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『胎児のはなし』 増﨑英明 最相葉月

2019年10月08日 | 読書日記

『胎児のはなし』 増﨑英明 最相葉月
¥1,900+税 ミシマ社 2019/2/4発行
ISBN978-4-909394-0

増﨑先生、ステキ。
妊娠・出産で精神的に不安定になった時、こんな先生が主治医で励ましてくれたら患者は力強いだろうなあ~。

> お産って半分おまじないみたいなところがあっていろんなものが入り込みやすいんです。一つが、母乳ですよ。どんなことをしてでも母乳だけで育てるとか、意地になって母乳出すとか。いいじゃん、ミルクで。きわめて上等なミルクができとんのに、そんなぎゅーぎゅーきつか目にあわんで。母乳が出るならあげればいいし、出ないならミルクをあげればいい。それより子育てを楽しまんねといいたいね。(227-228頁)

うんうん、同感。
楽しまなきゃだよねー。
楽しめないと、育児鬱になる…。それは不幸。誰にとっても。

 

 

 

> 先生 新生児は、大人の三千倍しゃっくりやってるって書いた論文を読んだことありますよ。
> 最相 三千倍?
> 先生 なんてつまんないこと調べるんだと思って、ついうれしくなった。(140頁)

いいなあ、先生! バカバカしいことを楽しめる感覚がすてき(≧▽≦)。

 

> 先生 エイズって、お母さんがエイズになると、胎児も一定の確率で先天的にエイズになるんです。普通にお産すると20~40パーセントくらいです。でも、陣痛が来る前に帝王切開で生まれると2パーセントくらいまでガタンと減るんですよ。もちろん帝王切開だけでなく、抗ウイルス療法とかも必要ですが。おそらく出産で子宮がぐーっと収縮するときに母体のウイルスを胎児に押し込んでるんです。(183-184頁)

これで先天性のエイズ患者がガタ減りしたという。すげ。
陣痛がくると、母親のDNAが胎児に行く。陣痛がくる前にも、微量ながら母親から胎児へDNAが行っている。胎児から母親へも流れている。そして胎児のDNAは父親からも受け取っているわけだから、母親は胎児を通して父親のDNAも受け取っているのだ!
夫婦は血のつながりがないけど、DNAはつながってるんだよー。

胎児経由だけでなく、セックスだけでも父親の精子由来のY染色体が母親に流れているらしい。X染色体も流れてるんだろうけど、それは検査では調べようがないので予測のみ。
うわー。すごい話だなあ。

 

おもしろかったです!


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