平成31年(2019年)3月24日に、
個性の強いこどもを地域で支える会が、
中京大学現代社会学部の斉藤尚文教授、堀兼大朗講師と共に
豊田市内に在住または通学している
小中学校の子の保護者を対象に
「特別な支援・教育について」のアンケート調査を行った結果を
解説・報告発表いたしました。
このアンケートは、当会が2007年に単独で行ったアンケート調査
(豊田市内小学校における保護者の現状に関するアンケート)
を踏まえ、2018年8月~12月の期間に子育て支援団体をはじめ
多くの方のご協力をいただき、1018部を配布、399 名の回答を
得たものです。
以下は代表による、解説・報告のレポートです。
******
まず、講師の堀兼大朗氏から、
「施策における調査・根拠の必要性」と
「一見するとわかりにくい問題が、
アンケート調査によって背景や意外な要因がみえて
問題がクリアになることがある」という、
アンケート(統計)調査の必要性、正当性について話されたうえで、
今回の調査の内容報告、そこから導き出される方向性について
報告していただきました。
★概要★
【分析対象】
回答者数の関係から、分析対象は
「普通学級か特別支援学級にお子さんが在籍する母親」とした。
【明らかになったこと】
・学校での支援を利用することに抵抗感があるかどうかは、子どもの状態(例:多動がある、成績の優劣)との関連性はほとんどなかった。
・「高い社会的地位を持っていてほしい(例:偏差値の高い高校・大学に進学してほしい)」という教育観が強い母親ほど学校での支援を利用することに抵抗がある。
・子どもが医者にかかっている母親のほうが、学校での支援やスクールカウンセラー制度を利用することに抵抗がなく、医師とのつながりが少ないほど抵抗感がある。
・学歴が高い母親ほど、インクルーシブ教育(障がいのある子もない子も同じ教室で学ぶ)での「健常児の教育の質の低下への不安」は低い。
(この理由として、他の研究では、高学歴の人ほど自由(リベラル)な考えや生活を学びやすい学生期間が長いため、と論じられています)
・「高い社会的地位を持っていてほしい」という教育観が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。
・子どもの状態よりも「クラスへの迷惑」という加害者意識が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。(自分の子がクラスへ迷惑をかけているな、と思う親は、周りの子の教育の質の低下を心配している)
・2007年と2018年を比較して、「自分の子が通う学校の特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーが誰かを知っている」と答えた人が増えている。
→これはそれを周知させる学校の取組がうまくいっている表れ。保護者に頼るべき存在が周知されだしたということ。
・ただし、特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーの仕事の役割やその他の細かな支援制度(例:通級など)を知っているかは微妙である。
・さらに、医師への相談をしている人ほど、特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラーが誰かを知っていることが分かった。
・以上のことから、「子どもの状態(家庭の状況)よりも、医師とのつながりが重要」であることが明らかになった。
→医師から「その役職の人はだれか」を知る必要性を教えられている可能性がある。
→つまり、親と医師のつながりを作ることが重要。
インクルーシブ教育の実現に関しても、学校と医師との連携強化が望まれる。
(インクルーシブ教育がうまく機能している国は、教育と医療を連携させながら進めている)
→連携強化に加え、人員補強をすることでマンツーマンに近い体制による支援は障がいのある子にとって有益であり、健常児の親の不安も減る。
★まとめ★
親と医師のつながりを作ろう。
人員補強(例:学校ボランティアなど)が必要。
*********
以上のような結果報告でした。(文責:デグチ)
個性の強いこどもを地域で支える会が、
中京大学現代社会学部の斉藤尚文教授、堀兼大朗講師と共に
豊田市内に在住または通学している
小中学校の子の保護者を対象に
「特別な支援・教育について」のアンケート調査を行った結果を
解説・報告発表いたしました。
このアンケートは、当会が2007年に単独で行ったアンケート調査
(豊田市内小学校における保護者の現状に関するアンケート)
を踏まえ、2018年8月~12月の期間に子育て支援団体をはじめ
多くの方のご協力をいただき、1018部を配布、399 名の回答を
得たものです。
以下は代表による、解説・報告のレポートです。
******
まず、講師の堀兼大朗氏から、
「施策における調査・根拠の必要性」と
「一見するとわかりにくい問題が、
アンケート調査によって背景や意外な要因がみえて
問題がクリアになることがある」という、
アンケート(統計)調査の必要性、正当性について話されたうえで、
今回の調査の内容報告、そこから導き出される方向性について
報告していただきました。
★概要★
【分析対象】
回答者数の関係から、分析対象は
「普通学級か特別支援学級にお子さんが在籍する母親」とした。
【明らかになったこと】
・学校での支援を利用することに抵抗感があるかどうかは、子どもの状態(例:多動がある、成績の優劣)との関連性はほとんどなかった。
・「高い社会的地位を持っていてほしい(例:偏差値の高い高校・大学に進学してほしい)」という教育観が強い母親ほど学校での支援を利用することに抵抗がある。
・子どもが医者にかかっている母親のほうが、学校での支援やスクールカウンセラー制度を利用することに抵抗がなく、医師とのつながりが少ないほど抵抗感がある。
・学歴が高い母親ほど、インクルーシブ教育(障がいのある子もない子も同じ教室で学ぶ)での「健常児の教育の質の低下への不安」は低い。
(この理由として、他の研究では、高学歴の人ほど自由(リベラル)な考えや生活を学びやすい学生期間が長いため、と論じられています)
・「高い社会的地位を持っていてほしい」という教育観が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。
・子どもの状態よりも「クラスへの迷惑」という加害者意識が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。(自分の子がクラスへ迷惑をかけているな、と思う親は、周りの子の教育の質の低下を心配している)
・2007年と2018年を比較して、「自分の子が通う学校の特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーが誰かを知っている」と答えた人が増えている。
→これはそれを周知させる学校の取組がうまくいっている表れ。保護者に頼るべき存在が周知されだしたということ。
・ただし、特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーの仕事の役割やその他の細かな支援制度(例:通級など)を知っているかは微妙である。
・さらに、医師への相談をしている人ほど、特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラーが誰かを知っていることが分かった。
・以上のことから、「子どもの状態(家庭の状況)よりも、医師とのつながりが重要」であることが明らかになった。
→医師から「その役職の人はだれか」を知る必要性を教えられている可能性がある。
→つまり、親と医師のつながりを作ることが重要。
インクルーシブ教育の実現に関しても、学校と医師との連携強化が望まれる。
(インクルーシブ教育がうまく機能している国は、教育と医療を連携させながら進めている)
→連携強化に加え、人員補強をすることでマンツーマンに近い体制による支援は障がいのある子にとって有益であり、健常児の親の不安も減る。
★まとめ★
親と医師のつながりを作ろう。
人員補強(例:学校ボランティアなど)が必要。
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以上のような結果報告でした。(文責:デグチ)