あじくりげ402号 1989年11月1日
料理を作る時、あまり時間をかけるほうではないが、冷凍食品やレトルト食品は、あまり食べない。何となく、多くの添加物が加えられているような気がするのと、味がもの足りない。
夕食に、手間をかけた料理を作る時間がなくて、総菜パックから皿に移すだけの時も、お味嗜汁だけは必ず作る。野菜サラダは手早く盛りつけられるし、チャーハンや野菜炒めなら短時間で調理できるので、よく作る。
それでも時間がない時は、店屋物を取ることもある。
インスタント食品やレトルト食品を、おやつ代わりにすると聞いたことがあるが、おやつというのも大切な栄養補給と思うと、おろそかにはできないから、カステラや果物やプリンを食べる。
女性は誰もがそうだと思うが、スーパーで食材や食品を買う時は、わりと慎重に選ぶ。酸化防止剤や合成着色料などが添加されている物は、なるべく買わないようにしている。もちろん賞味期限も確認する。できるだけ自然の物、手作りの物を買い求めたいと思う。
ただし、冷蔵庫に数日間入れておいただけで、腐ってしまう食品も出てくる。食べ損ねて、もったいないとも思うが、やはり新鮮な物を食べたい。
そんなふうに、食品の鮮度や自然さ、量より質に神経質になってきたのは、最近のことである。
というのは、人間は、食べ物を摂取して、肉体の健康が維持できるだけでなく、精神にも影響を及ぼすと、知人から聞いたからである。
カルシウムが不足すると、苛々したり怒りっぽくなったりするらしい。
過剰な肉食も、荒々しく攻撃的な精神を作る、ということらしい。
化学添加物は、体内に蓄積されて、疲労や無気力さの原因になる。
──と、そんな話を聞いたのである。
人間は、肉体があって、生きているのだ。その肉体の健康と同時に、精神も健康でなければ、幸せに生きて行けない。
肉体と精神の健康のために、できるだけ新鮮で、良質の食品を摂取したい、と考えるようになったのである。
現代の子供たちが、昔の子供たちと違う点で、マイナス面について言われる時、たとえば情報過多時代で犯罪が多いなど、社会のあり方が原因とされるが、その他に食べ物のせいではないかと言う人がいる。
スナック食品や加工食品の摂り過ぎが、成長期の子供たちの精神を蝕んでいると言うのである。
私も、そうかもしれないという気がする。
私が子供のころは、チョコレートやカステラや果物のおやつ以外は、母の手作りだった。今思えば、ずいぶん安全な物を食べていたと思う。
現代は何故、料理嫌いの女性が多いのだろう。子供がいても、そうらしい。毎週、日曜日の昼食に、家族四人分のインスタント・ラーメンを子供に作らせるお母さんがいると聞いて、驚いてしまった。それはそれで、その家庭のあり方だけれど。
毎朝、子供のお弁当を、コンビニで買って来て、ご飯もおかずもそっくりお弁当箱に詰め替えるだけ、という母親の話も聞いたことがある。
私も料理好きなほうではないから、キッチンに立つより、本を読んだりテレビを見たりしているほうが楽しい。
けれども、好きな本を読めるのも、仕事を無事にこなして行けるのも、何とか穏やかな精神状態を保っていられるのも、きちんと食べ物を摂取して健康でいるから――と、そう思うと、一食一食おろそかにできないと思ってしまう。
肉体と精神の健康のために、新鮮で自然なままの食品を買い求めようと、二日に一度は近所のスーパーと八百屋通いをしている。
※ミニコミ誌『あじくりげ』 1989年11月01日掲載

料理を作る時、あまり時間をかけるほうではないが、冷凍食品やレトルト食品は、あまり食べない。何となく、多くの添加物が加えられているような気がするのと、味がもの足りない。
夕食に、手間をかけた料理を作る時間がなくて、総菜パックから皿に移すだけの時も、お味嗜汁だけは必ず作る。野菜サラダは手早く盛りつけられるし、チャーハンや野菜炒めなら短時間で調理できるので、よく作る。
それでも時間がない時は、店屋物を取ることもある。
インスタント食品やレトルト食品を、おやつ代わりにすると聞いたことがあるが、おやつというのも大切な栄養補給と思うと、おろそかにはできないから、カステラや果物やプリンを食べる。
女性は誰もがそうだと思うが、スーパーで食材や食品を買う時は、わりと慎重に選ぶ。酸化防止剤や合成着色料などが添加されている物は、なるべく買わないようにしている。もちろん賞味期限も確認する。できるだけ自然の物、手作りの物を買い求めたいと思う。
ただし、冷蔵庫に数日間入れておいただけで、腐ってしまう食品も出てくる。食べ損ねて、もったいないとも思うが、やはり新鮮な物を食べたい。
そんなふうに、食品の鮮度や自然さ、量より質に神経質になってきたのは、最近のことである。
というのは、人間は、食べ物を摂取して、肉体の健康が維持できるだけでなく、精神にも影響を及ぼすと、知人から聞いたからである。
カルシウムが不足すると、苛々したり怒りっぽくなったりするらしい。
過剰な肉食も、荒々しく攻撃的な精神を作る、ということらしい。
化学添加物は、体内に蓄積されて、疲労や無気力さの原因になる。
──と、そんな話を聞いたのである。
人間は、肉体があって、生きているのだ。その肉体の健康と同時に、精神も健康でなければ、幸せに生きて行けない。
肉体と精神の健康のために、できるだけ新鮮で、良質の食品を摂取したい、と考えるようになったのである。
現代の子供たちが、昔の子供たちと違う点で、マイナス面について言われる時、たとえば情報過多時代で犯罪が多いなど、社会のあり方が原因とされるが、その他に食べ物のせいではないかと言う人がいる。
スナック食品や加工食品の摂り過ぎが、成長期の子供たちの精神を蝕んでいると言うのである。
私も、そうかもしれないという気がする。
私が子供のころは、チョコレートやカステラや果物のおやつ以外は、母の手作りだった。今思えば、ずいぶん安全な物を食べていたと思う。
現代は何故、料理嫌いの女性が多いのだろう。子供がいても、そうらしい。毎週、日曜日の昼食に、家族四人分のインスタント・ラーメンを子供に作らせるお母さんがいると聞いて、驚いてしまった。それはそれで、その家庭のあり方だけれど。
毎朝、子供のお弁当を、コンビニで買って来て、ご飯もおかずもそっくりお弁当箱に詰め替えるだけ、という母親の話も聞いたことがある。
私も料理好きなほうではないから、キッチンに立つより、本を読んだりテレビを見たりしているほうが楽しい。
けれども、好きな本を読めるのも、仕事を無事にこなして行けるのも、何とか穏やかな精神状態を保っていられるのも、きちんと食べ物を摂取して健康でいるから――と、そう思うと、一食一食おろそかにできないと思ってしまう。
肉体と精神の健康のために、新鮮で自然なままの食品を買い求めようと、二日に一度は近所のスーパーと八百屋通いをしている。
※ミニコミ誌『あじくりげ』 1989年11月01日掲載
