Aquascooter Maintenance for Spearfishing アクアスクーターで魚突き 全76回

使いこなそう、アクアスクーター整備ノートby KosakaNatsuki

**全76回で終了済み**

Blog 第54回 キャブレタ故障早見表、4サイクル動作?=小坂夏樹=Carburettor Trouble Shooting

2017年04月11日 | マニュアル
アクアスクータで私を含めて諸兄が最も悩まされるのはキャブレタだろう。そのキャブレタに起因する不具合の原因を推定する「早見表」なるものが以前は Walbro社のキャブレタ整備だったかのHPに表示されていた。
ところが久々に気になったものの、現在同社のHPにはその早見表はおろか、キャブの情報ページすら見当たらない。何故かその他の説明やら対照表など今まで引用した沢山の情報も見当たらない。方針変更なのか、たまたま何らかの操作中なのだろうか。

仕方なく更にネットを検索したところ、妙なことに建設関連会社のHPに唯一文書からのコピーらしき画像が見つかった。
http://www.drystacked.com/walbro_chart.jpg

一応安全なサイトと判定されたので取込んだのがこれ:



画像なのでそのままコピペは出来ずまた見辛い?形式なので、次の様にエクセルファイルで作り直してみた。画素数を大目にしておくので、コピーした上で拡大すれば何とか判読可能と思う。




表では、調整膜の「ボタン」と「リベット」など、私には違いが不明というか解らないことがあるが、構わず紹介する。
おまけに、ここで示された症状の内でも「始動出来ない」に対しては、全ての?項目が原因に当たるのではないかと、妙な気もする・・・・
キャブに関してこれまで紹介してきた事の駄目押しの情報だが、現場で想像を膨らませて故障原因を探る意味で参考になる気がする。

 ********* 

ところで、スクータ本体に関しては、ARKOS及びComer社の取扱説明書が唯一の情報源と言うべきだが、キャブレタ調整に関する記述で私には理解できないことがある。
それは購入時に付属してくる取説の、昔から気になっている項目で「4サイクル作動」ということ。
諸兄には既知の事だったら誠にお恥ずかしいが、以下全て取説の英語部分からの記述だが、

ARKOS社時代のAS600の取説には、:
Hネジを標準位置である1-1/8回転にし、水中で運転する
・エンジンが4サイクルに出力変動・低下しつつ不安定に回る場合は:正常になるまでHネジを1/8づつ締めこむ。 
the engine operates irregularly with four cycle erratic power loss: tighten the max speed adjustscrew by.....
とあったのだが、4サイクル毎に出力が変動するという意味なのだろうか?


製造がComer社に移管後、08年頃のAS650マニュアルでは同じ部分が、
・エンジンを空中で最高に吹かすと4スト(=サイクル)の様な音がする。そうならなければ水中で高性能を出せない。
With the aquascooter out of the water and the accelerator at full throttle, the motor should sound like a 4-stroke,otherwise you will not get the best performance in the water.

ところが09年のAS650マニュアルでは、
・エンジンを空中で最高に吹かすと、簡単に4スト動作をする。そうならなければ・・・
the motor should easily perform at 4-stroke, othewise.... 
と変わる。


そして現行のAS650或いはスーパーマグナムのマニュアルとHPの英語では:
7.2項の注意書で、空中で最高に吹かすには、エンジンには必ず充分の燃料を常に供給せねばならない。さもないと、水中での最高出力を出せない。

With the Aquascooter out of the water and the accelerator at full throttle, the engine must always be abundantly supplied with fuel, otherwise you will not obtain maximum power in the water.

という、全くわかり切った無意味な文章に替えられてしまった。

このマニュアルの英文はイタリア語原文から自動翻訳しているらしいが、解らないなりに私も辞書を引いたりあれこれ調べてみて、原文自体が意味ないものの様に思われる。
同時に仏、独、西語でも記されているが、皆原文・内容は同じ様だ。

なぜこんな文章の変遷を繰返すのか判らないが、そもそも2サイクルエンジンの本機が4サイクル動作をするというのはどういう事か?
燃料供給が追付かなくなって1回おきに失火・爆発をそれぞれ繰返し実質的に4ストエンジンの様に動作するのだろうか?専門家に尋ねれば解ることだろうか?

ノリモノランドの和文取説には、この項に関する記述は無い。つまり気にする必要もない、無意味だと云う事かも知れない。

ネット検索では何も引っ掛らない。
また、現地の PescaSubApnea フォーラムでも私には何も探せなかった。

こんな記述で大半の所有者は納得しているのだろうか? 半可通の私にはサッパリ?なままだ。
バイクも船外機も4ストエンジンに置き換えられる時代で、情報も見つけ難いのだろうか。

以上

よくあることだが、本年は4月になっても近場は冷水塊で動きが取れず、不要不急のこんな情報を投稿する次第です。

Blog 第53回 キャブレタ故障早見表、4サイクル動作? 終り =小坂夏樹=