渾沌 2012-03-09 15:17:27 | 荘子 南海の帝を儵(しゅく)と為し、北海の帝を忽(こつ)と為し、中央の帝を渾沌と為す。儵と忽、時に相与に渾沌の地に遇ふ。渾沌之を待すること甚だ善し。 儵と忽と、渾沌の徳に報いんことを謀りて曰はく、「人皆七竅有りて、以て視聴食息す。此れ独り有ること無し。嘗試みに之を鑿たん。」と。日に一竅を鑿ち、七日にして渾沌死す。
仁和寺にある法師 2012-03-09 15:07:25 | 徒然草 仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心憂く覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、徒歩よりまうでけり。極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。 さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果し侍りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。 少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。