さて,このシーケンスは,1985年,FLASHが発表された年に,FLASHとは全く独立に発表されました.
図に示すパルスシーケンスチャートには,「FISP: Fast Imaging with Steady Precession」という原論文から引用したものを示しますが,このように,今で言う,TrueFISPが提案されています.
ところが,当時の技術でTrueFISPを実施するのは大変難しく,横磁化をある程度スポイリングさせることにより,一般的に広く使用されるFISPとして広まっていったのではないかと思います.
それが,後日,ハードウェアの進歩と共に,TrueFISPとして生き返った訳ですから,その間の状況を知らないユーザーは,戸惑ったに近いありません.
私は,2000年前後に,日本磁気共鳴医学会で,TrueFISPの発表をしている講演者に,「TrueFISPのどこがTrueで,それが本当なら,今までのFISPはうそだったのですか」と質問をした記憶がありますが,まともな答えは戻ってきませんでした.
確かに,その頃は,まだ謎の多いシーケンスでした.ISMRMでも話題になっていたのは知っていましたが,興味が他のところにあり,そのようなセッションには行きませんでした.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます