立て込んでいた取材や原稿が昨日の午後、一段落しました。
いやぁ、バタついたねえ。
青森でこんなに勤勉に働いたのは実に久し振りだ。
さすがに中盤、少しヤラれましたw
でもって今日は10時過ぎまでのんべんだらりと眠りこけまして、メールや電話で目を覚まし、んっこらしょ、と布団の上に起き上がったわけです。
「あぁ~・・・腹が減ったなあ・・・」
と思うも、冷蔵庫の中には食べかけのニシンの菜の花漬けがあるばかり。
「よし、買い物行こう。煙草も切れた」
と財布を開けるも、中身は千円札1枚のみ。
「ややや、これは困った」
と郵便局にお金を下ろしにいくも、残高は来月分の家賃にも足りない心細さ。
でも食い物と煙草が無いと辛いので、取り敢えず1万円下ろしてですね、それを7月6日の帰京の日まで使い延ばそうと思いましたものです。
で、スーパーとコンビニに行って。
納豆とトコロテンと牛乳とヨーグルトとチョコレートとサバ缶と煙草を買いまして。
野菜と果物が足りないなあ・・・と思いつつも、ま、玄米が主食だからいっか、と帰宅。
昨夜から10数時間ぶりの煙草を一服、ああ旨ぇ。
とやんわりしているところに、ジパング倶楽部の編集さんから電話が掛かってきました。
「あ~、お久しぶりですぅ。ごめんなさいねえ、本届いたのに連絡してなくて」
「あ、いえいえ、いいんですよ。koroさんはお元気ですか」
「はいはい、あいも変わらずですよ」
「先日、Nさんとお会いしまして。来月号にNさん、御登場頂いてるので、来月号もお送りしますね」
「あらー、そうなんですか? N先生はお元気で?」
「ええ、とてもお元気でらっしゃいました」
N先生というのは、今回ジパングに私を紹介してくれた旅行作家の先生ですね。
「あの人、電話で話してもいっつも用件だけでさっさと終わっちゃうから、今度事務所のほうにでも顔出さなきゃなあ」
「へえ、そうなんですか?」
「そうなんですよ。で、本日の御用件は?」
「あ、はい、7月号の原稿料のお支払いについてなんですが・・・」
と、ジパング編集さんは、私の口座への振込みに関しての手順と、私に支払われる原稿料の額について説明をしてくれました。
・・・・んですが!!
あたしゃ原稿料の高を聞いて吃驚仰天。
「!!☆◎?※★□!●☆??※◎!?」
っつー感じの額でありました。
いやはや。
文章だけの仕事でこれだけのギャラを頂戴するのは何年振りだろう。
確かにN先生は「あそこは原稿料悪くないから」とは言ってましたけど、それにしてもいいんですか、こんなに貰っちゃって・・・(いやこれは飽くまでもkoroの感覚での吃驚ですのでね、日頃せっせとお稼ぎになってらっしゃる方々には失笑を頂きかねないんですがw)
でも。でも!
私は確かにきちんとお仕事しましたし、私の書く文章は使い勝手がいい筈なので、正当な報酬なんでしょう。つかまあ、誰が書いてもページ幾らと決まってるんですがねw
そして振り込まれるのは8月末なんですがねorz
電話を終えた私がしみじみと感謝し、東京都千代田区の方角に向かって深々と頭を下げたことは言うまでもありますまい。
これで従妹への借金が返せる!
電話代が払える!
9月に観にいく芝居のチケット代が払える!
有り難いことです。
そして。
晴天にも恵まれたこのよき日、私は浮かれて自転車に乗り、駅前の100円ショップへ走ったんでございます。
ジパングさんに送る請求書のね、用紙を千葉の自宅に置いてきちまったもんで、それを買いに。
でもってですね、そのまま真っ直ぐに帰ってくりゃあいいものを、浮かれてるもんだから本屋に立ち寄ったんです。
馬鹿ですね。稿料が手元に来るのは再来月だっつってんのに。
財布の中には相変わらず1万円弱しかないんだっつってんのに。
鼻歌交じりに洋ちゃんのインタビュー記事が載ってる雑誌を何冊か立ち読みし、中でも写真がカッコよく映ってるTV雑誌を1冊手に取り、更に店内をひと巡り。
馬鹿はこれっぽっちのことで余裕ぶっこいちゃうもんですから、普段は眺めない新刊単行本のコーナーに足を止めたりして。
・・・・そうしたらねえ。。
出会っちゃったの。
懐かしい顔に。
『長靴を履いた開高健』(滝田誠一郎著/小学館)
「あっ・・・・」
と思いました。表紙から私に視線を投げかけてくるのは、釣り上げたばかりと思われる大きなニジマスをぶら下げた、満面笑みの文豪、開高健。
「あぁ・・・・」
私は真っ直ぐにその本に手を伸ばしました。
ページをめくれば、そこには懐かしい文豪の釣行写真、著者が取材した、文豪の面影あふれる文章。
『私の釣魚大全』
『フィッシュ・オン!』
『オーパ!』
『もっと遠く!』『もっと広く!』
『オーパ、オーパ!!』・・・・
10~20代の私が貪るように読んだ文豪の、釣り紀行の書名の数々に、涙が出そうになりました。
懐かしさ。文豪への敬愛。畏怖。
文豪に触発されて旅に出た、その先での様々な光景。
そんなものが一気に頭の中によみがえり、しばしその場に立ち尽くした私はしかし、意を決してその本をレジに差し出しました。
これから2週間、毎日玄米に梅干の食事でも構わん。
煙草も本数を控えよう。
文豪との思い出に浸れるなら、そんなこたあ、なんでもない!
こんな決意が、2006年6月20日初刷・1680円の1冊のハードカバー本を私に買わせたのでした。
開高健。
李白と並ぶ、私の心のお師匠さん。
彼の死を知ったのは、アフリカ旅行の準備のため、セネガル大使館にビザを取りにいった帰り、夕刻の山手線の中でした。
衆人注視の中、私はボロボロと涙したことを覚えています。
あれから16年余。
貴方の知らぬ不肖の弟子は、まだ旅を続けています。
いやぁ、バタついたねえ。
青森でこんなに勤勉に働いたのは実に久し振りだ。
さすがに中盤、少しヤラれましたw
でもって今日は10時過ぎまでのんべんだらりと眠りこけまして、メールや電話で目を覚まし、んっこらしょ、と布団の上に起き上がったわけです。
「あぁ~・・・腹が減ったなあ・・・」
と思うも、冷蔵庫の中には食べかけのニシンの菜の花漬けがあるばかり。
「よし、買い物行こう。煙草も切れた」
と財布を開けるも、中身は千円札1枚のみ。
「ややや、これは困った」
と郵便局にお金を下ろしにいくも、残高は来月分の家賃にも足りない心細さ。
でも食い物と煙草が無いと辛いので、取り敢えず1万円下ろしてですね、それを7月6日の帰京の日まで使い延ばそうと思いましたものです。
で、スーパーとコンビニに行って。
納豆とトコロテンと牛乳とヨーグルトとチョコレートとサバ缶と煙草を買いまして。
野菜と果物が足りないなあ・・・と思いつつも、ま、玄米が主食だからいっか、と帰宅。
昨夜から10数時間ぶりの煙草を一服、ああ旨ぇ。
とやんわりしているところに、ジパング倶楽部の編集さんから電話が掛かってきました。
「あ~、お久しぶりですぅ。ごめんなさいねえ、本届いたのに連絡してなくて」
「あ、いえいえ、いいんですよ。koroさんはお元気ですか」
「はいはい、あいも変わらずですよ」
「先日、Nさんとお会いしまして。来月号にNさん、御登場頂いてるので、来月号もお送りしますね」
「あらー、そうなんですか? N先生はお元気で?」
「ええ、とてもお元気でらっしゃいました」
N先生というのは、今回ジパングに私を紹介してくれた旅行作家の先生ですね。
「あの人、電話で話してもいっつも用件だけでさっさと終わっちゃうから、今度事務所のほうにでも顔出さなきゃなあ」
「へえ、そうなんですか?」
「そうなんですよ。で、本日の御用件は?」
「あ、はい、7月号の原稿料のお支払いについてなんですが・・・」
と、ジパング編集さんは、私の口座への振込みに関しての手順と、私に支払われる原稿料の額について説明をしてくれました。
・・・・んですが!!
あたしゃ原稿料の高を聞いて吃驚仰天。
「!!☆◎?※★□!●☆??※◎!?」
っつー感じの額でありました。
いやはや。
文章だけの仕事でこれだけのギャラを頂戴するのは何年振りだろう。
確かにN先生は「あそこは原稿料悪くないから」とは言ってましたけど、それにしてもいいんですか、こんなに貰っちゃって・・・(いやこれは飽くまでもkoroの感覚での吃驚ですのでね、日頃せっせとお稼ぎになってらっしゃる方々には失笑を頂きかねないんですがw)
でも。でも!
私は確かにきちんとお仕事しましたし、私の書く文章は使い勝手がいい筈なので、正当な報酬なんでしょう。つかまあ、誰が書いてもページ幾らと決まってるんですがねw
そして振り込まれるのは8月末なんですがねorz
電話を終えた私がしみじみと感謝し、東京都千代田区の方角に向かって深々と頭を下げたことは言うまでもありますまい。
これで従妹への借金が返せる!
電話代が払える!
9月に観にいく芝居のチケット代が払える!
有り難いことです。
そして。
晴天にも恵まれたこのよき日、私は浮かれて自転車に乗り、駅前の100円ショップへ走ったんでございます。
ジパングさんに送る請求書のね、用紙を千葉の自宅に置いてきちまったもんで、それを買いに。
でもってですね、そのまま真っ直ぐに帰ってくりゃあいいものを、浮かれてるもんだから本屋に立ち寄ったんです。
馬鹿ですね。稿料が手元に来るのは再来月だっつってんのに。
財布の中には相変わらず1万円弱しかないんだっつってんのに。
鼻歌交じりに洋ちゃんのインタビュー記事が載ってる雑誌を何冊か立ち読みし、中でも写真がカッコよく映ってるTV雑誌を1冊手に取り、更に店内をひと巡り。
馬鹿はこれっぽっちのことで余裕ぶっこいちゃうもんですから、普段は眺めない新刊単行本のコーナーに足を止めたりして。
・・・・そうしたらねえ。。
出会っちゃったの。
懐かしい顔に。
『長靴を履いた開高健』(滝田誠一郎著/小学館)
「あっ・・・・」
と思いました。表紙から私に視線を投げかけてくるのは、釣り上げたばかりと思われる大きなニジマスをぶら下げた、満面笑みの文豪、開高健。
「あぁ・・・・」
私は真っ直ぐにその本に手を伸ばしました。
ページをめくれば、そこには懐かしい文豪の釣行写真、著者が取材した、文豪の面影あふれる文章。
『私の釣魚大全』
『フィッシュ・オン!』
『オーパ!』
『もっと遠く!』『もっと広く!』
『オーパ、オーパ!!』・・・・
10~20代の私が貪るように読んだ文豪の、釣り紀行の書名の数々に、涙が出そうになりました。
懐かしさ。文豪への敬愛。畏怖。
文豪に触発されて旅に出た、その先での様々な光景。
そんなものが一気に頭の中によみがえり、しばしその場に立ち尽くした私はしかし、意を決してその本をレジに差し出しました。
これから2週間、毎日玄米に梅干の食事でも構わん。
煙草も本数を控えよう。
文豪との思い出に浸れるなら、そんなこたあ、なんでもない!
こんな決意が、2006年6月20日初刷・1680円の1冊のハードカバー本を私に買わせたのでした。
開高健。
李白と並ぶ、私の心のお師匠さん。
彼の死を知ったのは、アフリカ旅行の準備のため、セネガル大使館にビザを取りにいった帰り、夕刻の山手線の中でした。
衆人注視の中、私はボロボロと涙したことを覚えています。
あれから16年余。
貴方の知らぬ不肖の弟子は、まだ旅を続けています。