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日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

祝祭と予感/恩田睦著/幻冬舎文庫

2024-10-15 21:30:02 | 
「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ作品集。
作品のコンピレーションアルバムのために書かれた作品がその始まりだったそうだ。
天才たちのその後や、舞台となったコンクールにたどり着く前の話で、本作の雰囲気の延長戦とした楽しかった。
巻末のエッセイに、作者が音楽とどう関係していたのかが書かれていて、物語よりも興味深く読んだ。また、本作のために、繰り返し候補となる曲を聞いて、公正を作り直した話は迫力があった。自分がその練り上げられたプログラムを読み解くことはできなかったが、背景に触れることができて嬉しかった。

蜜蜂と遠雷/恩田睦著/幻冬舎文庫

2024-10-13 21:06:55 | 
カミさんが強く勧めてくれた作品。やっと読了。
天才たちが音楽を通してレベルアップしていく様子が素敵で、わくわくしながら読み進んだ。
カミさんは、それぞれの曲を聞きながら読み直したい、と言ったが、私は天才のように感じ取れる自信がないし、楽曲の演奏者がどんな思いを込めているかもわかると思えず。
村上春樹のノルウェイの森で、友達とクラッシックを聞きながら、解説をしてくれるシーンがあり、とても憧れた。いまだに、そうした解説を求めている。

営業の科学/高橋浩一著/かんき出版

2024-10-03 21:13:10 | 
現在、会社では営業の方との接点は少ない。生活面では、車の購入が数年間隔である位。
前の仕事では営業サポートに入っていたが、営業って難しいよな、と見ていた。
まず、商品のスペックがあって、後はお客様のニーズとのマッチングなので、人が介在する余地があまりないように思える。
なので、「営業を頑張る」=「足で稼ぐ」→「拝み倒す」or「値引きする」が仕事であり、「頑張る」とは理不尽なことに耐える、と思っていた。
Voicyの荒木さんと著者の高橋浩一の対談を聞いて、人に対する科学的なアプローチが学ぼうと手に取った。

売れない営業は「がんばっていないから売れないのではなく、「がんばる以外のやり方が思い浮かばず、そのうえ、がんばり方を間違えているために、結果として追い詰められているのです。(P.30)

本書の中で、どうがんばれば良いのかが、1万人のアンケートを元に詳細に説明されている。
成果を出している営業が、各フェーズをここまで解像度高く見ている姿勢に学ぶことは多く、自分の仕事も成果に向けて努力しようと思えた。

お坊さんはなぜ夜お寺を抜け出すのか?/虚空山彼岸寺著/現代書館

2024-09-25 22:05:24 | 
COTEN RADIOを聞いていると、仏教は哲学だと言う。とても頭の良い人が、とても考え抜いたロジックで、人が生きる苦しみから解放される考え方が示されているとのこと。

P.112
ひとつの考え方として、仏教には「命の事実」とでも言うべき理論が描かれていると見るのはどうだろう。経典には、ブッダが瞑想を通じて徹底的に自己と世界を掘り下げた結果えられたありのままの事実について、人間がりかいできるようにさまざまな表現で語られている。正しい選択肢を教えてくれるのではなく、正しい選択肢を選べるような判断力を身に付ける術をそこから読み取ることができる。というよりは、心身ともに自己と世界に対する洞察力を高めることによって、結果としてさまざまな判断力も身につくようになるといったほうがよいだろうか。だからこそ、仏教に関する知識だけでなく瞑想の方法などもともに発達してきた歴史がある。

近年、宗教が関係した事件が時々起こる。私も普段、宗教的な活動はしていないが、人が生きる時、自分の考えだけでは足りないことがある。身近な人の死、自分の大病、理不尽な事故、事件、災害。そうした時に、宗教は人を支えてくれる。
田中慶子さんのVoicyで対談で出ていた松本紹圭さんに興味を持った。毎日の生活が仏堂であり、掃除は修行であるという。生活が修行であり、自分を高め整える、というお坊さんの生活が素敵だと覆う。
私は毎日を丁寧に生きたい。食器を片づける時は、取り出しやすいような位置に置く。
その松本さんを含む4人のお坊さんが書いたのが本書。葬式仏教と言われる現代にあって、お寺やお坊さんがどう仏道と向き合いながら、社会に影響を与えるのか。頼れる仏教が、そばに居てくれる。そうした活動をしている人達がいる。頼もしい。



相談する力/山中哲男著/海士の風

2024-09-12 21:37:08 | 
相談する力をつけたい。仕事を抱え込んでスタックさせがちの自分に必要なスキルだ。
相談相手の時間を使ってしまい、相手にメリットがない、と思っていた。
相談をしても、「そんなことも自分で調べられないの?」と言われるのが怖かった。
職場で業務を進めるために、上司、先輩、関係部署に「答えを求める」=相談だと思っていた。
そんな相談がしやすくなることを期待したが、この本で扱う相談は、起業や経営観点でビジネスの進め方の精度を高めたり、打開策を探ることが主だった。

この本で書かれている相談の領域が自分の期待とは異なったが、自分に必要な内容も多かった。

私は、「教える/教えられる」というよ下の関係ではなくて、対話をして共感してもらうヨコの関係が相談
の本来的な特徴の1つだと考えています。(P.48)

相談内容が相手にとって興味があるのか、相談されて迷惑なのかは、相談相手に聞いてみないとわからない、としか言えないんですよね。だから、先ほどのように「まず、聞いてみたら?」とツッコミを入れるわけです。聞いてみて、無理だったら無理でいいし、受けてもらえたらラッキー。ボールをまず投げてみて、それが次につながっていけばいいのです。(P.130)

この形での相談を進めよう。

冒険の書/孫泰蔵著/日経BP

2024-08-14 08:20:52 | 
複数のVoicyパーソナリティが、紹介していた。
これまでの教育の成り立ちから、面白いと思うこと突き詰めるのが学習であり、AIが色々なことができるようになるこれからは従来の学習に拘る必要はないと展開される。
そうかな、と思いつつも、だからと言って子供に好きなことだけやっていれば良いと言えるようにはならない。
自分が持ち帰られたのは、最後に書かれていた言葉。
われわれに後世に遺すものはなにもなくとも、われわれに後世の人にこれぞいうて覚えられるべきものはなにもなくとも、あの人はこの世の中に生きているあいだは真面目なる生涯を送った人であると言われるだけのことを後世の人に遺したいと思います
(内村鑑三)

観察力の鍛え方/佐渡島庸平著/SB新書

2024-08-11 19:14:10 | 
普段の振り返りが上手くいっていない。今日のできごと・感情から、改善点や自分の価値観を見つけられていない。観察力が低いと感じていたので、本書を手に取った。
本書では、観察力を鍛えるために、認識を歪める感情とバイアスとコンテクストについて丁寧に解説がされる。それらが悪いものではなく、特性を理解して武器にすることが語られる。眼鏡は事象の一部しか見せないが、眼鏡があることで見えることもある。
終盤では、正解を手放し、あいまいな状態を受け入れ、創作に結びつけるためのマインドフルネスについて語られ、愛にたどり着く。
観察力を超えて、人生の視方を説かれたように感じた。新書だが、メモ・抜き出しの量が12,000字を超えた。


傲慢と善良/辻村深月著/朝日新聞出版

2024-08-10 11:09:59 | 
9月に映画化される小説。book cafeで話があった。https://voicy.jp/channel/794/5070291

book cafeでは、親の言う通りにしてきた善良、という話があった。
自分は、より広く、常識というか謙虚さも善良の中に含まれていて、その善良と傲慢は同居して、相手を傷付け、自分にも返ってくることあることが怖くなった。
婚活が上手くいかない、「ピンとこない」という状態を、ちょっと辛辣に、でも鋭く描写していて、ドキドキする。
ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です
その値段、点数が、自分と釣り合うか、自分の高い点を持ち出すか、低い点から相手を見られるか、傲慢を手放せるか、それが「ピンとくる」ということなのだろう。

もう一つ、自分の価値観に突き付けられたのが自己愛と逃げ。
自己評価は低いくせに、自己愛が半端ない。諦めているから何も言わないでって、ずっといろんなことから逃げてきたんだと思う
自分が謙虚で居ようとするのは、逃げるためだったようにも思う。「頑張ったから、これで勘弁してください」と、ハンドルを手放してしまう身勝手さの根っこに、上のセリフが重なり、ちょっと苦しくなった。

この話の根底に、恋愛結婚至上主義的なものがある。個を確立した者同士が自分の価値観に基づいて相手と結ばれることが最善という考え方。婚活がテーマなので、登場人物がそうした考えを持って行動し、個の確立ができていない生き方に未熟を感じるように描いているのは当然かもしれない。半年前であれば自分も違和感なく読めただろう。
選択の科学/シーナ・アイエンガー著/文藝春秋 - 日々の生活から では、恋愛結婚が一般通念でないことが描かれている。それがあったので、お見合い結婚であっても幸せになれるだろうし、という視点で読み進められた。主人公への共感は減ったかもしれないが、落ち着いて読み進められた。

否定しない習慣/林健太郎著/フォレスト出版

2024-07-11 21:53:19 | 
私が子供から「お父さんは否定するから嫌だ」と言われ、「否定じゃなくて事実だろうが!」と思いつつ、本書の中でも、これは否定と書かれていた。
子供に対して、期待と上から目線があるので、否定しやすい状況だ。否定では、言葉が相手に届かない。
「今日はどんな機嫌で過ごしたい?」と自分に問いかけることが書かれている。機嫌は習慣であり、自分で管理できるもの。
「否定しない」は"技術"であると同時に"習慣"でもある
否定しないことを習慣としよう。
習慣とするために書かれていたのは、振り返りと「実況中継」によるセルフコーチング。
まずは、ここから。

人生のレールを外れる衝動のみつけかた/谷川嘉浩著/ちくまプリマー新書

2024-06-20 21:43:50 | 
自分の才能、内的なモチベーション、やって嬉しいこと。こうしたものに従って生きることに憧れる。
本書にも取り上げられている「Dark Horse」は、そうした才能・衝動を活かして、大学進学など一般とは異なるルートで成果を上げている人の話に、「自分にも何かできる」と期待している。
Voicyのbook cafeで著者の話を聞いて、自分の偏愛、衝動を見つけることを期待して、手に取った。
本書では、衝動とは何かを丁寧に考えた後に、どうすれば衝動が見つかるか、衝動をどう生活の中で使うか(「実装する」と書かれている)について書かれている。
自分の衝動を見つけるには、自分を観察する。自分にインタビューする。些細な部分にもこだわる。
また、衝動は固定的なものではなく、周りの人から影響を受けて変わったり、環境によって高まったりなど、揺らいだり変化したりする。
周りに適応しつつ、自分の方向に進む姿勢で望めば良い、というのは自分に合ったメッセージだ。これまでは、「自分の核を探さなければ」と緊張していたが、もう少しゆったり構えられるようになった。
各章にまとめがあって、読みやすかった。

成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈著/新潮社

2024-06-02 09:07:18 | 
会社の人が、この本をとても気に入って、滋賀県に聖地巡りをした話をしていた。
カミさんも、成瀬の人目を気にせずに行動する様子に憧れを感じたとのこと。女性によく聞く「一人が怖い」を、まったく気にしない行動が気持ち良さをくれるのだろう。
成瀬の武士の口調なにうる星やつらのサクラ先生を思い出した。梨木香歩の小説にも、お菓子が常備してある家で健やかに成長した人物(主人公の友人として登場)が出てきて、その人にまた会った、と思えた。
話はスラスラと読み進められ、楽しめた。

絶対悲観主義/楠木健著/講談社+α新書

2024-05-22 21:27:52 | 
人生は上手くいかないことを前提に考えることで生きやすくなる、という出だしだが、著者の軽妙な語り口で、現代の一面が鋭く描かれている。
「婚活に見る獣性」に、男と女の本性が解説されたり、「組織力とチーム力」の解説は、経営戦略を専門とする著者ならでは。

また、著者のこだわりもいくつか語られ、軽妙なだけではない背景が見られて面白い。
多様な著作があるが「自分が面白いと思うものを書く」という筋がある。

「なるようにしかならないが、なるようにはなる」という循環するような言葉など、味わい深い話があり、これぞ新書だ。


異人たちとの夏/山田太一著/新潮社

2024-05-18 05:54:30 | 
NHKニュースで、この本を原作にしたイギリス映画が紹介されていた。
「大の大人が親に甘える姿と言うのは気持ち悪いが、親が既に死んでいるのなら、ありかもしれない」という話に興味がひかれた。
親に甘えることで癒されることは良い。ただし、そこに留まらず、外の世界に踏み出すことができれば、という条件があるが。物語でも、そこに留まれないことが悲しくも、だからこそ次に向かえるという姿が心地よかった。
家事をしない男の解説として「小さい頃は子供であれば親に承認され、そのまま結婚してもそこから抜け出さない人」というものを聞いた。しっかりと親に甘やかされることが悪いことではないが、そこに居続けたり、親の無限の愛を他に求め続けるのは、周りを不幸にする。

ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ著/早川書房

2024-05-18 05:42:59 | 
カミさんが私設図書館MAYUで借りてきた本。
サスペンス・推理もののドキドキもあるが、悪い意味で裏切られたと感じて、読後感はもう一つ。
湿地に住む動物たちの描写が美しい。
動物の生態は、人間の動物的本能とも繋がり、美しいだけではない部分が特に後半のストーリーと上手く絡んでいる。

選択の科学/シーナ・アイエンガー著/文藝春秋

2024-04-26 20:55:01 | 
自分の価値観を揺さぶる体験をした。そして、子供が私の価値観と違う価値観で行動することを認められるようになった。

私は、自分の欲求よりも全体の幸せに貢献することが素晴らしい、と思っている。これは自分が集団主義に陥っているだけだったのだろうか?個人主義が必ずしも、幸せにさせるものではない、と本書は語る。自分の価値観は自分が作り上げたもの、と考えていたが、借り物に過ぎなかったのか、とグラグラする。

「義務を果たす」。これは自分の大きな命題・行動原理になっている。子供たちが社会に適合できるよう、願わくば社会に貢献し、社会から必要とされるように育てることが親としての務め。周りに迷惑をかけないように生きること。幸運にもある程度の能力を持てたことを感謝し、社会に貢献すること。
この考え方が集団原理に基づいているなら、何となく陳腐なもののように感じられてしまい、ショックを受けている。

本書では自分で全て選択することだけが、人を幸せにするわけではないことも語っている。インフォームドコンセンサスに基づいて、子供の生命維持装置を外すことの選択をした人達よりも、医師団の考えに沿った人達の方が、悲しみにうまく対処できている例が多いそうだ。
選択が万能でないことを理解しつつ、有効な選択が行えるよう知識を増やし、解像度を上げ、時に専門家やチームと取り組み、選択を振り返ろう。