はい、福石歯科医院です。 院長は私ですが。。。

毎日が楽しい。有楽町の歯医者さんの仕事をみなさんといっしょに。

酸蝕症・・・

2014-10-22 12:59:49 | 日記
みなさんは酸蝕症という病気をご存知ですか?
歯の硬組織、エナメル質が強い酸によって溶けてしまう病気です。

歯の裏側が溶けてしまっていますよね。
酸によって脱灰される現象なのでむし歯なの?って思われがちですが、むし歯は細菌が関与しているので、この酸蝕症は全く違います。
では、むし歯じゃないのになぜこんなことが起こるのか・・・
まずは職業的なものとして、メッキ工場などに勤務していて、酸性のガスを吸引するとこのようなことが起こります。
2つ目は飲食物によるもの。
清涼飲料水、スポーツドリンク、ワイン、柑橘類の果物、ハーブティー、酢などの食品の過剰摂取によるもの。
心当たりのある方いませんか?
朝は果物だけ、運動時にスポーツドリンク、健康のために黒酢・・・
食べちゃいけない!飲んじゃいけない!という訳ではありません。
過剰にとりすぎない!ということです。
3つ目、これが今多いのが現状です。
逆流性食道炎、摂食障害などによる胃酸によるもの。
実際、ここ数年このような状態の患者さんが増えています。
口腔内を拝見させていただいて、いろいろお聞きすると、
「最近胸焼けがする」
「朝起きると口の中がネバネバする」
「歯が全体的にしみるようになった」
このようなお答えをいただきます。
しかし、口腔内写真を見るまでは皆さん気づかないのがほとんどです。

前歯の裏側が極端に薄くなっています。

以前ぴったりとあっていた金属の周りの歯だけが溶けてしまって、金属が浮いてしまっています。
この酸蝕症にはいろいろな治療法があります。
でも、その前に生活習慣の見直しや逆流性食道炎といったものを把握するために消化器内科の受診をお勧めします。

この本は海外で発刊されたものです。この1冊にびっしりと酸蝕症について詳しく書かれています。
それだけ重要な歯科疾患なんです。
是非、ご自身の歯を大切にするためにも歯科医院での定期検診を受診されてください。