式辞
桜土手の桜のつぼみがふくらみ、もうすぐ春を感じる頃となりました。本日巣立ちの日を迎えた39名の皆さん、卒業おめでとうございます。本日の式に際しましては、たくさんのご来賓の皆様にご来校頂きました。ありがとうございます。
みなさんは、木次小学校にとっては久しぶりの二クラスの39人。明るく、活発な学年でした。私は。みなさんが3年生の時から4年間一緒に木次小学校で過ごしました。やさしいけど、時々ケンカもする元気な3年生。まじめでおとなしかった?4年生。それぞれの個性が輝き始めた5年生。先生に頼っていた子どもたちが、だんだん自分たちの力で行動できるようになっていきました。6年生になり、リーダ役を任され、一人一人が成長していきました。学年としてのチームワークも抜群で、木次小学校をこの一年間引っ張ってくれました。
「みんなで成長する楽しい学校」になるように、委員会活動やあきば班活動で、みんなが仲良くなったり、お互いの良いところを認めたりする活動を進めてくれました。お陰で、木次小学校は、温かい雰囲気があり、あいさつの声や笑顔があふれる楽しい学校になりました。これは、お互いを思いやる六年生の雰囲気が全校に広がっていったからだと私は思っています。
学校行事でも活躍してくれました。運動会は、「全力で競技!笑顔で応援!」のテーマで、六年生が中心となって各色で練習した成果を発揮しました。競技でも応援でも係の仕事もしっかりがんばり、立派に成長した姿を見せてくれました。
木次っ子発表会は、「折り鶴」というタイトルで、佐々木貞子さんを題材に、劇や創作ダンスや歌で平和についてうったえる感動的な発表でした。
6年生のみなさんは、学習面でも活躍してくれました。総合的な学習の時間では、「仕事の魅力を伝えるプロジェクト」に取り組み、5年生や斐伊小学校の6年生に、ICTを活用して相手を納得させる具体的なプレゼンを行いました。研究会の公開授業では、みなさんのプレゼンテーションの力は他校の先生たちを驚かせました。
また、今年度は、6年生を中心に、子どもたちが対外的にも大活躍した年になりました。
春の市陸上大会では、トロフィーを四つも獲得し、秋のバスケットボール大会でも活躍しました。硬筆コンクールでは、二年連続学校賞、図画展でもたくさん入賞し、全国一になりました。全国プレゼンテーションコンクールでは、六年生が二位、三位に入賞しました。そして、しんぶんコンクールでもたくさん入賞し、学校賞をもらいました。
スポーツや勉強の両面で、木次小学校が活躍できたのは、熱心な先生達の指導だけでなく、まじめに努力できる素直さ、粘り強さとお互いのよい面を認める学級や学校全体の温かい雰囲気が子どもたちや先生たちの中にあったからだと思います。
立派に成長したみなさんに、最後にお話したいのは、(この花)「ハナミズキ」についてです。このハナミズキは、実はアメリカの花です。
木次の花と言えば「さくら」ですが、桜は日本を代表する花でもあります。その桜の花が、百年前に、日米友情の花として、アメリカに送られました。そして、その時、アメリカからお礼として日本に送られた花が、ハナミズキでした。その木が全国に広がったそうです。
アメリカで育った桜は、今では、ワシントンのポトマック川の岸辺で全米桜祭りが開かれ、アメリカの人々を楽しませています。みさなんは覚えているでしょうか。三年生の終わりに描いた「日米友情の絵」のことを。みなさんの絵は、アメリカのその桜祭りの会場に展示されました。
桜のお礼として百年前に日本に伝わったハナミズキが、木次小学校にも3本あります。桜の季節が終わった後の四月下旬に、ピンクや白の花を咲かせてくれています。百年前の友情の気持ちが桜とハナミズキに込められていることを覚えておいてください。
では、「ハナミズキ」のもう一つのお話です。この歌を聴いてください。
空を押し上げて
手を伸ばす君 五月のこと
どうか来てほしい
水際まで来てほしい
つぼみをあげよう
庭のハナミズキ
薄紅色の可愛い君のね
果てない夢がちゃんと終わりますように
君と好きな人が百年続きますように
この歌は、一青窈さんという人が作った歌です。
「果てない夢がちゃんと終わりますように」「君と好きな人が百年続きますように」の歌詞から、平和を願う歌として知られています。
アメリカの同時多発テロで、高層ビルに飛行機がわざとぶつかってビルが崩れ、たくさんの人がなくなりました。そのときのことを思って作られた歌です。繰り返させるテロがなくなり、平和がずっと続くように願って作られた歌なのです。
「友好と平和のシンボル」のハナミズキのことを覚えておいてください。みなさんが木次小学校で学んたふるさとの桜や平和について考えたことを覚えておいてください。39人の絆をずっと忘れないでください。
最後になりますが、保護者の皆様、お子様の小学校ご卒業おめでとうございます。心からお祝いの言葉を申し上げます。お子様は立派に成長されました。きっと、中学校でも活躍されることでしょう。今後、ますますのご成長をお祈り申し上げております。これまで学校に対してご協力、ご支援いただきましたことに深く感謝いたしますと共に、今後ともよろしくお願い申し上げます。
さあ、卒業生の皆さん。羽ばたきの時です。伝統あるたくましい木次小学校の卒業生としての誇りを持ち、胸を張って、、中学校での生活に羽ばたいてください。
以上で、式辞を終わります。
平成31年3月16日
雲南市立木次小学校 校長 若槻 徹