いますが、イタリアではサラチェーノという、ちょっと似ていると、それだけの話です。なお、イタリアではサラチェーノを使ってソバは作りません。饅頭のようなものを作ったり、丸めて煮込んだりします。

70 イタリア語単語の話 Gennaio Febbraio

2013-02-16 | 日記

70.Gennaio,Febbraio: イタリア語を勉強したかたは、sette-mbre、otto-bre、nove-mbre、dice-mbreが夫々、7-8-9-10を表わすのにも拘わらず、9月ー10月ー11月ー12月と2ケ月ずれた月を表わすということに気付いていますね。これは、昔のローマ暦では、1年が10ケ月しかなく(304日)しかも年の始まりが現在の3月からだったことに由来するといわれています。そして、現在の7月、8月ももともとは夫々第5の月、第6の月(3月から始まって)と呼ばれていたんだそうですが、LuglioとAgostoという名前に、ローマ帝国初代皇帝のAugustoのときに変えられました。LugioはGiulio Cesare(英語読みのシーザー)、Agostoは自分の名前です。そして、1年も12ケ月に変えられました。何故1年が10ケ月304日で回っていたのか不思議に思いますね。当時は冬は、寒いので、単に「冬」と言っていただけかどうか分かりませんが、月としてカウントしてなかったようです。そして、1年が365日では合わないということも薄々感じていたようで、冬の長さ(従い61日または62日)を4年に一度調整していたようですね。12ヶ月に変更した時に、最初の月をgennaioと名づけました。これはローマ神話のGianoという神の名で、ドア(入り口)の神様です。1月は1年の入り口だということで、この名前をつけたそうです。2月はfebbraio、これはラテン語のfebruareから来ています。この意味は、魂を清める、慰霊する、贖罪する月と言う意味です。もともと3月から1年が始まることになっていましたから、その前に全てを贖罪し新しい年に入ると言う意味だったのでしょう。日本の除夜の鐘(108の煩悩を年の最後に清める)と似ていますね。そして、何故2月が28日だったり29日だったりするかもこれで分かります。1年の最後の月なので、この月で調整しようとしていたのです。ここまで書くとMarzo~Giugnoもどういう意味か気になりますね。興味ある方は調べてみて下さい。

イタリア語の単語の話69 camoscio

2012-11-28 | 日記
69.camoscio(カモッショ): イタリアの皮手袋屋さんへ行くと、色々な動物の皮があるが、良く聞くのにcamoscioがある。とにかく柔らかくて、皮の質が良いと店員はこの皮をさすって薦める。最初はこれがなんのことか分からなかった。鹿の種類だという気はしたが、鹿はcervoと言うので、どうも違う。色々聞いているうちに、これはひょっとしたら、その発音からカモシカのことではないかと勝手に決めてしまった。実は本当にこれがカモシカのことかどうか自信は全くなかったのだが、大分たってから念のために辞書を引いてみたら、カモシカとあったので驚いた記憶がある。日本語の原点は知らないが、鹿はともかくも、カモは、イタリア語から来たのではないのかと思ってしまっている。尚、イタリア語でmatterhorn(マッターホルン山4478m)のことを、Cervinoというが、これは「鹿の角」という意味である(ちなみに、ドイツ語のmatterは牧草地という意味だそうで、鹿の角とは関係がなさそう)。また、Cerivinoがすぐそばに見えるスキーリゾートの事を、Cerviniaという。ここはマッターホルンからスイス側に降りると有名なZermatt(ツェルマット)、イタリア語に降りるとこのCerviniaとなる。両方から、上っていけば同じところで会うはずなので、標高3500m程の尾根を越えて、スキーをはいたままスイス側に行くことも出来る(筈である=誰か試してみて下さい。雄大ですよ。私は両方から尾根までは行きましたが、国境を越えるまでは行かなかったので)。

イタリア語の単語の話68.Pepe

2012-11-28 | 日記
68.pepe(ペペ):好きか嫌いかは個人差があるとして、私はイタリアの調味料は好きだ。4つしかない。sale(塩)、olio(オリーブオイル)、aceto(酢)そしてpepe(胡椒). 食卓にはこれしか置いていない。例えば、朝食でpaneまたはpaninoを食べるときに、日本人であればバターかジャムが欲しいところだが、イタリアにはない(アメリカ式のホテルは朝食がアメリカ式ゆえ、バタージャムはアメリカンコーヒーと共にあります)。至ってシンプルである。イタリアの固いpaneに慣れると確かにバターはいらない。これは、少し塩気があってそのままでも食べられる。いや恐らく、そのまま食べることを目的に作られたのであろう。柔らかいパンばかし食べている日本人には信じ難いことだが、paneは硬ければ硬いほど良いとも言う。(ただしそれは外側のことで、中はあまり硬くない方が宜しい)。昼食や夕食にサラダが出ても、調味料はこの4つだけだ。魚も、肉もこれだけ。saleはシチリアの岩塩、olioやacetoは、vergineやbalsamicoなどと、新鮮さ、濃さ、芳香性などで凝っている。condireとは、味付けすることを言うが、insalata condita といっても、大体 saleとolio、またはacetoでconditaされている。最近は、日本人旅行客に合わせてsalsa di soia(しょうゆ)を置いてあるところも多い。また、tabascoは、本来イタリアの調味料ではないので、普通は置いてない。 pepeに大きいを意味するoneをつけると、peperoneだが、これはピーマンのこと。逆にpeperoncinoといえば、唐辛子のこととなる。

イタリア語単語の話67 Giappone

2012-11-05 | 日記
67.Giappone(ジャッポーネ):これは、無論日本のことである。日本とイタリアとの何らかの関わりを辿ると古くは、Marco Poloに行き着く。彼が書いたとされる東方見聞録によれば、13世紀の日本であるが、黄金の国ジパングと呼ばれていたとある。黄金は平泉の中尊寺金色堂のことや、後に中国との貿易決済に金を使っていたからだとか諸説あるが、いずれにしろMarco Polo自身は日本には来ておらず、伝え聞いた話のようだ。このジパングであるが、この最後のグ音がどこから来たのか分からないが、一説にはジパングというのは中国が当時日本をそういう音で呼んでいたということである。しかし、日本は現在の中国語でも、ri-benとピンインで書き、この音は「リーベン」と言うよりも、人によって(特に巻き舌の強い人なら)「ジーベン」に聞こえる。また、Marco Poloが中国に行ったとされる時代は、元の時代でフビライ(クビライ)ハンが、中国を治めている。つまり、今のモンゴルである。彼らが日本の事を、ジーベンではなく、ジーパン若しくはジーパングと発音していたにしても不思議はない。何れにしろ、これがJapanの原形であり、Giapponeのまた原形であることは間違いがない。Marco Poloはフランス語も話せたそうだし、実際に東方見聞録が出版されたのは、彼の死後1世紀以上も経ってからで、それもフランス語で出版されたとある。それならば、ジーベンがジャポンになったとて、これもあり得る。
これは、何れにしろその当時日本のことを、既に中国が日本と呼んでいたことの証明にはなるだろう。(日本という国は、日の元(本)のことであるが、それは日本が自分で日の元だと言ったのではなく、中国から見て日の元(太陽が出る国)だから、日本と呼ばれたのだが)。
また、Marco PoloはVeneziaの人とされており、13世紀にはイタリア語は統一されておらず、当時日本のことをGiapponeと呼んでいたかどうかは疑わしい。Veneto地方は、語尾を切ることが多く、人の名前で「~ン」とあると(例:Girardin, Zambon, Beneton)、まずVenetoの人である(他のイタリア人の名前は、母音で終わる)。また、外国語学校で有名な ca' foscari のように(ca'=casaを省略)音を短くする。従い、Veneziaでは当初ジーポンまたはジャポンと呼ばれ、のちにGiapponeとなったことも想像はつく。以上gipponeの由来に関する、私の「想像」である。尚、日本のと言う意味で、nipponicoという形容詞も使われます。

イタリア語単語の話66 tifone

2012-10-29 | 日記
66.tifone(ティフォーネ)とuragano(ウラガーノ):tifoneは台風のことである。台風とは、太平洋や南シナ海に発生する熱帯低気圧で、ある一定の風速のものをいうそうだが、イタリア語では台風とハリケーンなどの違いはなく、全てtifoneと呼ぶ。ハリケーンにはuraganoというイタリア語があるにはあるのだが、あまり区別されて使われてはいない。また、インド洋や太平洋南部で発生したものをサイクロンと呼び、発生場所によって呼び名が変るということで、日本ではその地域の呼び名に従っているが、イタリアではこの3者はどこでも適当に使っているようだ。OZの魔法使いの英語版では、ドロシーが吹き飛ばされるものをCycloneと呼んでおり、そのイタリア語版(Il Mago di OZ)でも、これにならって避難する部屋を"cantina del ciclone"と呼んでいるので、西洋社会ではあまり厳密に区別はしていないようだ。さて、自然の猛威のひとつに、竜巻があり最近日本でもしばしば発生しているが、これはイタリア語では tromba d'aria という。直訳すれば、空中のトランペット。tornadoという言葉もあるが、これは外来語で、発音はトルナードと読むが、イタリア語ではない。また、海の上で発生する竜巻は、tromba marinaという。逆に海の中に渦巻く、渦巻きをなんというか? これは、mulinelloという。また地震はterremoto(地が動く)というが、津波はmaremoto(海が動く)という。ただし、Tunamiはもはや世界で通じる言葉になってはいるが。

イタリア語単語の話65 bottarga からすみもイカすみも

2012-10-10 | 日記
65.bottarga(ボッタルガ):なんだかぼったくられそうだが、これは「カラスミ」の意味。カラスミとは、ボラなどの卵巣を塩漬けし、天日干しで乾燥させたものをいう。珍味で結構高いので、日本ではあまりお目にかかったことがなかったが、大分前に台湾で沢山見かけてから少し気にするようになった。イタリアでも、高級品だが製造されており、Spaghetti alla bottargaとして食することが出来る。なお、Spaghetti al nero di seppia というと、これはイカ墨のスパゲッティである。イカ墨とカラスミなので間違えないように。尚、築地の場外市場でも、カラスミを沢山売っているのを見かけたことがある。みたところ、明太子と大して変らないので、間違えそうだが、こちらはスケソウダラの卵巣だそうだ。そして、明太子はイタリア語では、mentaikoと日本語をそのまま使っており、mentaiko piccante が辛子明太子となる。


イタリア語単語の話64 grandine 雹と霧とワイルドだな

2012-10-06 | 日記
64.grandine(グランディネ):イタリアの北部では、日本ではめったにあり得ない自然現象がある。そのひとつは、grandine これは雹(ヒョウ)のこと。雹が降るときは、とてつもない大雨になる。どれくらいかというと、道路を車で走っていて、ワイパーを最高に速くしても前が見えないほど。従い、大概雹が降るような大雨だと車は止まる。それは勿論、車を守るためもある。何故なら、私の経験した雹は、直径が3~4cmほどのもので、車はでこぼこになる。とにかく大量の雹に当たるので、きれいにできぼこになる。つまり、全体が同じようにでこぼこになりますから、そんなデザインだと勘違いするかも知れないくらい。これは板金屋に持っていくしかない。きれいに直してくれました。高速道路で、大雨が来て雹が降りそうになると、橋の下に車が止まります。勿論先に止めた車が橋の真下に止めるが、その後どんどん回りに止めてきて、橋の周りは車で一杯。しばらくは、動けません。夕立のような雨ですから、すぐに止みます。もうひとつは、nebbia(ネッビア)です。これは、霧。ロンドンは霧で有名ですが、北部イタリアの霧は、もっと凄いとも言われます。ミラノの空港は冬に霧でよく閉鎖され、そのたびにBelgamo,Genovaなどの空港で降ろされます。この霧がどれくらい凄いかというと、少なくとも東京近辺では予測が出来ないでしょう。ひどいときはせいぜい5~10mしか視界がない。北イタリアの高速道路で霧が発生したら?通行止め?それは、事故が起こらない限りない。高速で霧が発生しても、車は時速100km以上でぶんぶん走っています。私も最初は驚いて、次第にそれに慣れた1人。それは、前も横も見えないときが一番怖いが、少なくとも前の車のテールランプが見えたら、その後を付いていけば良いということに気付いたから。スピードを落とすと追突されるから。それと走っていて気付くが、イタリアの高速は基本的にまっすぐだから、霧が出ても真っ直ぐ進めばよいという道理。怖いのは、高速を降りるとき。まず、案内板が霧の為に見えないので、予測してスピードを落とさねばならないこと(追突される恐怖)。そして、高速から一般道路に出るときにもし、対向車線を越えなければならないとき。全く見えませんから、エイヤーと渡るしかありません。尚、霧が濃いというときは、fittoという形容詞を使います。濃い霧は、nebbia fitta.

イタリア語の単語の話63 casino`とcasino

2012-10-01 | 日記
63.casino` (カジノ)とcasino(カジーノ):最初のほうは、ノにアクセントがあり、カジと読む。この意味は、ギャンブルをする場所、カジノのこと。後方は、casaに縮小辞のinoをつけた言葉で集会所や小屋のことをいう。casaの縮小辞で小さい家を意味する言葉は、casinoといわないで、casinaと女性形をとるか、casettaという。さて、casino(カジーノ)の方は、もっと別の意味があって、こちらはイタリアでは常に耳にするが、Che casino!というように使われます。casinoは俗語で、混乱のことをいい、Che casino!は、「なんとまあ!」という驚きの言葉。道が渋滞しているような状態のときに必ず発せられる言葉である。例えば、空港や駅からタクシーに乗って、道が渋滞にあったとすると、タクシーの運転手はまず間違いなく、この言葉を発しますから、一度よく聞いてみてください。さて、アクセント位置で意味が全く変ってしまうもので、もうひとつ代表的なものは、papa(パーパ) とpapa`(パパ)を上げておきます。前者は、ローマ法王、後者はパパです。