角換わり腰掛け銀の研究

角換わり腰掛け銀についての研究ブログです

木村定跡・△63金対策

2016-04-21 18:16:58 | 日記


前回は、「木村定跡」の本定跡について紹介しました。


今回の内容は、



「本定跡の手順の中に、後手がどこかで変化できないか?」



独自研究も織り交ぜて、探求していきます。




初手より


▲76歩△84歩▲26歩△32金▲78金△85歩▲77角


△34歩▲88銀△77角成▲同銀△42銀▲38銀


△72銀▲46歩△64歩▲47銀△63銀


▲58金△52金(図)





▲96歩△94歩▲16歩△14歩


▲56銀△54銀▲66歩△44歩▲36歩△74歩


▲68玉△42玉▲79玉△31玉▲37桂


△73桂▲25歩△33銀(図)





ここで▲45歩と突くのが最新型。


木村定跡はここで双方の玉が入城します。



▲88玉△22玉(図)






ここで先手が仕掛けます。





▲45歩△同歩▲35歩△44銀(図)






▲75歩△同歩▲15歩△同歩


▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛(図)





4→3→7→1→2の順で歩を突き捨て、


軽快に立ち回ります。



ここまでは、変化の余地がなく一本道。



前回の記事では、この局面で



△63角








攻防の位置に据え、△95歩~△97歩を狙った


いかにも良さげな一手。




しかし、これには


▲13歩△同香▲25桂(図)






この攻め方が厳しく、


たちまち後手が不利に陥りました。




今回は






ここで、△63角ではなく



△63金






この手に対してはどう攻略するか?について


研究していこうと思います。




※今回の記事は、棋書や棋譜、COMを参考にすることはなく


自身で研究したものですが、万一、前例がありましたら


ご指摘いただけると幸いです。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



再掲






▲13歩△同香▲25桂△14香▲34歩(図)







△63金に対しても、△63角の時と同様、


▲13歩~▲25桂と端にアヤをつけます。



▲34歩と取り込んだ局面、後手に考えられる手段は




△46角






△86歩







他にも候補はありますが、本記事では


この二つの変化について研究していきます。










△46角






まずは△46角の変化について。



これには飛車を引く一手。


後手の狙いは?



▲29飛△24歩(図)







飛車を引かせ△24歩と突き、


▲33成~の交換を促します。



△46角と打った狙いは、表の狙いは△37角成、



裏の狙いは、△24歩と連携を取り、



全記事で紹介した、この攻め方








わざと桂で成り、△同桂に▲24飛~▲11角



この攻め方を







角によって防いでいる。



△63角とはまた違った、攻防の角です。



しかし、一瞬でも攻めを緩めると


一気に差を広げられます。



どうやって攻略するか?



再掲






▲47銀(図)






銀を引いて、角の位置を問います。


普通は△37角成としたいところですが・・



▲33桂成△同桂▲24飛△23金▲11角(図)







例によって、この攻めが成立してしまいます。




銀を引いたのは、これを実現させるための狙いでした。



再掲






とはいえ、△35角と逃げるのも


▲33歩成△同桂▲36歩で捕獲されてしまう。



強気で対抗します。



△25歩▲46銀△同歩(図)






角こそ取られましたが、それを代償に


二枚替えに成功しました。



このまま収まると、後手の駒得が活きてしまう。



入手した角を最大限に活用していきます。







▲74歩△同金▲41角(図)






まずは▲74歩と叩き、金を吊り上げ▲41角。



ひとまず、金を助けるしかありませんが・・・




△63桂▲25飛△23歩(図)







▲11角







辛抱の極みの△63桂に、


▲25飛~▲11角が三手一組の決め手。



△44銀が浮いているため、


この角から逃げることはできません。




△同玉▲32角成△同玉▲23飛成(図)






角二枚をぶったぎり、飛を成り込んで、


攻めが決まりました。




図の局面は先手の勝ち。


△12飛にも▲13歩、△31銀には▲13歩で


適当な受けがありません。



▲74歩~▲41角が、予想以上に破壊力があり、


大きな戦果を上げました。





再掲






ここで△46角は、上記の変化で先手良し。



次は、代えて



△86歩







この手の対応について研究していきます。



これには▲同歩・▲同銀の二択。



▲同歩から調べていきます。






△86歩▲同歩(図)






△85歩▲同歩△46角▲29飛△24歩(図)







△85歩と継ぎ歩をしたのち


△46角~△24歩と、今までと同じように受けます。


違いは、8筋の歩が▲85歩まで伸びていること。


これがどう影響してくるか?







▲47銀△25歩▲46銀△同歩(図)






▲74歩△85桂(図)






8筋に手を付けたのは、この▲74歩に


△85桂と逃げる手を用意していたからでした。



図の局面で銀を逃げると△76桂~△88歩、


▲86歩と受けるのも、△77桂成~△76桂で、


対応によっては、△47歩成▲同金△38銀が厳しくなる。




いずれにしても、先手が面白くありません。



局面を戻します。







では次に、▲同銀と応じる手について調べます。




▲同銀






△46角▲29飛△24歩(図)






▲86同歩と応じた時と同様、


△46角~△24歩で攻めを催促します。


▲86銀の形にさせられるため、桂の価値は


後手にとって大きい。



ここで返し技をみせます。



▲26角(図)






狙いは、単純な銀取りと、もう一つは


▲47歩と打って、角を捕獲しにいくこと。


いざとなれば△35角で交換に持ち込めますが、


それは本望ではありません。



△35銀






後手も強く返します。


ここで対応を間違えると不利に陥ります。


たとえば・・



▲47歩△26銀▲46歩△25歩(図)






単純な交換で済めばいいですが、


最後の△25歩が味の良い一手。


銀を助けがら桂を奪い、これは後手が有利です。







しかし、▲47歩と打つ以外、角交換は実現しない。


どこで先手の工夫が必要か?




▲47歩△26銀▲33桂成(図)






△同桂▲46歩(図)






ポイントは、手順中に「▲33桂成」を利かすこと。


この効果により





単純に進めた局面





途中▲33桂成を利かした局面






比べて頂くと、一目瞭然だと思います。




ここで仮に△37銀と逃げると・・



▲24飛△23金▲11角(図)






今まで何度も登場した攻め方が、ここでも炸裂します。







よって、ここは△25歩と受けますが・・



▲33歩成△同金▲45歩(図)






ここまで進むと、陣形のまとまりがある


先手に分があります。


△76桂も▲79玉と引き、よほど駒を渡さない限り


厳しく迫られることはありません。





途中の▲33桂成が光った進行となりました。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



☆ 結 論・まとめ ☆






ここで考えられるのは△63角と△63金。


本譜は△63金と上がる手について研究しました。



▲13歩△同香▲25桂△14香▲34歩(図)






ここで考えられるのは△46角と△86歩で、



△46角には


▲29飛△24歩▲47銀(図)





以下、どう応じても先手が有利になる。



△86歩には






これには▲同銀と応じる。



△46角▲29飛△24歩▲26角(図)






この返し技が成立し、先手が指しやすくなる。





以上の変化を踏まえて、


木村定跡の変化、「△63金」には


先手が十分に戦えることを結論にしたいと思います。

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