角換わり腰掛け銀の研究

角換わり腰掛け銀についての研究ブログです

△31玉と△22玉の違い3

2016-05-10 22:57:12 | 日記
初手より



▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)






▲96歩△94歩▲16歩△14歩


▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)






▲88玉△65歩(図)







▲88玉に△22玉は木村定跡を仕掛けて良し。


ということで、ここは先に仕掛ける△65歩が考えられます。









▲65同歩△75歩▲66銀△86歩▲同歩


△同飛▲87歩△82飛(図)





一旦落ち着いたところで、今度は先手の反撃。



▲45歩(図)





前回は、この局面で




△35歩(図)





この手にどう対応するかについて調べました。


結論としては、▲46角と打ち、△83飛に


▲44歩と取り込めば、先手がやや指せる。



ということで、今回は、





△45同歩(図)






普通に△同歩と応じられた時、どう仕掛けるか?について


調べていきます。('ω')







▲35歩△44銀▲24歩△同歩


▲同飛△23歩▲28飛(図)






先の後手の仕掛けと同手順で揺さぶります。


ここで考えられるのは



△22玉(図)





△95歩(図)






前者は、間合いを図った腰の入った一手、


後者は、先手に動かれる前に仕掛ける機敏な一手。



どちらが優るか? 


まずは△22玉から調べていきます。








▲15歩△同歩▲13歩△同香▲25桂


△14香▲34歩(図)






端に味をつけ、▲25桂~▲34歩と取り込む。


以前にも何度か紹介した攻め筋です。



ここで△43金右など受けに回るのは


先手に攻勢を握られる。


後手も反撃します。




△86歩▲同歩△85歩▲同歩△86歩(図)





先手から得た歩で、継ぎ歩・垂れ歩の


手筋で迫ります。




ここで▲75銀と受けるのもあり、


△85飛には▲77桂で追い返せるが、


代えて△65銀と迫られるのが嫌味。


銀を渡すと一気に危なくなります。



ここはどういう方針を取るか?







▲33歩成△同桂▲13角(図)






色々ありますが、最善なのは攻め合い。


ただし、渡せる駒は出来る限り小駒。



その条件をもとにどう攻めていくか?







△21玉▲33桂成△同銀▲25桂(図)






桂交換したのち、すぐさま▲25桂と据える。


ここで銀を逃げるのは▲33歩が厳しい。



とはいえ、放っておくと


▲33桂成からの▲34歩が痛打。



ここはしっかり受けます。





△43金右▲33桂成(図)






この桂の取り方は二通り。


まずは△33同金寄から調べます。







△33同金寄▲35角成△85飛▲34歩


△43金寄▲44歩△42金引▲24歩(図)







35の地点に馬を据え、それを拠点に


▲34歩~▲44歩と押さえつけるのが好手段。



△85飛も当然ながら厳しいが、


銀が入らない限りは耐えきれる。





図の局面は先手の一手勝ち。


△24同歩は▲同馬、△69角は


▲79玉と引けるのが幸便。


歩の拠点が光っています。




局面を戻します。







△33同金直(図)







△33同金寄に比べて薄いが、


上部を厚くしたため、▲35角成としても


あまり響かない。


ここは一工夫して攻略します。






▲44歩(図)






まずは▲44歩で揺さぶりをかける。


△同金直は▲24歩と迫る。


△44金の形にさせたことにより、


「十字飛車」が狙える格好になる。


よって、一旦かわします。




△34金右▲35歩(図)






▲24歩を回避できたのもつかの間、


▲35歩がありました。


△24金寄は▲25歩で捕獲されてしまう。



ここまでくると、△44金寄と


するしかありませんが・・



▲24歩△32玉(図)







▲23歩成△同金▲21銀(図)






きれいに攻めが決まりました。


△33玉は▲23飛成!で勝ち。



端に放った角が、大きく花を咲かせました。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



☆結 論 ま と め ☆








▲35歩△44銀▲24歩△同歩


▲同飛△23歩▲28飛(図)






ここで後手に考えられる手は


△22玉と△95歩。


今回は△22玉について調べました。








▲15歩△同歩▲13歩△同香▲25桂


△14香▲34歩(図)





端に味をつけてから▲34歩と取り込むのが


最も早い攻め方。


対して後手は、先手から得た歩で反撃します。




△86歩▲同歩△85歩▲同歩△86歩(図)







一見、玉頭を直撃されて厳しいようですが



▲33歩成△同桂▲13角(図)





▲33歩成に△同桂と取らせ、


▲13角と迫るのが好手。





△21玉▲33桂成△同銀▲25桂(図)







銀を渡さない限り、先手に脅威はありません。



図まで進めば先手が指せる。



以上の研究に基づいて







この局面で△22玉と上がる手には


▲15歩と仕掛けて先手やや良しの


結論にしたいと思います。




次回は



△95歩(図)






△22玉と入城せず、△95歩と先攻すると(・・?



この攻めにはどう対応するかについて



研究していきます。(*^^*)




△31玉と△22玉の違い2

2016-04-28 20:56:06 | 日記

初手より



▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)






▲96歩△94歩▲16歩△14歩


▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)






▲88玉△65歩(図)







▲88玉に△22玉は木村定跡を仕掛けて良し。





ということで、前回は


△22玉に代えて△65歩から


仕掛ける順について前回は調べました。






▲65同歩△75歩▲66銀△35歩▲同歩


△95歩▲同歩△86歩▲同歩


△同飛▲87歩△82飛(図)





▲47角(図)





木村定跡の順と同様に進めましたが、


▲47角が手堅い守りで先手が受けきれる。



「△31玉型」のため、


将来的に「飛車打ちが王手」になるのも大きい。



ということで、今回は







この局面より



▲65同歩△75歩▲66銀△86歩▲同歩


△同飛▲87歩△82飛(図)






先ほど挙げた順と違うのは


「△35歩と△95歩が入っていない」。



この二つの突き捨ては、


攻めの味付けという点で重要ですが、


時として後に負担になる場合があります。





今回は、あえて突き捨てを入れずに、


出方を伺う戦い方について調べていきます。








▲45歩(図)





▲45歩は当然の一手。


ここで反撃しなければ、後手に主導権を握られます。



ここで後手に考えられるのは



△35歩(図)






△45同歩(図)






前者は激しい展開は避けられず、後者は


余裕を見せた一手で、しばらく中盤戦になりそう。




今回の記事では△35歩について調べます。






▲46角(図)






▲37桂と連携をとりつつ斜めの主導権を得る、


いかにも味のよさそうな一手。


△73桂を狙われた以上、ここは一旦守ります。



△83飛▲44歩(図)






ここで後手に考えられるのは



△45歩(図)






△44同銀(図)







まずは△45歩の変化を調べます。







▲45同桂△44銀(図)






△45歩の狙いは、あえて▲同桂と取らせ、反動を


利用し△44銀と進出させて桂をもぎとること。


とはいえ桂を助ける手段はありません。


先手早くもピンチか?







▲24歩△同歩▲22歩(図)







▲24歩~▲22歩は、これから何度も登場する


手筋で、この技があるからこそ成立する攻めが


たくさんあります。本譜も例外ではありません。



△同玉は▲24飛の十字飛車。


桂馬を逃げるのも▲21歩成~▲24飛。







ということで、ここは△同金と取るよりない。




△同金▲24飛(図)






ここで△43銀と引くのは、▲23歩△32金に


▲55銀左が好手で、攻めがつながる。



よって、強く応戦します。






△45銀直▲同銀△同銀(図)






▲23歩(図)






▲23歩は大事な一手。▲55角と逃げると


△23歩で攻めがとまってしまう。




この局面△32金は、今度こそ▲55角があり、


△33銀には▲22銀が厳しい。



よって、△33金と上がります。






△33金▲22銀△42玉▲33銀成


△同桂▲43歩(図)






あくまで飛車は逃げずに攻め続けます。


▲33銀成に△同玉は▲35角。


よって△同桂ですが、▲43歩が手筋の叩き。


△同玉は▲44金~▲45金。




よって玉を引いて退散しますが・・





△51玉▲84飛(図)






▲84飛が気持ちの良い決め手。



△同飛▲73角成に△62角合も、


▲63桂△41玉▲62馬と迫って勝ち。



先手の攻めがきれいに決まりました。








以上の変化により、ここで△45歩には


▲同桂と応じて先手が指せる。



次に△44銀と取る変化について調べます。




△44銀






▲24歩△同歩▲22歩△同金(図)







先ほどの変化で現れた▲22歩が


ここでも威力を発揮させます。



この局面で先手に考えられる手段は



▲75歩(図)






▲75銀(図)







まずは▲75歩から調べます。





▲75歩と取った狙いは、言うまでもなく


▲74歩~▲73歩成。


これが実現すればいいのですが・・



△86歩▲74歩△87歩成▲同金


△86歩▲77金△69角(図)






▲66の銀が宙に浮いたのを見越して


△86歩の反撃が厳しい。


▲同歩と取れないので▲74歩から


攻め合いを目指しますが、


最後の△69角が好手。(▲78歩が利かない)







▲79玉にも構わず△87歩成で、


後手の攻めは途切れることはありません。



・・この変化は先手の失敗です。



局面を戻します。






では次に▲75銀と取る変化について考えます。




▲75銀(図)






▲75銀も、▲75歩の変化と同様で、


△73桂を狙っています。


それが迫る前に、後手も反撃します。




△36歩(図)






ここで▲24飛は△33銀で効果がない。


よって、「時間差攻撃」を仕掛けます。






▲74銀△37歩成▲24飛(図)





▲74銀と飛車に当て、△37歩成に


▲24飛と走る。


▲74銀△37歩成の交換を入れた効果により







△33銀▲22飛成△同玉▲83銀成(図)






単純な飛車交換ではなく、△22金と


刺し違え、駒得に成功します。



よって、図の局面は先手良し。





・・と、いいたいところですが



△85桂(図)






この手がありました。


逃げ道を防ぐのは勿論、△66角の破壊力を上げる、


まさに盤上この一手です。



駒得といっても、▲83成銀と△85桂の


働きの差を考えると・・大差ではなかった?(´・ω・`)







ここで受けに回るのは冴えない。


とはいえ、先手玉に比べて後手玉は広いので


一気の攻略は難しい。


一旦力をためます。



▲24歩(図)






次に▲23金と打てば勝てる。


後手も攻めのギアをあげていきます。


△66角▲98玉△29飛(図)






角を利かせて△29飛。


先手玉が一気に危険に陥りました。


金を渡せば△97金から詰まされてしまう。


放置すると△97桂打がある。



・・このピンチをどう乗り切るか?







▲49歩(図)






この▲49歩、たった一枚の歩が


これからの戦況を大きく左右します。


一見タダのようですが・・



△49同飛成▲41飛(図)






あえて△49飛成とさせたのは、


この▲41飛を破壊力を増すためでした。



例えば、ここで△34銀と上がると



▲55角(図)






「△49竜の位置にさせたことにより、


▲46角を動かせば▲49飛成で


素抜くことができる」



これが▲49歩と打った時からの


一連の構想で、


決してタダの歩ではありませんでした。




局面を戻します。






とはいえ、次に▲23金がある。


一旦は詰めろを防ぎます。



△31桂(図)





ここで大技を仕掛けます。



▲55角(図)






つい先ほど紹介した▲55角を


ここでも炸裂させます。



対して△58竜と金を取るのは



▲66角△78竜▲88金(図)





ギリギリですが、次に▲34歩がある


先手に分のある分かれ。




よって、△58竜に代え






△41竜▲66角(図)







お互い大駒を取り合い、


ほんのつかの間、局面が落ち着きました。



図の局面は難解。ただ僕なら先手を持って指したい。



というのも△49竜と迫ると



▲34歩△58竜▲33歩成△同桂▲67銀(図)






ここまで進むと先手が良くなる。


▲66角の主砲を据えてる以上、


常に▲34歩は厳しい一手になっています。



一応駒得も果たしてるので、長期戦に突入しても


先手が悪い、ということはないと思います。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



☆ 結 論 まとめ ☆








▲88玉△65歩(図)






▲同歩△75歩▲66銀△86歩▲同歩


△同飛▲87歩△82飛(図)







ここで▲45歩と反撃する。



対して△35歩と突くのが今回のテーマで、


▲46角(図)






△83飛▲44歩(図)







ここで△45歩は


▲同桂△44銀▲24歩△同歩▲22歩で指せる。


よって、△44同銀と取りますが



▲24歩△同歩▲22歩△同金▲75銀(図)







以下も難解な展開が続きますが、


先手が不満ではないというのが現段階での結論です。




以上の変化・結論に基づいて








この局面で△35歩と反撃するのは


▲46角と打ち先手がやや指せる。



次回は






△45同歩(図)






△35歩に代え、△45歩と応じる変化について



調べていきます。('ω')

△31玉と△22玉の違い

2016-04-24 23:27:09 | 日記

初手より





▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)





▲96歩△94歩▲16歩△14歩


▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)






前回、前々回はここで


▲88玉△22玉(図)






ここから▲45歩と仕掛けて、先手が優位になる


「木村定跡」について解説しました。



今回は






▲88玉△65歩(図)






△22玉と入城したら木村定跡に突入してしまう。



では・・先に△65歩から仕掛けたら(・・?





後手からしたら、木村定跡は避けたいので


当然考えられますよね。




これにはどう対応するかについて解説します。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








▲88玉△65歩(図)





ここから、木村定跡の仕掛けで進めます。


本来は先手番の特権なので、


いわばお株を奪う格好。





▲65同歩△75歩▲66銀△35歩▲同歩


△95歩▲同歩△86歩▲同歩


△同飛▲87歩△82飛(図)






▲47角(図)







▲47金も考えられますが、手堅く受けます。


一見もったいないようだが、長引くと


歩得している先手が有利。



後手はここで緩めるわけにはいきません。






△97歩▲同香△85桂


▲96香△76歩▲86歩(図)





先ほども書きましたが、これは



「木村定跡」の進行そのもの。




ただ一点違うのは、


「△22玉ではなく△31玉」



それがどう違ってくるか?







△77桂成▲同桂△86飛▲87金△99角(図)






△86飛をつくるために、あえて「△77桂成」、


清算してしまうと、攻め切るのは大変。



▲96香を守るために▲87金。


しかし△99角がありました。


早くも先手がピンチか?







▲78玉△77歩成▲同銀△66桂


▲同銀△87飛成▲同玉△66角成(図)









▲67金(図)






図をよくご覧ください。




木村定跡は、本来ここで



△65銀▲66金△同銀(図)





この局面は先手(向こう側)の勝ち。



でも、今回解説してるのは







「△22玉ではなく△31玉」



対した差ではないようですが、


これは勝敗に直結しているのです。







ここで、△65銀としても



▲66金△同銀▲61飛(図)







「△31玉」がたたって、


王手銀取りがかかりました。




とはいえ





「王手で飛車が打てる」ことが


約束されているので、


その条件を乗り越えて攻めきるのは厳しい。



△86歩には▲78玉と引いて良し。





少しの違いですが、玉の位置によって


木村定跡が成立しない、ということも


参考にして頂けたらと思います。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




☆ 結 論 まとめ ☆







ここで▲88玉と入城する。


対して△22玉には▲45歩から


「木村定跡」の仕掛けて良し。



なので、△22玉に代え△65歩と突き、


「木村定跡」と同じ仕掛けを


敢行するとどうなるか?










これには▲47角と打つ。



以下、「木村定跡」と同様の変化になりますが・・








このとき、「△31玉」のため、



常に王手で飛車を打ち下ろせるので


攻めきるのは厳しい。




以上の変化に基づいて







ここで▲88玉に△65歩と突き



「木村定跡」の手順で仕掛けるのは



やや無理筋、と考えたいと思います。















木村定跡・△63金対策

2016-04-21 18:16:58 | 日記


前回は、「木村定跡」の本定跡について紹介しました。


今回の内容は、



「本定跡の手順の中に、後手がどこかで変化できないか?」



独自研究も織り交ぜて、探求していきます。




初手より


▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)





▲96歩△94歩▲16歩△14歩


▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)





ここで▲45歩と突くのが最新型。


木村定跡はここで双方の玉が入城します。



▲88玉△22玉(図)






ここで先手が仕掛けます。





▲45歩△同歩▲35歩△44銀(図)






▲75歩△同歩▲15歩△同歩


▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛(図)





4→3→7→1→2の順で歩を突き捨て、


軽快に立ち回ります。



ここまでは、変化の余地がなく一本道。



前回の記事では、この局面で



△63角








攻防の位置に据え、△95歩~△97歩を狙った


いかにも良さげな一手。




しかし、これには


▲13歩△同香▲25桂(図)






この攻め方が厳しく、


たちまち後手が不利に陥りました。




今回は






ここで、△63角ではなく



△63金






この手に対してはどう攻略するか?について


研究していこうと思います。




※今回の記事は、棋書や棋譜、COMを参考にすることはなく


自身で研究したものですが、万一、前例がありましたら


ご指摘いただけると幸いです。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



再掲






▲13歩△同香▲25桂△14香▲34歩(図)







△63金に対しても、△63角の時と同様、


▲13歩~▲25桂と端にアヤをつけます。



▲34歩と取り込んだ局面、後手に考えられる手段は




△46角






△86歩







他にも候補はありますが、本記事では


この二つの変化について研究していきます。










△46角






まずは△46角の変化について。



これには飛車を引く一手。


後手の狙いは?



▲29飛△24歩(図)







飛車を引かせ△24歩と突き、


▲33成~の交換を促します。



△46角と打った狙いは、表の狙いは△37角成、



裏の狙いは、△24歩と連携を取り、



全記事で紹介した、この攻め方








わざと桂で成り、△同桂に▲24飛~▲11角



この攻め方を







角によって防いでいる。



△63角とはまた違った、攻防の角です。



しかし、一瞬でも攻めを緩めると


一気に差を広げられます。



どうやって攻略するか?



再掲






▲47銀(図)






銀を引いて、角の位置を問います。


普通は△37角成としたいところですが・・



▲33桂成△同桂▲24飛△23金▲11角(図)







例によって、この攻めが成立してしまいます。




銀を引いたのは、これを実現させるための狙いでした。



再掲






とはいえ、△35角と逃げるのも


▲33歩成△同桂▲36歩で捕獲されてしまう。



強気で対抗します。



△25歩▲46銀△同歩(図)






角こそ取られましたが、それを代償に


二枚替えに成功しました。



このまま収まると、後手の駒得が活きてしまう。



入手した角を最大限に活用していきます。







▲74歩△同金▲41角(図)






まずは▲74歩と叩き、金を吊り上げ▲41角。



ひとまず、金を助けるしかありませんが・・・




△63桂▲25飛△23歩(図)







▲11角







辛抱の極みの△63桂に、


▲25飛~▲11角が三手一組の決め手。



△44銀が浮いているため、


この角から逃げることはできません。




△同玉▲32角成△同玉▲23飛成(図)






角二枚をぶったぎり、飛を成り込んで、


攻めが決まりました。




図の局面は先手の勝ち。


△12飛にも▲13歩、△31銀には▲13歩で


適当な受けがありません。



▲74歩~▲41角が、予想以上に破壊力があり、


大きな戦果を上げました。





再掲






ここで△46角は、上記の変化で先手良し。



次は、代えて



△86歩







この手の対応について研究していきます。



これには▲同歩・▲同銀の二択。



▲同歩から調べていきます。






△86歩▲同歩(図)






△85歩▲同歩△46角▲29飛△24歩(図)







△85歩と継ぎ歩をしたのち


△46角~△24歩と、今までと同じように受けます。


違いは、8筋の歩が▲85歩まで伸びていること。


これがどう影響してくるか?







▲47銀△25歩▲46銀△同歩(図)






▲74歩△85桂(図)






8筋に手を付けたのは、この▲74歩に


△85桂と逃げる手を用意していたからでした。



図の局面で銀を逃げると△76桂~△88歩、


▲86歩と受けるのも、△77桂成~△76桂で、


対応によっては、△47歩成▲同金△38銀が厳しくなる。




いずれにしても、先手が面白くありません。



局面を戻します。







では次に、▲同銀と応じる手について調べます。




▲同銀






△46角▲29飛△24歩(図)






▲86同歩と応じた時と同様、


△46角~△24歩で攻めを催促します。


▲86銀の形にさせられるため、桂の価値は


後手にとって大きい。



ここで返し技をみせます。



▲26角(図)






狙いは、単純な銀取りと、もう一つは


▲47歩と打って、角を捕獲しにいくこと。


いざとなれば△35角で交換に持ち込めますが、


それは本望ではありません。



△35銀






後手も強く返します。


ここで対応を間違えると不利に陥ります。


たとえば・・



▲47歩△26銀▲46歩△25歩(図)






単純な交換で済めばいいですが、


最後の△25歩が味の良い一手。


銀を助けがら桂を奪い、これは後手が有利です。







しかし、▲47歩と打つ以外、角交換は実現しない。


どこで先手の工夫が必要か?




▲47歩△26銀▲33桂成(図)






△同桂▲46歩(図)






ポイントは、手順中に「▲33桂成」を利かすこと。


この効果により





単純に進めた局面





途中▲33桂成を利かした局面






比べて頂くと、一目瞭然だと思います。




ここで仮に△37銀と逃げると・・



▲24飛△23金▲11角(図)






今まで何度も登場した攻め方が、ここでも炸裂します。







よって、ここは△25歩と受けますが・・



▲33歩成△同金▲45歩(図)






ここまで進むと、陣形のまとまりがある


先手に分があります。


△76桂も▲79玉と引き、よほど駒を渡さない限り


厳しく迫られることはありません。





途中の▲33桂成が光った進行となりました。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



☆ 結 論・まとめ ☆






ここで考えられるのは△63角と△63金。


本譜は△63金と上がる手について研究しました。



▲13歩△同香▲25桂△14香▲34歩(図)






ここで考えられるのは△46角と△86歩で、



△46角には


▲29飛△24歩▲47銀(図)





以下、どう応じても先手が有利になる。



△86歩には






これには▲同銀と応じる。



△46角▲29飛△24歩▲26角(図)






この返し技が成立し、先手が指しやすくなる。





以上の変化を踏まえて、


木村定跡の変化、「△63金」には


先手が十分に戦えることを結論にしたいと思います。

木村定跡

2016-04-20 13:04:40 | 日記

ー木村定跡ー  

初代実力制名人・木村義雄が発表した将棋の定跡。

角換わり腰掛け銀の定跡で、先手勝利まで研究が終わっていることから、

完成された定跡とも言われている(Wikipediaより)



将棋をやってる人なら、


誰しも一度は見聞きしたことのある定跡。






この局面まで進めば先手必勝。


しかし、この定跡は特殊で、この局面に至る以前、仕掛けの段階で


「先手勝勢」とも言われています。




今回紹介する木村定跡、


仕掛けから完全な収束に至るまで、深く掘り下げていきます!





初手より


▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)







▲96歩△94歩▲16歩△14歩(図)







このタイミングで端を突き合っておくのは、


「右玉」に組む場合、若干の得をするため(前回の記事より)。



今回の記事から本格的に、


腰掛け銀について探求していきます。



再掲






▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)







ここまで進めて、「先後同型」の完成。


ここで最もポピュラーなのは▲45歩からの開戦。


基本から最新まで、無限の変化が詰まっています。



▲88玉△22玉(図)






「木村定跡」は、▲88玉・△22玉の交換が


入っている事が大前提。




ここから「必勝」と言われる仕掛けを開始します。



▲45歩△同歩▲35歩△44銀(図)







まずは▲45歩。


▲35歩に△44銀はこれから何度も出現する一手で、


仕掛けに対しての最も基本的な受け方。




△44銀に代えて△同歩と取ると


▲45桂があり、△44銀には▲24歩が厳しい。


▲35歩を突き捨てた効果が表れており、


▲24飛と走った時、△44銀が当たりになります。






4筋、3筋にアヤをつけた先手。



ここから戦線を拡大していきます。





▲75歩△同歩(図)






このタイミングで▲75歩と突き捨てておくのが重要。



狙いは、歩を入手しての▲74歩。


では、その歩をどこで入手しにいくか?






再掲



▲15歩△同歩(図)






今度は端を突き捨てます。



歩を入手すれば▲74歩。よって



▲15香△同香▲74歩と攻めたいところですが、



△71香(図)





これは逆に困ってしまいます。



この局面に限らず、香を犠牲にして▲74歩を狙うのは


上手くいくケースは少ない。



局面を戻します。






▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛(図)







▲75歩、▲15歩とアヤをつけたあとに、


2筋の歩を交換しておきます。



これで1歩を入手することに成功。



後手はつぎに、▲74歩を食らうわけにいかない。








△63角







一見、特異な受け方ですが、


7筋と4筋をまもりつつ、



△95歩▲同歩△98歩▲同香△97歩▲同香△86歩(図)







このような仕掛けも狙っています。



ここまでくると先手がマズイ。



再掲







ここで注目して頂きたいのが「1筋」。



早々に▲15歩を突き捨てていた先手。


それを無駄にしないべく、一気に端から襲い掛かります。






再掲


▲13歩△同香▲25桂(図)







▲13歩として、香を吊り上げ▲25桂。


これには△14香と逃げられ、手が難しいようですが・・







△14香▲34歩△24歩(図)







▲34歩の取り込みに対して△24歩。


後手の狙いは「切らす」ことで、


△24歩も、▲33歩成からの清算を強く促しています。



しかし、ここで絶品の攻め筋がありました。







▲33桂成(図)







▲33桂成が妙手。


結論を先に書くと、これで後手陣は崩壊しています。



では、▲33歩成とするのとどう違うのか?







△同桂▲24飛△23金(図)






狙いは▲33成~の清算ではなく、



桂馬を犠牲にしての▲24飛でした。




△23金は悪形ながらも仕方がない。


△14香が、ここにきて仇になっています。







一気に収束を目指します。




▲11角(図)






この角があまりに厳しい。



△13玉と逃げるのは▲33歩成が好手。


△24玉と飛車を取っても▲23と~▲44角成で崩壊。


▲33歩成に△同銀と応じても、▲同角成~▲21飛成で十分。








よって、△32玉と逃げるよりありませんが・・





▲33歩成△同銀▲44桂△同銀


▲23飛成△同玉▲44角成(図)








▲33歩成~▲44桂を決めて、ばっさり飛車を切る。



最後に▲44角成と躍動させ、


素晴らしく攻めが決まっているのです。







△43金▲45銀△44金▲同銀(図)








一瞬の緩みもなく、流れるような攻めが決まりました。



いうまでもなく、先手の必勝局面です。





これが、角換わり腰掛け銀の根本的な考え方、


歴史をも変えた「木村定跡」の必勝手順・攻め方です。







(普段ほぼ指さないので、恥ずかしながら研究するまで


この定跡に触れることはありませんでした。


本当損だったなあと改めて・・^^; )





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








☆ 結 論・まとめ ☆



図の局面で▲45歩と仕掛けるのが木村定跡。


つぎに▲35歩、▲75歩、▲15歩、▲24歩の順番で突き捨てる。


4→3→7→1→2








ここで▲13歩として香を吊り上げ、▲25桂。



△14香に▲34歩と取り込み、△24歩に






▲33桂成






▲33成~清算ではなく、桂を犠牲にして▲24飛が急所。








▲11角








これで後手陣が崩壊している。




今回は、木村定跡の本手順を紹介しました。




次回は



「木村定跡を受ける後手に、なにか変化はできなかった?(´・ω・`)




本定跡はあまりにきれいに決まってるので、



後手がもう一度指すとしたら、


同じ順を食らうわけにいかないですよね。



なので、この定跡の中に、後手に出来る変化はないか、




独自の研究を織り交ぜて、再度紹介しようと思います。