出版社:朝日新聞出版
在宅緩和ケア歴40年、在宅看取り率95%という小笠原文雄先生に、『おひとりさまの老後』でブームを起こした当NPO法人上野理事長が、質問を投げかけました。
「在宅ひとり死」の可能性を、小笠原先生は語り、その真実の姿を見せてくださいました。「おひとりさま」のまま、最期を迎えられる希望の光がここにあります。
後期高齢者(ヘンなお役所言葉ですね)になると、どこでどんなにして死ぬのかなと、多かれ少なかれ気になるところ。年齢を重ねるということは、昨日まで知らなかったことを今日見聞できる楽しみがある一方で、大切な人たちに先立たれる悲しみや寂しさを経験することでもあります。
いい相棒だった我がつれあいも、病気だと判ってから僅か6ヵ月で逝ってしまいました。近頃は親しい友人を見送ることが増えてきました。若い方の訃報を聞くのはもっと辛いです。
別れはとても辛いことですが、でも人の死は間違いなくいつかはやってきます。
この本に「生まれる所は決められないが、死ぬ処は自分で決められる」とあります。そう言えばたしかにそうかもしれない。
でも本当に死ぬところを決めることは、条件がいろいろ揃っていないと、とても難しいと思います。
今では病院で死ぬのがあたり前になってしまいましたが、日本人の死に場所が、自宅から病院へと逆転したのは、1976年のことだそうです。せいぜい35・6年前のこと。
改めて人々の暮らしや習慣が、急速に変化していることに気づきます。そういえば私たちの祖母の時代は、お座敷の真ん中に敷かれた布団の上で、家族に囲まれて静かに息を引き取っていましたね。(中西)
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