12年に一度の松江城山稲荷神社の神幸祭ホーランエンヤが終わった。
3日間に亘るロングランだったが、見ごたえのある大祭だった。
笛君は、12年前に行われた神事を見逃したため、この日を待ち続けた。
お祭りでは、櫂伝馬の踊りが有名だが、実は神社の言われから始まっている。
それは360年前に、松江藩の地域では不作続きで飢饉となり、稲荷神社の宮司が約10キロ離れた阿太加夜神社に、祈祷に出かけたのが始まりとされている。 その行事が12年に一度執り行われる「ホーランエンヤ船渡御祭」となった。
櫂伝馬船は、五大地と呼ばれる馬潟、矢田、大井、福富、大海崎の地区から繰り出され、歌舞伎役者のような格好で櫂を剣にみせて踊る剣櫂(けんがい)と采振り(女踊り)の櫂伝馬踊りを披露する役者と櫂を漕ぐ櫂かき、太鼓を打ち鳴らす囃し手、唄声を掛ける音頭取り、船頭が乗り込み総勢35人にもなる。
聞くところによると、今年のホーランエンヤ(櫂伝馬船踊り+船漕ぎ+唄)のために、半年前から各地区で練習をしたと言う。 女装をした役者や花笠を被った少女もみんな男子だ、特に小学低学年から高校生が舞い手となって、地区の伝統を師匠から教わる。
添付の写真は、最終日の還御祭(天候が悪く雨が降った)で午後5時過ぎから、松江城山稲荷神社の境内で奉納された、最後の櫂伝馬踊りだ。
役者たちは、3日間とも午前3時30分に集合し準備した。 顔にはドウランを塗り、着物をまとい、カツラをつける。 それだけでも大変なのに、最後まで船上でも陸行でも役者を演じきった。
12年後は彼らが師匠となり櫂伝馬を伝承する。