講武館剣道場

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木そのものの素晴らしさ・・・

2006年07月31日 | Weblog
 中学の時の国語の教科書でしたか、『法隆寺』についての随筆がありましたように思います。
 要するに、いかるがの里の堅固な地盤の上で、1000年以上経っても木の香りがする建物、
コンクリートの建物じゃこうはいかない、木は建物になって更に強度を増しそして生きている、
みたいな内容だった気がします。
 その後の学生時代も、木や森と関わりの深い勉強をさせていただいたのですが、木の神秘は
計り知ることの出来ない力を秘めていることだけは分かったような気がします。。。

 大都会のど真ん中にございます某出版社の敷地内の大正時代に建造された古い町道場、
近年取り壊しが叫ばれております。
 しかし、その道場で毎日毎朝行われている朝稽古には全国各地からたくさんの剣士が
集まって今、今日もさわやかに汗しているとのこと。
 その剣士の皆さんの目的は範士八段の先生に御稽古を賜りたいという気持ちもございましょうが、
それとは別に、今は本当に数少なくなってしまった純木造の町道場の聖地にて素敵な御庭
を眺め黙想し、歴代の大先生の御霊を感じて御稽古したい、という熱い気持ちで集ってお
られるとの御噂を耳にいたしました。
 また、その道場の床や壁は全くもってニスなど塗っていない無垢の床板・板壁、木の香りと
剣士の香りが見事に道場本来の香りをかもしだしていると聞きました。
 故に、道場の床は大変滑りやすくなっておりますが、誰一人として滑って転ぶことはないそうです。
また、この床の上で滑って転ぶような剣士は、とても剣道をやるような足腰のバランスに
程遠い、とのきつい御指導御鞭撻を大先生より賜るそうです。
 そういった、剣道を学ぶ為に大切な、ものの原理や本来の価値観をきちんと教えてくれる古い道場なのですね。

 私の聞いた限りの御話ですけど、現在、この道場を未来にも是非残してほしいという強い要望が
全国的にも広がりつつあるとのことです。
 私自身は剣道駆け出しのひよッ子ですので具体的に何をどうするということはできず、見守らせて
いただいているのですけど、まだまだ、世の中捨てたもんじゃないって気がします。
 失ってはならない大切なもの、忘れてはならないものの原理。
利便さや快適さ過保護や間違った安全観念などを求めるあまりに、本来、武道・剣道で学ぶべき
精神性や日本人としての魂などを蔑ろにしていないかと、自らを振り返る今日この頃です。。。(トシ)

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