別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン12 気まま感想8

2019-12-19 21:19:36 | シーズン12

第13話 さまよえる息子たち

今回は登場人物が多く、それぞれのあらすじを書くのは面倒なので無し。
主軸となるのは、クラウリーの息子ギャビン・マクラウド。
学校の先生やボーイスカウトの指導員が変死。犯人の悪霊はギャビンの恋人だった。ギャビンは彼女と死んだ人々を救うため、元の時系列に戻り死ぬことを選択する。

ロウィーナ、クラウリー、ギャビンのマクラウド家に加え、ウィンチェスター家、ルシファーの子を宿したケリー、そして生きていた魔王を加えた、それぞれのお家事情。
お題の「さまよえる息子たち」はなかなか良いんですが、実はさまよっているのは母と父も。一人通常営業いますが(-_-;)

アバドンにさらわれて現代に連れてこられ、親父のクラウリーが兄弟の制止も効かず逃がしたギャビン。なんとか生活してるようです。偉いな。何百年ものタイムスリップはキャプテンアメリカどころじゃないぞ。よく適応してるよ。
兄弟に引っ張り出されたロウィーナ。ご機嫌斜めだったのが、二人の思わせぶりに興味を持つ。彼女がノッてきた時のサムのドヤ顔な(笑)
孫に会えてご機嫌のロウィーナ。息子とはこじれまくってるので、通常子供より可愛いと言われる孫がさらにお気に召したようだ。ギャビンに彼女がいたと知って、「じゃあ恋人がいたのね!」とはしゃぐ様子がなんか可愛い。

悪霊になったフィオナ。あまりスパナチュでは性的なトラウマは出してほしくはないんだけどね。
想像したくない地獄だよ。恋人がいると信じて密航した船に彼はおらず、乗組員の慰み者になって助けるものもいなかった。
ギャビンは本当に父親と祖母に似合わぬいい子なんだよね。死ぬとわかっていても、フィオナが恐ろしい目に合わない時系列に戻り、二人で海に沈むことを選んだ。死んだ人々も甦ると。

死ぬはずの人間が一人生き延びただけで、歴史が大きく変わる。歴史改変のタブーを犯してもクラウリーが逃したわけだけど、少なくともこの界隈では何も変化なかった。テキトー(笑)
でもギャビンが生きて現代に来たことで、死んだ人や生まれなかった人もいただろうし、元に戻ったらまた誰かがどこかで変わってるはず。言ってもしょうがないが、ゆるい設定(^^;

止めに来たクラウリー、「なんでもやる。ジムの会員権、デカパイのおねえちゃん、カブスのチケット」と言うことがさもしい(笑) そんなんで愛に死のうとする息子に効くかい。
ロウィーナが孫を前にして、突如母親らしくなる。「この子は私たちと違って純粋よ。思う通りにさせてあげて」 

怒れる父クラが言った、「こいつらは(兄弟)自分の家族が上手くいかないからって、人の家族を」は、割と痛いところをついている。クラたまに的を得るからな。

メアリーはケッチと行動を共にし、狩りや新兵器の実験を続けてる。ケッチはメアリーに執着を見せ始めてる。息子たちは君のためにならない。良き母親を演じたいだけで、情を交えず狩りをするハンターが本当の君。そういう自分が怖いんだろうと。
てめえに何がわかるってんだ(ルシに次ぐ塩対応野郎ができました)

ケッチの言うことって一見的を得てるように聞こえるけど、自分の願望を押し付けてる。メアリーは良い母親になろうとしてるんじゃなく、少しでも今の息子たちにできることがないか悩んでる若い母親。ケッチ次回はディーンに対しても同じアプローチするんだが、気にしている部分を突けば動くと踏むのは浅いぜ。彼らの生きてきた日々も知らないお前がしたり顔で言うんじゃねえよ。

ギャビンを行かせたあと、ベンチで対峙するロウィーナとクラウリー。さぞかし意地の悪い理由があるんだろと毒づきながらも、「理由が知りたい」と本音を漏らすクラ。
「ギャビンは良い子よ。お前が愛してたのはわかってる」
「おまえより愛したオスカーを殺させた。子供を失う苦しみを味合わせたかった」
「母親だから、やわな根性を叩きなおしてやってる」

クラウリーにとって、今までで一番堪えただろうね。スパルタ母…。

ロウィーナの本音だろうが、このこじれた二人は臆面通りだけじゃない。
愛することは、失ったときの苦しみを覚悟することでもある。愛を禁じてきた母が、お前は愛を求めてきただろうが、愛こそが残酷なものになり得るという覚悟を知らない。そう伝えてる。

でもクラウリー、失意に沈んで気づいてない。生前は虐待し、霊として呼び出された際も自分を憎んでいた息子。現代で死から逃したとはいえその後放置(関わらない方がいいけど) 、それでも顔を見て別れを告げたいと呼び出してくれたんだよ。マジいい子。人間であったときに悪魔のようだった父が、悪魔になって息子を大事に思う。その皮肉。現代で何とかやっていても、あまりにも孤独だっただろう。そのことも恨んでない。

可愛い女性に戻ったフィオナと共に消えていくギャビンの姿は、スパナチュで見られる美しい昇天シーンの中でもとりわけ純粋だった。
そして、立ち会えたはずなのにしなかったロウィーナ。見たくなかったのか、クラウリーができないことをしようとしなかったのか。
いびつながらも、クラウリーはある意味家族を取り戻してる。それに気づいて、危険物への復讐心を捨てればよいのに。
兄がギャビンを送り出す際にサムに行った「転送を頼む」はスタートレックですね(笑)
アバドンがギャビンを攫いに来るのとは別の時系列に飛ばせるのかってのが謎なんだが、そこもユル設定(^^;

「シングルファーザー同士か。初体験はいつさせる?」とか、また魔王にあらざる下世話セリフかよと思ったら、これは吹き替え訳。英語では「デートさせる」でしたね。含むところは同じなのかもしれないが、あまり魔王をゲスにしすぎないでくれ。我が突っ込みが増える。
ルシは息子の存在を感じてる。前回ご紹介のダゴンが天使に襲われたケリーを助け、手中におこうとしてる。

そして世界を動かすこじらせ一家、ウィンチェスター家のゴングもまた鳴った。


第14話 ヴァンパイアの反撃

親子会議。メアリーと息子たちは平行線。
D「キャスは死にかけた」 S「ウォーリーは死んだ」
M「そんなことわかってる。私がウォーリーの死体を焼いた。奥さんに彼の死を伝えたのも私。毎晩ウォーリーが死ぬ夢を見る」
D「だろうな」

M「お前たちのためにやってるの。失われた時間を取り戻したくて」
D「本当に? 俺たちの気持ち考えたか? 息子なのにおふくろは離れてく。今までずっとな。そばにいたためしがない。一度でいいから母親でいてくれよ」
M「私はあなたの母親。でも一人の女でもある。小さな子供じゃないでしょ」
D「母親はいなかった」「奴らか俺達か選ぶんだな。奴らを選ぶんだろ。なら出ていけばいい」

M「サム…」
S「行った方がいい」

ツライ💦 この会話においてはメアリーの味方はしずらい。これまでの兄弟の道のり(OPか)を見てきた私たちは、どうしたって“メアリー全然わかってねえ! 兄弟が可哀そうだろ!!”になる。
そう、メアリーはわかってない。これまでの息子たちの人生を知らない。死んでたんだから。
たとえオンラインでSPNシーズン5までは読めたとしてもな!

自分のせいで関係ないウォーリーを死なせた。その苦しみをわかって!という年下の母。でも息子たちはすでにそれを数限りなくやってきた。夢を見ない夜はない。ディーンがいつか言ってたね。
「だろうな(原語ではGood)」 罪悪感は付きまとうものであり、それなくしては人でなくなる。それも初めて知ったメアリー。

母と息子が互いに求めるもの、与えようとしてるものは食い違ってる。親子の永遠のテーマであり、ウィンチェスター家ではさらに変則的にねじれてしまったもの。

二人は自分が抱いていた小さな子供たちではない。母として与えられるかもしれないのは、自分が元で奪われた“普通の生活”。自分もそれを望んでいる。それがメアリーの想い。

その願いを抱いたときもあった。とくにサムは強かった。けれど長い旅路の果てに、どうあがいても自分たちが動かないわけにはいかない、そういう人生なのだと達観しつつある兄弟。怪物を退治できても、天使や悪魔、彼らに付きまとうものは続く。そんな二人が求めるのは、少年時代に居て欲しかった母親。ご飯を作り家で待っててくれるマムでなくても、そばにいて支えてくれる、傷ついた心を包んでくれる存在。
とくにディーンは、母を奪われた記憶があり、自分がサムの母にならなきゃいけなかった。だから「母親はいなかった」と言う。あの言葉の重さ。

ディーンが行ったあと、物分かりがいい下の息子に呼び掛けたけれど、サムもまた「行った方がいい」と突き放した。母親の記憶がないサム。でも彼はいつでも自分を守り、傷つける者は許さない兄の母性を知っている。兄の母への想いも理解してる。サムだって、息子のあばらを折り足を焼いた相手と組む母親には優しく向き合えない。兄なら絶対にしないからね。

「小さい子供じゃないでしょ」というのは、メアリー自身が自分に言い聞かせてきたことなんだろう。息子たちは自分より成長してる。だけど実は、彼らが望むのは子ども扱いではなくても、子に向ける純然たる母性だということに気が付いてない。それは彼女が生きていたら、ふんだんに与えて、成長したら離れて見守るはずだった。通常の母親としての成長過程を経られなかったから気がつかない。これもやはり無理もないんだよね…。
「一人の女でもある」という吹き替え訳はちょっと問題で、この先メアリーとケッチはナニなんですが、そのことじゃないんだよね。単なる発散だし。英語では「母親だけじゃない」と言ってて、一人の人間でもあるというニュアンスでした。

腹の虫がおさまらぬ長男。とりなそうとする弟に、「どっちか選べ」と言い放つ。サムは母さんに会いに行きました。マムの言い分を聞いてあげようというのもあるが、サムは母からの必死のLINEに心動かされた。
メアリーはディーンにしかメールしない。たぶん二人一緒にいるから、まとめてまず長男に連絡ということにしたのかもしれないが、ゲームをするのもディーンと。母親との5年がある兄貴の方がやはり絆があるのかと思っていたんじゃないかな。だけど今回は自分に頼ってくれた。

メアリーの言い分は、サムが昔抱いた想いであり、それが元でした間違った選択も数多い。母が今それにぶち当たってることを、サムほどわかるものはいない。「現実を見て」というメアリーに、かつて自分が兄に言って失敗し、結局は現実を見れてなかったことを思い出し、複雑だろう…。

サムはUKの進んだ技術には惹かれてる。ディーンはグレネードランチャーぶっぱなしてみてえ!だけだが、サムは効率よく怪物退治できる武器はある方がいいと思ってる。ただ使う人間が問題だともわかってるんだよね。

とにかくUK出張所基地、あらゆる面で手薄。いくら優れた機器、武器があろうとも、人材が極小。ヴァンパイアのネスト撲滅作戦には興味を持ったサムだけど、ヴァンパイアたちの襲撃に呆然とする彼らに怒りより呆れかえる。歩哨も金網も弱すぎだろ!

一方兄貴。気晴らしに飲みに行き帰宅。「サミィちゃあ~ん」と呼んでもお出かけ(笑)
激しいノックに出てみると、招かざる客。
しかし、うさんくさケッチは「樽出しスコッチ」を手土産に。
兄、入れる(笑)
「君は殺し屋だ、ディーン・ウィンチェスター。私もだ」「賢人は絶対に退屈させてくれない」
狩るものがないと不都合を起こす自分たちは同類だというアプローチ。
いや、兄貴イライラすると怪物ズバッとぶった切りたくなるけど、普通の家庭も持てた人だからね。
プリズンブレイクの回で、ディーンとケッチの短い会話はマウンティングだった。同じ匂いを嗅ぎつけると男はマウントとろうとする(笑) けれどディーン・ウィンチェスターが強いのは、乗り越えた試練と家族への愛情が桁外れだから。それをこいつは知らない。


・サム、リーダーシップを発揮する

突然書き方変えますが(笑) 人物考察に長文が私の癖なので、ストーリーはサクサクしないと。
もうSPNに登場する組織関連は全部ダメダメだと思った方がいい。シュタイン、トゥーレ、リヴァイアや天使も入れるよ。
まず人数出せないから! これはもうメタな予算だから! クリマイとかCSIとか、本部内にいる人数、モブなのにすごい。
スパナチュでは10人出れば多い方です(笑)
アメリカのハンターがなびかず雇えないという設定にしてますが、広大なアメリカに乗り込むのに、ミックとケッチと、戻されたトニだけだよ? いくらなんでも少なすぎ。そして緊急対策マニュアルも、その心構えもない。なんだこの組織。お粗末すぎる。
呆然とする使えない奴らを見て、俺たちのサムが主導権を握った!

・アルファさん

久しぶり! 5年もたってる? S8にも出てなかったか?  「私も歳だ。静かに暮らしたい」 確かに俳優さん少し老けたね。ヴァンパイアだが…。キャスもシワ増えてるので(笑)
裏切り者の工作とはいえアルファ生きてることも知らないんじゃ、唯一の利点のデータ収集すら駄目じゃんUK。
コルト。「私がラミエルから盗んだ」とスパっと言っちゃうメアリーは、思い切ると息子より腹が座る。
コルト用の弾作り、簡単だな! UK知らねえし、ボビーの方がはるかに上。
ようやくミックが多少役に立つ。三人で小芝居。
アルファ「君はずる賢いな」 いやいやこの程度、サムの真価じゃありませんよ(え)
サムがコルト撃つの初めてだよね。カッコ良かった。ケッチとヴァンパイア狩りに行ったディーンは、ヴァンパイア女子を優しく扱っただけで、今回は弟が大活躍でした。シーズン後半、リーダーへと成長していくサム。ディーンは母親との件に向き合います。

基地に駆け付けた兄。「もしものことを考えたら、どうでもよくなった」 マムと見あって、へへへ、フフフみたいな間、ずる賢い弟君はミックに共闘を申し出ました。
今度はサムがまた隠し事! いやこういう展開は繰り返しなので、そんなに長引かせないよ。
ちょっと仲直りしたマムと兄貴を眺めつつ、ついにサムが真の力を見せる時が来るか!

 


2 コメント

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Unknown (MIKE)
2019-12-29 21:02:57
山吹さん、こんばんは!
S12を観るのは3回目ですが、メアリーの心情を全く覚えてない…設定が突飛過ぎて自分には難しいです。つい女優さんの見た目年齢で考えてしまいますし。
今回弟が母兄の間を取り持っていて、兄がどっちつかずと怒ってたけど、兄弟がいると役割を分担できるのがいいですね。母と二人だけで向き合うのと、もう1人居るのとでは全然違うと思います。まぁ現実では2対1になってしまうこともありますけども。
バンパイアを倒す武器はもう少し頑丈に作って欲しいです。空き缶潰してるみたいでしたw
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さまよってるんです(笑) (山吹)
2019-12-29 21:48:28
わーいMIKEさん、いつもありがとうです!
やはりサマンサさんでは、今の兄弟の気持ちも汲める年齢にしか見えないんですよね。30代に入ったばかりの設定です。かといって過去のかわゆい若メアリーの女優さん出したら、兄弟が母と慕うと映像的にヤバいです(^^;
ウィンチェスターに嫁いだからには、さ迷わなきゃ兄弟のマムになれないんですよ(笑)
この兄弟は、どっちかがイキってると、片方が宥め役になるのが習い性ですね(笑) でも本当に、30年前のママにいきなり向き合うのに二人いて良かったです。そう考えると、メアリーはいきなり二人のデカい息子に一人で向き合う羽目になってるので、やはり大変なんですよ。大目に見てねv(マム贔屓)

空き缶vvv まあルシファーを地獄に戻すための武器も、ダチョウの卵みたいでしたよね。ケッチが自慢こくほどどれも大したヴィジュアルじゃない。SPNの予算内の造りです(笑)
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