m星紳士のつぶやき・・・

現在、twitter連携によるブログ更新中。日々の日常から、野球、ゲームの話まで勝手に語ります(`・ω・´)

m星紳士の憂鬱

2012年04月06日 17時49分38秒 | つぶやき


 サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかと言うとこれは確信をもって言えるが最初から信じてなどいなかった。

 幼稚園のクリスマスイベントに現れたサンタは偽サンタだと理解していたし、記憶をたどると周囲にいた園児たちもあれが本物だとは思っていないような目つきでサンタのコスプレをした園長先生を眺めていたように思う。

 そんなこんなでオフクロがサンタにキスしているところを目撃したわけでもないのにクリスマスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しい俺なのだが、宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪の組織やそれらと戦うアニメ的|特撮的漫画的ヒーローたちがこの世に存在しないのだということに気付いたのは相当後になってからだった。

 いや、本当は気付いていたのだろう。ただ気付きたくなかっただけなのだ。俺は心の底から宇宙人や未来人や幽霊や妖怪や超能力や悪の組織が目の前にふらりと出てきてくれることを望んでいたのだ。

 俺が朝目覚めて夜|眠るまでのこのフツーな世界に比べて、アニメ的特撮的漫画的物語の中に描かれる世界の、なんと魅力的なことだろう。

 俺もこんな世界に生まれたかった!

 宇宙人にさらわれてでっかい透明なエンドウ豆のサヤに入れられている少女を救い出したり、レーザー銃片手に歴史の改変を計る未来人を知恵と勇気で撃退したり、悪霊や妖怪を呪文一発で片づけたり、秘密組織の超能力者とサイキックバトルを繰り広げたり、つまりそんなことをしたかった!

 いや待て冷静になれ、仮に宇宙人や(以下略)が襲撃してきたとしても俺自身には何の特殊能力もなく太刀打ちできるはずがない。ってことで俺は考えたね。

 ある日|突然謎の転校生が俺のクラスにやって来て、そいつが実は宇宙人とか未来人とかまあそんな感じで得体の知れない力なんかを持っていたりして、でもって悪い奴らなんかと戦っていたりして、俺もその闘いに巻き込まれたりすることになればいいじゃん。メインで戦うのはそいつ。俺はフォロー役。おお素晴らしい、頭いーな俺。

 か、あるいはこうだ。やっぱりある日突然俺は不思議な能力に目覚めるのだ。テレポーテーションとかサイコキネキスとかそんなんだ。実は他にも超能力を持っている人間はけっこういて、そういう連中ばかりが集められているような組織も当然あって、善玉の方の組織から仲間が迎えに来て俺もその一員となり世界|征服を狙う悪い超能力者と戦うとかな。

 しかし現実ってのは意外と厳しい。

 実際のところ、俺のいたクラスに転校生が来たことなんて皆無だし、UFOだって見たこともないし、幽霊や妖怪を探しに地元の心霊スポットに行ってもなんも出ないし、机の上の鉛筆を二時間も必死こいて凝視していても一ミクロンも動かないし、前の席の同級生の頭を授業中いっぱい睨んでいても思考を読めるはずもない。

 世界の物理法則がよく出来ていることに感心しつつ自嘲しつつ、いつしか俺はテレビのUFO特番や心霊特集をそう熱心に観なくなっていた。いるワケねー……でもちょっとはいて欲しい、みたいな最大公約数的なことを考えるくらいにまで俺も成長したのさ。

 中学校を卒業する頃には、俺はもうそんなガキな夢を見ることからも卒業して、この世の普通さにも慣れていた。一縷の期待をかけていた一九九九年に何かが起こるわけでもなかったしな。二十一世紀になっても人類はまだ月から向こうに到達してねーし、俺が生きている間にアルファケンタウリまで日帰りで往復できることもこのぶんじゃなさそうだ。

 そんなことを頭の片隅でぼんやり考えながら俺はたいした感慨もなく高校生になっていた。自分は内部生のため、3年間通い続けた長い通学路をまた3年間歩かにゃならん。別に校舎の色がクリーム色から迷彩色から変わったり、学校の池を泳ぐ鯉がブラックバスになったりしないし、結局何が言いたいかと言えば俺をはじめた3年間同じ学校で生活している大半の内部生からすれば、入学式は『始まり』ではなくどちらかといえば『折り返し』という意識が多い。周りの友達も変わったりしないしな。

 そんなわけで、無駄に暑い学校のホールで行われた箇条書きをテンプレートしたような入学式中、そんな事を考えていたのだが、結局睡魔に襲われ、睡魔と闘う事無く白旗を上げた。

 言うのをすっかり忘れていたが、俺は高ⅠのD組に配属された。『D-Formation』の『D』だな。中学までは学年持ち上がりが多かったが、中3→高1でさすがに持ち上がりの教師は少なく、俺が知らない数学教師Kが俺の担任になった。「どこにでもいそうな顔だなぁ」そう思った。第一印象ってやつだ。
 仲のいい友達も居るし、なかなかいい感じだ。例の旅の相方が隣の席というのにはさすがに驚いたがな。頭が別段良くない奴等が集まるクラス故のなごやかな雰囲気で安心するね。
 
 入学式後クラスに戻って毎年のように配られるプリント類の説明をなされ、担任・副担任の自己紹介がカラスの行水ほど(カラスの行水は実は結構長いそうだが、それはここではいいまい。)で終了し、いつもの卓球部メンバーで下校した。


~管理人より 改めて~

 これからまた改めて、高校生活が始まる訳でありまして、このブログを見てくださってる全ての人に感謝しつつ、これからもまたバカやりながら日々の日常やIDENTITYを書いていこうと思っておりますので、よろしくお願いしますm(_ _)m