つうこのなにげない日々

札幌のおいしいもの、あちこちお出かけ、映画、音楽の感想、ボランティア、その他日記風なんでもあり・・・

悲歌 エレジー 中山可穂著

2011-03-29 22:54:45 | 読書感想
隅田川・定家・蝉丸 という能の演目が題名になっています

隅田川は写真家のお話
隅田川ばかり撮り続けている写真家がある日
「ばらの騎士」と名乗る男に出会う

男は隅田川に身を投げて死んだ娘(女二人の心中)の
父親で、隅田川に飛び込む娘さんを救うために
出没している


定家  作家のお話
我王健児という亡くなった作家の伝記を書くため
彼が謎の死を遂げた リゾートマンションにカンヅメになる

夜な夜な我王健児の幽霊が出るというマンションに・・・

その幽霊の正体は・・・?

リゾートマンションの持ち主 米倉信太郎の亡き妻と
我王健児は愛し合っていた

妻の墓にびっしりとはびこる定家蔓

定家蔓が 我王健児の生まれ変わりで何かを伝えようとしている


蟬丸  ミュージシャン(アレンジャー)のお話

主人公 博雅は新婚旅行でアンコールワットを訪れる

現地の子供が、日本人が落としたと思われる
アイポッドを持っている
現地の子供は充電器を持っていないので主人公が預かる

アイポッドを再生して 聞こえてきた歌声は
彼がかって マネージャーをしていた「蝉丸バンド」の
蝉丸のカウンターテナーの声だった

蝉丸(弟)は博雅を愛していた
姉の逆髪(さかがみ)もまた博雅を愛していた

告白することもなく、姿を消す二人・・・