今日の里山体験は、最年少の3ヶ月児さんを含めて
一番大きい子でも4歳児とそのお母さんたち。
ヤギの親子と一緒に歩いてすぐそこの田んぼの畦へツクシ取りへ。
三寒四温の、温の日の今日。
お母さんたちは、子供の寒さを心配することなく
ゆったりと、ゆっくりと歩いたり摘み取ったり。
お一人が、田んぼの真ん中の道で座ったまま、みんなの移動に
ついて来ません。
どこまで遠く離れても視界に入っているくらい広い田園が続く場所。
安心してそれぞれ想い想いに散って行きます。
しばらくして戻ると、そのお母さんが「おっぱいあげてたの。気持ちよかったあ~!」
心も体も開放して風に吹かれて飛ぶ鳥を見ながらお日様の下での授乳。
「人間も生き物ってことを実感するよね・・・。」
戻って今度はカエルの卵を取ります。
わいわいと和やかに過ごしていると、
だんだん畑の端っこでみゃあみゃあと鳴く声が・・・。
まだまだ、先だと思っていたヤギが出産したのでした。
大慌てで母子を小屋へ入れました。
予想もしていなかった新しい命の誕生に遭遇して
暮らしている私ですら、感動と驚きと喜びを心の中で混ぜ合わせているのですから
いらしたみなさんの心には、どれだけの暖かなものが染み込んだことか。
朝の内、なんだか心が疲れているように感じた方もいらしたのですが
この時くらいから、どんどん心がほぐれていく様子。
お昼に餅つきをして、つくしでお菓子を作って森へと案内しました。
今度はハンモックで揺られたり、木に登ったり、ちいさな女の子はずんずん森の奥へと
歩いていきます。
私が後ろをついて歩いて行ったので、町ではきっとこんな時
危ない。どこへ行くの。待ちなさい。戻っておいで。
と、大声で叫び、心に負担がのしかかるところを
まかせてくださって、安心して、
まだ歩けない下の子を抱っこしてお友達と談笑しています。
7歳の娘が帰ってきました。
なぜか年下の男の子に人気のある彼女は
早速、自分も気持ちよく、みんなを荷車に乗せて
何度も、何度も、
ゆるいとは言いがたい坂道を往復しています。
私が心の中で組み立てた時間の流れ。
そんなものは、ほんのひとかけら。
あとは、田んぼを渡る風や、心をも溶かすような暖かさのお日様。
命を感じずにはいられないツクシや仔ヤギ。
ハンモックに揺られて透ける葉っぱに見え隠れする青空。
心の芯まで届くにちがいない澄んだ空気。
たくさんの、本当にたくさんのサポートをもらいました。
木登りを何度もする男の子に
「こんなに、好きだとは知らなかった。」というお母さんに言いました。
「本能は、必ず持っているから。それを発散する機会があれば
その時、ぐっと伸びるんですよ。」
今日の1日で、来た時よりも、うんといい顔でお帰りになったみなさん。
それぞれの暮らしに戻って、周りの人やご家族に、ご自分が受け取った暖かな気持ちを
分かち合ってくれているのでしょうか。
重たい荷物は、たくさんの子供の着替えやベビーカーだけで十分だもの。
心は軽くして、そして、今日の日を終えてもらいたい。
そして私も、また、たくさんのものを受け取らせてもらって
感謝して今日を終えよう。
丸めたお餅を縦に重ねていた3歳くらいだろうか。女の子の言葉が忘れられない。
「何作ってるの?」
「ん?神様のお家。」
確かに、そこにいらしているのを教えてもらい、大切なことに気付かせてもらって
思わず、尊敬の念がわいたのでした。
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