私はこれまで、軽量鉄骨造の住宅では、熱橋(ヒートブリッジ)対策が重要ですよと言ってきました。
→ 新築体験セミナー 1木造住宅と軽量鉄骨造住宅のメリット・デメリット
建築資材として鉄の最大の欠点は、熱伝導率の高さ
外気の冷たい温度を鉄の柱を介して室内へ伝えてしまうんです。
その対策に、先行して取り組んだのが、外張り断熱のダイワハウスxevo(ジーヴォ)です。
xevo(ジーヴォ)の発表が2006年だったかと思うんですが、その後も積水ハウスは目立った新商品もなく昨年まできました。
それでも、その間、業界トップの座を守り、売れ続けてきました。
そういう面を見ると、改めて積水ハウスのブランド力に凄まじさを感じずにはいられません。
熱橋対策に腰の重かった積水ハウスも、平成22年3月決算では、売上で首位の座を大和ハウス工業に譲ったからと言うわけでもないでしょうが、昨年、軽量鉄骨造としては48年ぶりの大幅仕様変更となる新商品 BeSai+e(ビー・サイエ)を発売しました。
この新商品には、熱橋対策として「ぐるりん断熱」が採用されており、それ以降、積水ハウスの軽量鉄骨造住宅には、「ぐるりん断熱」が標準装備となっています。
→ 軽量鉄骨系戸建全商品においてオリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」を標準採用

一方、ダイワハウスは、軽量鉄骨造の熱橋対策は外張り断熱しかないと言い続けています。
まぁ、その意見は支持する方も多いかと思いますが、積水ハウスのぐるりん断熱は充填断熱
写真などで見ても、C鋼の内側に施工したGWが薄くていかにもその部分が断熱性能が弱そうな気はします。
→ all about 積水ハウス(2) 新商品が和モダンの理由とは
しかし、それでもこれがあるのとないのとではかなりの違いがあるでしょう。
また、断熱仕様を「標準」=Ⅲ地域まで、「ハイグレード」=Ⅱ地域、「プレミアム」=北海道の基準を超える仕様と3段階に明示したのもわかりやすくて好感が持てます。
平成11年(新省エネ)基準でのQ値が、Ⅲ地域2.4W/㎡・k、Ⅱ地域1.9W/㎡・k、Ⅰ地域1.6W/㎡・kですから、それぞれを上回るQ値ということなんでしょう。
しかし、ご存じのとおり、積水ハウスの商品は高気密高断熱ではありません。
断熱性能を示すQ値は、そこそこ立派な数字が出ていますが、Q値は、気密性が確保されて初めて信頼に足る指標となります。
私は、温熱環境においてC値で0.2cm²/m²だとか0.3cm²/m²だとかそんな優秀な数字が必要だとは考えていませんが、軽量鉄骨造でもせめて高気密といえる最低レベルの2.0cm²/m²は目指して欲しいと考えています。
頑なにC値公表を避けてきた積水ハウスですが、実際に寒冷地以外で気密測定を行った施主のブログを拝見すると、明示こそされていませんが次世代省エネ基準にあった5.0cm²/m²をクリアする程度の数字ということがうかがえます。
住宅の価値は、温熱環境だけを重要視すべきとも思いませんが、実際、住んでみて感じたことをもとに、私が最も避けるべきと考える住宅は、
1に、寒い家
2に、体にとって環境の悪い家
具体的には、計画換気が機能しない家、結露する家
です。
「ぐるりん断熱」の採用で、積水ハウスは「寒い家」からは脱却できそうです。
しかし、仮にC値5.0cm²/m²の家を想定すると、冬場、室温と外気温との差が20℃、風速6mの風という環境で
1階から給気された空気が温まり汚れながら2階へ上がり、それが2階の給気口から排出され、2階の居室には新鮮な外気が全く供給されないという現象が起きます。
ぐるりん断熱を装備するまでの50年間、目に見える熱橋対策を講じてこなかった積水ハウスですが、今後、空気環境の改善(気密性の確保)に取り組む姿勢を見せてくれるんでしょうか?
ちょっと脇道にそれてしまいましたが、話をQ値に戻しましょう。
これから、ハウスメーカーを選定しようという皆さんは、見積もり合わせの際、是非、ハウスメーカーにそのプランにおけるQ値の計算をしてもらった上で比較検討すべきだと思います。
Q値は設計によって変わります。
同じ仕様でも窓が大きければQ値も大きい数値に、窓が小さければQ値は小さい数値になります。
また、Q値がほぼ同じだったとしても、C値に差があれば、それはとても同等の断熱性能とは言えないのではないでしょうか?
金額の比較だけでなく、その辺を加味しながらハウスメーカーの選定をしていただければ後悔せずにいい家づくりができるものと思います。
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【参考記事】
新築体験セミナー 1 木造住宅と軽量鉄骨造住宅のメリット・デメリット
新築体験セミナー 2 Q値とC値の話
新築体験セミナー 3 家屋の気密化の目的
新築体験セミナー 4 高気密・高断熱住宅の住まい方
ブログTOPページ INDEXへ → ガンにも負けず高気密・高断熱の家づくり日記

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>>> 我が家のレビュー記事「無印良品の壁に付けられる家具、長押」
>>> 商品詳細
→ 新築体験セミナー 1木造住宅と軽量鉄骨造住宅のメリット・デメリット
建築資材として鉄の最大の欠点は、熱伝導率の高さ
外気の冷たい温度を鉄の柱を介して室内へ伝えてしまうんです。
その対策に、先行して取り組んだのが、外張り断熱のダイワハウスxevo(ジーヴォ)です。
xevo(ジーヴォ)の発表が2006年だったかと思うんですが、その後も積水ハウスは目立った新商品もなく昨年まできました。
それでも、その間、業界トップの座を守り、売れ続けてきました。
そういう面を見ると、改めて積水ハウスのブランド力に凄まじさを感じずにはいられません。
熱橋対策に腰の重かった積水ハウスも、平成22年3月決算では、売上で首位の座を大和ハウス工業に譲ったからと言うわけでもないでしょうが、昨年、軽量鉄骨造としては48年ぶりの大幅仕様変更となる新商品 BeSai+e(ビー・サイエ)を発売しました。
この新商品には、熱橋対策として「ぐるりん断熱」が採用されており、それ以降、積水ハウスの軽量鉄骨造住宅には、「ぐるりん断熱」が標準装備となっています。
→ 軽量鉄骨系戸建全商品においてオリジナル断熱仕様「ぐるりん断熱」を標準採用

一方、ダイワハウスは、軽量鉄骨造の熱橋対策は外張り断熱しかないと言い続けています。
まぁ、その意見は支持する方も多いかと思いますが、積水ハウスのぐるりん断熱は充填断熱
写真などで見ても、C鋼の内側に施工したGWが薄くていかにもその部分が断熱性能が弱そうな気はします。
→ all about 積水ハウス(2) 新商品が和モダンの理由とは
しかし、それでもこれがあるのとないのとではかなりの違いがあるでしょう。
また、断熱仕様を「標準」=Ⅲ地域まで、「ハイグレード」=Ⅱ地域、「プレミアム」=北海道の基準を超える仕様と3段階に明示したのもわかりやすくて好感が持てます。
平成11年(新省エネ)基準でのQ値が、Ⅲ地域2.4W/㎡・k、Ⅱ地域1.9W/㎡・k、Ⅰ地域1.6W/㎡・kですから、それぞれを上回るQ値ということなんでしょう。
しかし、ご存じのとおり、積水ハウスの商品は高気密高断熱ではありません。
断熱性能を示すQ値は、そこそこ立派な数字が出ていますが、Q値は、気密性が確保されて初めて信頼に足る指標となります。
私は、温熱環境においてC値で0.2cm²/m²だとか0.3cm²/m²だとかそんな優秀な数字が必要だとは考えていませんが、軽量鉄骨造でもせめて高気密といえる最低レベルの2.0cm²/m²は目指して欲しいと考えています。
頑なにC値公表を避けてきた積水ハウスですが、実際に寒冷地以外で気密測定を行った施主のブログを拝見すると、明示こそされていませんが次世代省エネ基準にあった5.0cm²/m²をクリアする程度の数字ということがうかがえます。
住宅の価値は、温熱環境だけを重要視すべきとも思いませんが、実際、住んでみて感じたことをもとに、私が最も避けるべきと考える住宅は、
1に、寒い家
2に、体にとって環境の悪い家
具体的には、計画換気が機能しない家、結露する家
です。
「ぐるりん断熱」の採用で、積水ハウスは「寒い家」からは脱却できそうです。
しかし、仮にC値5.0cm²/m²の家を想定すると、冬場、室温と外気温との差が20℃、風速6mの風という環境で
1階から給気された空気が温まり汚れながら2階へ上がり、それが2階の給気口から排出され、2階の居室には新鮮な外気が全く供給されないという現象が起きます。
ぐるりん断熱を装備するまでの50年間、目に見える熱橋対策を講じてこなかった積水ハウスですが、今後、空気環境の改善(気密性の確保)に取り組む姿勢を見せてくれるんでしょうか?
ちょっと脇道にそれてしまいましたが、話をQ値に戻しましょう。
これから、ハウスメーカーを選定しようという皆さんは、見積もり合わせの際、是非、ハウスメーカーにそのプランにおけるQ値の計算をしてもらった上で比較検討すべきだと思います。
Q値は設計によって変わります。
同じ仕様でも窓が大きければQ値も大きい数値に、窓が小さければQ値は小さい数値になります。
また、Q値がほぼ同じだったとしても、C値に差があれば、それはとても同等の断熱性能とは言えないのではないでしょうか?
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