2015年2月24日(火)に北上市内の工場を見学する「ものづくり発見ツアー」を開催しました。
ものづくりに携わる技術者や、企業の先端技術に触れてもらうことで北上で生産される製品に関心をもってもらうことを目的として「株式会社東北イノアック北上工場」、「東北日発株式会社」、「株式会社ユーティーオー岩手工場」の3社を見学しました。今回は18名の方々にご参加いただきました。
<行程>貸切バス移動
【集合】北上市立中央図書館西側駐車場(10:15)、JR北上駅東口(10:30)
【見学①(10:50~11:50)】株式会社東北イノアック北上工場(所在地:北上市相去町山根梨の木43番地137)
【昼食(12:00~13:00)】フラワーホテル北上(所在地:北上市相去町2-26)
【見学②(13:30~14:30)】東北日発株式会社(所在地:北上市和賀町藤根18-25-2)
【見学③(14:40~15:20)】株式会社ユーティーオー岩手工場(所在地:北上市下江釣子12地割164番地3)
最初に訪問した企業は「株式会社東北イノアック北上工場」です。
東北イノアックは・ゴム・ウレタン・プラスチック製品を製造しています。この3つの製品が東北イノアックの3本柱として企業を支えています。
製造工程を見学する前に、担当者から企業の歴史や製品についての説明をしていただきました。
見学した北上工場では自動車関連のプラスチック製品を製造し、トヨタ自動車東日本株式会社へ出荷しています。
生産している部品は、インパネ(車種:アクア)、リヤスポイラー(車種:ラクティス)、サイドマットガード(車種:カローラフィールダー)で一ヵ月で約30万個の部品を出荷します。
東北イノアックは北上工場のほか、宮城県の若柳工場と小牛田工場があり、自動車関連部品のほかに住宅関連(住宅ガスケット)や産業資材(住宅用断熱材)、生活関連商品(自転車用タイヤ)などの様々な製品を製造しています。
東北イノアックで生産している製品の展示
見学の様子
参加者は2班に分かれて見学をしました。
工場内には大きなクレーンが何台かあり、機械によって作業の完了を知らせる音が違います。
よく聞いてみるとディズニーのエレクトリカルパレードのメロディーです。これは様々な機械音が飛び交う工場内でも機械の区別がしやすいようにするためだそうです。
それから、工場内にはたくさんの看板が掲示されていました。
これは「トヨタかんばん方式」という工場生産の運用方式で材料、部品、基材、製品のひとつひとつに背番号がついてあり、その背番号が入った゛かんばん゛で材料や部品の在庫を管理し゛かんばん゛により製品をつくり出荷します。
必要なものを必要な量だけ、必要な時に生産するということを目的としているそうです。
参加者の中には、手作業で作業をしている従業員の手際の良さに感心しながら「ひとつ作るのにどのくらいの時間がかかりますか?」と積極的に質問をしている方もいました。
ウレタン製品のひとつ
このウレタンのボールは機械でウレタンを上下に挟み、削りながら球体にして製造します。
ウレタンの枕
桜の花びらを2枚重ねた形をしている「さくらごごち」という名前の枕の紹介もありました。インターネットで購入できるそうです。
株式会社東北イノアックを見学した後はフラワーホテル北上で昼食をいただきました。
次に向かったのは「東北日発株式会社」です。
東北日発では、タイヤの上でボディーを支える自動車用サスペンションや自動車の座席の骨組みとなるシートフレーム、産業、住宅関連のバネなどを製造しています。
たくさんの建物があり広大な敷地です。
最初に片山社長からご挨拶をいただき、次に担当者から会社概要を説明していただきました。
東北日発のグループ会社は岩手県金ヶ崎町に日発運輸岩手営業所があります。県外では秋田県の日発精密工業横手工場、宮城県の日発販売東北支店があります。見学した東北日発は日発グループの北の拠点となっているそうです。
東北日発で製造している自動車用シートフレームはトヨタ自動車東日本株式会社に出荷しています。自動車のシートフレームもバネの一種で1台の自動車には約4000個にもおよぶ様々な種類のバネが使われているそうです。
見学の様子
工場内では大きな機械音の中でも説明が聞こえるように無線イヤホンを装着しました。
工場案内の説明は、機械の前にモニターが設置されていて、大きな機械がどのような手順で作動しているのかを拡大して見られるようになっています。
なかには機械とは思えないほど、しなやかで動きの速いロボットや床に貼られたテープの上を自動で運搬する自動歩行車(AGV)などがあり、企業の先端技術に参加者の方々はとても驚いていました。
最後に訪問したのが株式会社ユーティーオー岩手工場です。
セーターやカーディガン、ストールなどのカシミヤ製品を製造しています。各工程を手作業で行い、自社で一貫生産している工場です。
製造工程を見学する前に遠藤工場長から会社と製品についての説明をしていただきました。
株式会社ユーティーオーは1992年に東京の青山でニットメーカーとして創業しました。岩手工場は2011年に北上市竪川目に設立し、現在の下江釣子に移転しました。
従業員は平均年齢28歳の若い女性ですが、高い技術をもつ職人です。世界でひとつのカシミヤ製品をつくりあげています。
見学の様子
参加者は手作業による丁寧な作業に製品の品質の良さを感じているようでした。
リンキングという編み目のひとつひとつに針を通す細かい作業では参加者も目を凝らして見学しています。
製造工程はこちらをご覧ください↓↓ http://blog.goo.ne.jp/kitakami-kanko/e/8f6805170418411182df98fbedd061a9
北上ブランドのカシミヤセーターです。
最後に遠藤工場長から参加者の方々にカシミヤの素敵なしおりをお土産で頂きました。
今回のツアーで参加者からは、「市内に住んでいて、こんな会社があったことを知らなかった。業種が違うがそれぞれ高度な技術が感じられた。」「地元の仕事を知ることができる良い機会になった。」「3つの会社の対応が非常に良かった。おもてなしのような気がした。」などのご感想をいただきました。
参加された皆様、工場見学をお受けいただいた「株式会社東北イノアック北上工場」「東北日発株式会社」「株式会社ユーティーオー岩手工場」の皆様、 ありがとうございました。