角換わり腰掛け銀の研究

角換わり腰掛け銀についての研究ブログです

木村定跡

2016-04-20 13:04:40 | 日記

ー木村定跡ー  

初代実力制名人・木村義雄が発表した将棋の定跡。

角換わり腰掛け銀の定跡で、先手勝利まで研究が終わっていることから、

完成された定跡とも言われている(Wikipediaより)



将棋をやってる人なら、


誰しも一度は見聞きしたことのある定跡。






この局面まで進めば先手必勝。


しかし、この定跡は特殊で、この局面に至る以前、仕掛けの段階で


「先手勝勢」とも言われています。




今回紹介する木村定跡、


仕掛けから完全な収束に至るまで、深く掘り下げていきます!





初手より


▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)







▲96歩△94歩▲16歩△14歩(図)







このタイミングで端を突き合っておくのは、


「右玉」に組む場合、若干の得をするため(前回の記事より)。



今回の記事から本格的に、


腰掛け銀について探求していきます。



再掲






▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)







ここまで進めて、「先後同型」の完成。


ここで最もポピュラーなのは▲45歩からの開戦。


基本から最新まで、無限の変化が詰まっています。



▲88玉△22玉(図)






「木村定跡」は、▲88玉・△22玉の交換が


入っている事が大前提。




ここから「必勝」と言われる仕掛けを開始します。



▲45歩△同歩▲35歩△44銀(図)







まずは▲45歩。


▲35歩に△44銀はこれから何度も出現する一手で、


仕掛けに対しての最も基本的な受け方。




△44銀に代えて△同歩と取ると


▲45桂があり、△44銀には▲24歩が厳しい。


▲35歩を突き捨てた効果が表れており、


▲24飛と走った時、△44銀が当たりになります。






4筋、3筋にアヤをつけた先手。



ここから戦線を拡大していきます。





▲75歩△同歩(図)






このタイミングで▲75歩と突き捨てておくのが重要。



狙いは、歩を入手しての▲74歩。


では、その歩をどこで入手しにいくか?






再掲



▲15歩△同歩(図)






今度は端を突き捨てます。



歩を入手すれば▲74歩。よって



▲15香△同香▲74歩と攻めたいところですが、



△71香(図)





これは逆に困ってしまいます。



この局面に限らず、香を犠牲にして▲74歩を狙うのは


上手くいくケースは少ない。



局面を戻します。






▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛(図)







▲75歩、▲15歩とアヤをつけたあとに、


2筋の歩を交換しておきます。



これで1歩を入手することに成功。



後手はつぎに、▲74歩を食らうわけにいかない。








△63角







一見、特異な受け方ですが、


7筋と4筋をまもりつつ、



△95歩▲同歩△98歩▲同香△97歩▲同香△86歩(図)







このような仕掛けも狙っています。



ここまでくると先手がマズイ。



再掲







ここで注目して頂きたいのが「1筋」。



早々に▲15歩を突き捨てていた先手。


それを無駄にしないべく、一気に端から襲い掛かります。






再掲


▲13歩△同香▲25桂(図)







▲13歩として、香を吊り上げ▲25桂。


これには△14香と逃げられ、手が難しいようですが・・







△14香▲34歩△24歩(図)







▲34歩の取り込みに対して△24歩。


後手の狙いは「切らす」ことで、


△24歩も、▲33歩成からの清算を強く促しています。



しかし、ここで絶品の攻め筋がありました。







▲33桂成(図)







▲33桂成が妙手。


結論を先に書くと、これで後手陣は崩壊しています。



では、▲33歩成とするのとどう違うのか?







△同桂▲24飛△23金(図)






狙いは▲33成~の清算ではなく、



桂馬を犠牲にしての▲24飛でした。




△23金は悪形ながらも仕方がない。


△14香が、ここにきて仇になっています。







一気に収束を目指します。




▲11角(図)






この角があまりに厳しい。



△13玉と逃げるのは▲33歩成が好手。


△24玉と飛車を取っても▲23と~▲44角成で崩壊。


▲33歩成に△同銀と応じても、▲同角成~▲21飛成で十分。








よって、△32玉と逃げるよりありませんが・・





▲33歩成△同銀▲44桂△同銀


▲23飛成△同玉▲44角成(図)








▲33歩成~▲44桂を決めて、ばっさり飛車を切る。



最後に▲44角成と躍動させ、


素晴らしく攻めが決まっているのです。







△43金▲45銀△44金▲同銀(図)








一瞬の緩みもなく、流れるような攻めが決まりました。



いうまでもなく、先手の必勝局面です。





これが、角換わり腰掛け銀の根本的な考え方、


歴史をも変えた「木村定跡」の必勝手順・攻め方です。







(普段ほぼ指さないので、恥ずかしながら研究するまで


この定跡に触れることはありませんでした。


本当損だったなあと改めて・・^^; )





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








☆ 結 論・まとめ ☆



図の局面で▲45歩と仕掛けるのが木村定跡。


つぎに▲35歩、▲75歩、▲15歩、▲24歩の順番で突き捨てる。


4→3→7→1→2








ここで▲13歩として香を吊り上げ、▲25桂。



△14香に▲34歩と取り込み、△24歩に






▲33桂成






▲33成~清算ではなく、桂を犠牲にして▲24飛が急所。








▲11角








これで後手陣が崩壊している。




今回は、木村定跡の本手順を紹介しました。




次回は



「木村定跡を受ける後手に、なにか変化はできなかった?(´・ω・`)




本定跡はあまりにきれいに決まってるので、



後手がもう一度指すとしたら、


同じ順を食らうわけにいかないですよね。



なので、この定跡の中に、後手に出来る変化はないか、




独自の研究を織り交ぜて、再度紹介しようと思います。




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