NPO法人 清瀬こども劇場 設立趣旨書
この数十年の間に、
武蔵野の面影を残す清瀬の地においても
雑木林や野原が宅地や駐車場などに取って代わり、
子どもの遊び場が減少してきました。
すでに普及していたテレビが
家庭生活の中心にすわるのとあいまって、
受験戦争の過熱化により
塾やお稽古事に通う子が増え、
放課後の子どもの時間が輪切り状態になる中、
群れて遊ぶ子どもの姿が
だんだんと消えていきました。
そのような中で、
子どもたちが自由にのびのびと
行動できるような地域づくりをしたいとの願いのもと
1977年、子どもと青年と親で構成される
「清瀬こども劇場」が創立されました。
それ以来、
心の糧となる芸術文化は
人間の成長に欠かせないという観点から、
テレビやビデオなどのコピー文化と対極にある
生の舞台の鑑賞活動や自然体験・遊びの会など
四季折々の体験活動を展開してきました。
それらの活動を通して、子どもも大人も、
人と人のつながりを豊かにしてきました。
またその中で子育ての不安や悩みを出し合い、
共に考えながら
子育ての中身を豊かにしてきました。
そのような出会いと仲間の広がりは、
子どものみならず大人も
新しい自分を発見し
人間として成長していくチャンスとなりました。
そういう点で清瀬こども劇場は、
子どもの育つ地域コミュニティづくりに
大いに貢献してきたと言えます。
にもかかわらず、
全体として、子どもの状況は、
地域社会の人間関係が希薄になり
子育ての孤立化が進む中、
ひきこもり、不登校、虐待
などに見られるようにきびしさを増しています。
そんな中で
清瀬こども劇場が地域で担う役割は、
今後益々大きくなることでしょう。
私たちはこれまでの30年間の活動を踏まえつつ、
芸術文化体験や自然体験・遊びを含めた
生活文化体験等
子どもの成長と社会参画のサポート活動及び、
子どもと大人の育ち合いの場づくりの活動に
一層力を注ぎ、子育て支援を
すすめていきたいと考えています。
これらの事業を通じて、
子どもが、人間的に豊かに成長していける地域づくりと
市民文化の形成に一層寄与していくために、
特定非営利活動法人清瀬こども劇場
を設立することを決意しました。
私たちの活動が
いっそう広がっていくために
今後ともご指導、ご支援を
よろしくお願い致します。
NPO法人 清瀬こども劇場