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個性の強いこどもを地域で支える会

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「特別な支援・教育について」のアンケート 結果報告

2019-04-03 21:14:00 | アンケート調査関連
平成31年(2019年)3月24日に、
個性の強いこどもを地域で支える会が、
中京大学現代社会学部の斉藤尚文教授、堀兼大朗講師と共に
豊田市内に在住または通学している
小中学校の子の保護者を対象に
「特別な支援・教育について」のアンケート調査を行った結果を
解説・報告発表いたしました。

このアンケートは、当会が2007年に単独で行ったアンケート調査
(豊田市内小学校における保護者の現状に関するアンケート)
を踏まえ、2018年8月~12月の期間に子育て支援団体をはじめ
多くの方のご協力をいただき、1018部を配布、399 名の回答を
得たものです。


以下は代表による、解説・報告のレポートです。




******

まず、講師の堀兼大朗氏から、
「施策における調査・根拠の必要性」と
「一見するとわかりにくい問題が、
アンケート調査によって背景や意外な要因がみえて
問題がクリアになることがある」という、
アンケート(統計)調査の必要性、正当性について話されたうえで、
今回の調査の内容報告、そこから導き出される方向性について
報告していただきました。

★概要★

【分析対象】

回答者数の関係から、分析対象は
「普通学級か特別支援学級にお子さんが在籍する母親」とした。

【明らかになったこと】

・学校での支援を利用することに抵抗感があるかどうかは、子どもの状態(例:多動がある、成績の優劣)との関連性はほとんどなかった。

・「高い社会的地位を持っていてほしい(例:偏差値の高い高校・大学に進学してほしい)」という教育観が強い母親ほど学校での支援を利用することに抵抗がある。

・子どもが医者にかかっている母親のほうが、学校での支援やスクールカウンセラー制度を利用することに抵抗がなく、医師とのつながりが少ないほど抵抗感がある。

・学歴が高い母親ほど、インクルーシブ教育(障がいのある子もない子も同じ教室で学ぶ)での「健常児の教育の質の低下への不安」は低い。
(この理由として、他の研究では、高学歴の人ほど自由(リベラル)な考えや生活を学びやすい学生期間が長いため、と論じられています)

・「高い社会的地位を持っていてほしい」という教育観が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。

・子どもの状態よりも「クラスへの迷惑」という加害者意識が強いほど、健常児の教育の質の低下を不安に思っている。(自分の子がクラスへ迷惑をかけているな、と思う親は、周りの子の教育の質の低下を心配している)

・2007年と2018年を比較して、「自分の子が通う学校の特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーが誰かを知っている」と答えた人が増えている。

→これはそれを周知させる学校の取組がうまくいっている表れ。保護者に頼るべき存在が周知されだしたということ。

・ただし、特別支援教育コーディネーターおよびスクールカウンセラーの仕事の役割やその他の細かな支援制度(例:通級など)を知っているかは微妙である。

・さらに、医師への相談をしている人ほど、特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラーが誰かを知っていることが分かった。

・以上のことから、「子どもの状態(家庭の状況)よりも、医師とのつながりが重要」であることが明らかになった。

→医師から「その役職の人はだれか」を知る必要性を教えられている可能性がある。

→つまり、親と医師のつながりを作ることが重要。
インクルーシブ教育の実現に関しても、学校と医師との連携強化が望まれる。
(インクルーシブ教育がうまく機能している国は、教育と医療を連携させながら進めている)

→連携強化に加え、人員補強をすることでマンツーマンに近い体制による支援は障がいのある子にとって有益であり、健常児の親の不安も減る。

★まとめ★

親と医師のつながりを作ろう。

人員補強(例:学校ボランティアなど)が必要。

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以上のような結果報告でした。(文責:デグチ)



豊田市内小学校における保護者の現状のアンケート(当会まとめバージョン)

2019-03-18 18:51:00 | アンケート調査関連
当会が、2007年に調査した
「豊田市内小学校における保護者の現状のアンケート」の結果
(2008年発表)です。

このアンケートを作成した当時、豊田市での特別支援教育や
教育制度に関する情報がほとんどない中で行われており
(だからこそ、この調査をしようということになったのですが)
調査者および回答者が語句や支援制度の解釈を
正しく理解していない状況での回答がみられること、
また、当会に統計に精通するものがいない中での
質問設計・集計のため、有意とはいえないものが含まれています。

このアンケート調査を知った中京大学の堀兼大朗先生が
当時の回答票を一から集計しなおして
2017年2月に再分析してくださった

「豊田市内小学校における
  保護者の現状についてアンケート」の再分析
  ―学校における特別な支援に対する親の意識と利用実態―

という、当会のまとめより精度が高い報告書があります。
(再分析報告書は記事カテゴリ「アンケート調査関連」にあります)

ですので、この当会のまとめバージョンは、統計調査というよりは
2007年の特別支援教育が始まった頃の混乱状態を知る資料として、また

⑨その他、あなたが望む事柄・特別支援教育に対する意見など
 (自由記述)

の回答者の意見を参考にしていただく程度で
内容は再分析の報告書を参照されると良いと思います。

(学校名や個人名など、固有名詞を一部伏せています)



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著:2008年1月23日

  「豊田市内小学校における
  保護者の現状についてアンケート」

 個性の強いこどもを地域で支える会




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豊田市内小学校における保護者の現状のアンケートの再分析

2019-03-18 18:04:00 | アンケート調査関連
当会が、2007年に調査した
「豊田市内小学校における保護者の現状のアンケート」を
2017年2月に中京大学の堀兼大朗先生が再分析してくださった
報告書です。


***************

著:2017年2月24日

  「豊田市内小学校における
  保護者の現状についてアンケート」の再分析

  ―学校における特別な支援に対する
             親の意識と利用実態―

            堀 兼大朗


        中京大学大学院社会学研究科社会学専攻・
        日本学術振興会特別研究員
        個性の強いこどもを地域で支える会:賛助会員


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