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めざせ!介護の達人

元リーマンの専門学校生
学校で学んだいろんな事を徒然と書いております。ちと理屈っぽいページです。

施設で働いている人に聞いてみたい!

2004-09-15 | 戯言
今回は「養護老人ホームでの出来事」についてのお話。
あくまで施設職員ではなく福祉専門職のタマゴが見てきた感想です。
施設で働いてる人が見てくれましたら、「こんな所を見てるんだ。」とでも思ってくだされば幸いです。ご指摘の点があれば気軽にカキコミお願いします。


先日、私は千葉県内の某養護老人ホームホームへ“強制ボランティア”へ行って参りました。“強制”って言うのは、学校が「夏休みの宿題」という名のもとに行かせたからなんですが…(笑)
そこでの出来事のお話です。

某施設は養護と特養が併設されている施設なんですが、当日は“夏祭り”が開催されるという事だったので、ボラの募集があったんです。
今までのボラでは、施設に行くと担当介護職の人(大抵、主任クラスの人)が出てきてアレコレを指示されるんですよ。
「あなたの受け持ちは、●●さんです。」ってな感じで…

勿論、今回も同じく指示されたんですが違う点があったんです。ソレは指示された場が

「日勤・夜勤者の引継ぎ&介護職とNSの夏祭りのブリーフィングの場」

だったんです。
部外者の学ボラが会議の最初から参加している事には正直驚きで、本当に“素”の職場を見せている事に施設職員、とりわけ介護職の人の自信が見えました。
さらに私を驚かせた事が、この施設ではあったんです。

「自主性の尊重」とか「主体性」という言葉があります。
介護や援助をする上でとても重要な事なんですが、「介護目標」というのもあるんですよね。
例をあげれば「寝たきりにさせない」とか「元気高齢者への介護予防」とかetc…。
そこで問題になるのが、介護目標を達成しようと頑張ると利用者さんの主体性を損なう可能性があるのです。
“介護”とは利用者さんのしたいと思われる“自己決定”を介護者が代役として行っている事ですので、極論を言ってしまうと“介護”は“利用者の主体性”を奪う可能性がある、という事です。
おそらく現場で働いている介護職の誰しもが、その境界を見極め、主体性を損なわないように介護する事に悩んでいるんじゃないかと思います。

そして、この某施設で驚かされた事というのが次のような事なんです。

夏祭りが開始されるという事で、利用者の皆が外に出て近隣住民の方と一緒に盆踊りとかを踊ったりするので、私の担当利用者S氏と指定席で先に待っていたんですよ。世間話なんかしながら…
しかしS氏は夏祭り開始直前に、
「やっぱり、部屋に帰りたい!」
と言い出したのです。

もう開会の式が始まる直前で、施設長を筆頭に議員さんや県の偉い御役人さんが勢揃いしているんですよ。
こんな時に席を立って建物の中に戻るのは、
「さすがにヤバイんじゃないかな?」
とは思いましたが、近くに居た介護職の方に報告し判断をあおぎました。
職員の方が再度Sさんと話した後に、私に言いました。

「Sさん、今すぐ部屋に帰りたいらしいので、部屋まで連れて行ってください」
と…

言われた通り私はS氏を連れて、お偉いさん達がいる前を通って部屋まで戻ることにしました。しかしS氏はパーキンソンの持病を抱えている身なので、歩く速度はカナリ遅いのです。目立ちまくりでした。

そして部屋まで戻る道中、色々な職員の人に当然
「Sさん、どうしたの?」
と声を掛けられるんですよね。

その都度、私が
「部屋に戻りたいそうなんです」
と答えると、皆一様に
あら、そうなの。それじゃ部屋までお願いしますね」
と返事をされるんですよ。
他の介護職の人だけでなく、事務職の女性の方や調理師さん?(厨房の格好をしてたんですが…)の人達まで、同じような対応なんです。

誰一人として、部屋に戻る事を止めて夏祭りに参加するように仕向けるような声掛けをする人が居ませんでした。

こういう“利用者の主体性の尊重”という考え方が施設全体に行き渡っている感じをうけました。
これが私が驚かされた2点目でした。



直接、現場で働いているケースワーカーが主体性の尊重の視点を重視しているのは分かるんですが、施設全体の職員にそういう考え方を水平展開している所って殆ど無い様に思っていたんです。
そんな事はないんですかね?
施設職員に対する(理念等の)教育ってのは、最近じゃしているモノなんですか? 現場で働いている人に聞いてみたいです。

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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なぜ? (moonrise)
2004-09-28 23:23:30
こんにちは、ケアプラザで働いている介護職です。

Sさんはなぜ部屋に帰りたかったのですか?
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RE:なぜ? (こうたろ@管理人)
2004-10-02 02:58:18
ご質問、有難うございます。m(_ _)m



Sさんの部屋に戻りたかった理由というのは、幾つか推測できるのですが

①夏祭り開始までの間、15分から20分間程、待たされた為に体が冷えた

②夏祭りは夕食後に行われたのですが、Sさんの毎日の行動が“夕食後に仮眠をとる”事と思われ、眠くなった

③ただ単に、待たされ疲れで退屈になった?

以上の3点が、その場で考えられました。



Sさんを居室まで送った時に、

「夏祭りの後半が始まる時に、またお伺いしますね」と了承を得ておいたので、40分後に居室に行ってみると、グーグー寝てました。

Sさんに気分を確認すると、

“夏祭りを見学する”

という事なので、再度お連れしました。



その後で、Sさんにも担当主任から飲み物(缶ビール)が配られたので体調が悪いという事は無さそうな感じを受けたのですが…詳しい所は不明です。



Sさん、68歳・男性 数年前からパーキンソン病を罹患。症状は軽度で自力歩行が可能。ADLは高く、食事時の(食べ物を溢すので)食器を支える、座位からの立ち上がり&座る時以外は介助は入れませんでした。歩行時に手を握って支えはしましたが…必要かどうかは微妙だったです。

知的レベルの低下はそれほど見られていない様子でした。持病についての認識は

“こんな体になっちゃ、俺も御終いだよ”

との発言から、少なからずネガティブに捉えている感じを受けました。

そんな背景があるので“本人のやりたいようにさせる”事が、ココでのいつもの生活なんじゃないのかな? と思ったんですけど…



あくまで高齢者介護の素人の学生の視点です。チョット違うんじゃないの?なんて意見があれば是非ヨロシク御願いします。



あと、こういう時(イベントやレク企画時)によく男性利用者さんに見られる“消極的参加姿勢?”に対する対応の仕方なんかも出来れば教えて頂きたいです。

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