金融危機情報のメモ

日々、流れていく情報を忘れないよう、多くの人と共有できるようメモをしていきます

Europe2020 GEAB第31号(2009年1月16日)広報版

2009-01-16 13:44:55 | Europe2020
2ch経済板の有志が日本語に翻訳してくれたものをコピペ。
翻訳は大意は間違っていないかと思いますが、細かな誤訳がある可能性があります。 また、Europe2020では英語で有料版も配信しています。お金がある方はそちらをご利用ください。

英語版
Phase IV of the systemic crisis: The sequence of global insolvency begins
http://www.europe2020.org/spip.php?article586&lang=en

システム危機の第4段階
全世界で破産の連鎖が始まる過程
-GEAB第31号広報(2009年1月16日)

2007年のE2020の広報で、米国の銀行および消費者は両者ともに支払不能の破産状態であると述べた。1年以上前にE2020は、10兆ドル相当の「幽霊資産」が、今回の危機で消滅すると推定した。この2つの広報はその当時、真っ向から反論されていた。

しかし、数か月後には、それが完璧に正しいことが証明された。その延長線で、E2020は世界システム危機の「デキャンティング段階」と呼んでいる第4段階の中で一連の新たな事象が開始したと推定する。

グローバルな破産の連鎖である。GEAB第31号本編では、世界破産の重大な結果について解説している。こちらの広報では、この新たな事象のなかで危機的状況にある問題点を抜粋して記述した。

GEAB第31号では、2009年に起きる20項目の浮き沈みを詳述した。15項目の上昇トレンドと14項目の下降トレンドがあり、本年の状況に懸念と興味を持つ方々のために意思決定と解析とサポートの手段を提供するものである。

政府首脳や中央銀行が広く信じていることとは反対に、未曾有の低金利や大量の紙幣発行により流動性問題を解決しようとしていることが、現在の危機の原因では無く、結果なのである。

流動性が消失する「ブラックホール」を掘るようなソルベンシー問題である。このブラックホールとは、銀行のバランスシートであり(1)、一般家計の負債であり(2)、企業倒産であり、公共部門の負債である。

この「幽霊資産」は低く見積もっても、すでに300兆ドルに達しており、世界は全体的に支払不能の破産状態に今や直面しており、まず手始めに負債が多い国や、組織(公共もしくは民間)や、金融サービス依存型のところから発生している。


世界全体の株式市場の時価総額(単位 1兆米ドル) 出典Thomson financial Datastream, 01/2009


ソルベンシー危機と流動性危機の違いは何か?

流動性危機とソルベンシー危機の差異は、テクニカルな問題であり、現在の危機の進展に関して考えると最終的には決定的な違いはないように見える。

しかし、これは単なる学術的な議論では無い。政府および中央銀行による対策は、危険が伴わないのであれば、有効もしくは効果無しのいずれかである。

単純な例を使って、何が危機に瀕しているのかを理解してみよう。一時的にキャッシュ不足となって、銀行もしくは家族が不足分を貸してくれることになったとしたら、その行為はお互いに有益である。

また働くことで、従業員ないしは自分自身に支払が出来ることになり、銀行や家族も(銀行の場合には利子付きで)負債の返済を受けられる。一般的に言って、経済はプラスの貢献からメリットを得ることとなる。

しかし、もしあなたの問題がキャッシュフローではなくて、経済状況の変化であなたの仕事が不採算となり、今後も黒字化する見込みがゼロだとしたら、貸し手の銀行と家族は危険を抱えることになる。

往々にして、ファンドに出資すると、すぐに第2次の出資要請があるもの。(正直ベースであろうとは思うが)困難な時期はまもなく終わるというからという説明がついてくるのだが。取引銀行もしくは家族が、あなたへの貸出しを増やすと(あなたのビジネスが停止すると、損失額が増えることになるので)、これからも援助を継続したいという気持ちになるものである。

しかし、状況が悪化して収益上の問題が発生すると、限界点に達する時が訪れる。その銀行が、貸し倒れよりも、継続融資の方が損失は大きいと判断する場合である。もしくは家族が、あなたのために貯金全部をはたいてしまったので、無一文となってしまった場合には、あなたが支払不能か破産状態であるということだけではなくて、家族や銀行を巻き込んだことは誰の目にも明らかなことである。

親戚や周囲の企業の経済に深刻な打撃を与えたことになる。ここで重要なのは、あなたは収益力低下を伴う経済の突如の変化による影響など夢にも思っていなかったので、自分としては全く嘘偽りのない行為であったことである。


米国の日々の倒産件数(2006年1月から2008年11月) 出典Credit Slips, 01/2009


上記の単純な例は、全世界の金融システムと、大半の世界経済と、借金による経済成長をベースとしてきた(米国を含む)国の状況を、まさに的確に表現している。

この危機は、全世界の支払不能と破産状態の問題である。世界は、過去10年間に考えていたよりも、はるかに貧乏であるという事実に気付き始めたのである。

2009年は、多くの資産価値がまだ下落中であることを認識し、自分の本当の支払能力を評価しなければならないことになる。また、多くの投資家が、従来の指標や目安が当てにならないと考えるようになる。指標を出しているエージェンシーが、全く信頼できないからである。

米ドルは国際金融単位の作り話であり、多くの国が出来る限り早期に逃げようと努力中である。(6)ということで、世界の金融全体が巨大なブラックホールになったと言える。企業に関して言うと、ここ数週間でリテールの売上落ち込み(9)を見てもわかるように、価格下落にもかかわらずあらゆる部門で契約キャンセル(8)、もしくは購入中止が起きているので、企業の受注残が信頼できる数値であるのは疑わしい。

国のレベル(および地方自治体のレベル)で言うと、国家歳入の落ち込みによって、更なる赤字と破産を招くことになる。例えば、ロシアの億万長者(10)、アラブの石油王、中国のスーパーリッチ(11)、企業の金の卵を産むガチョウ、地球上のあらゆる金融機関(ヨーロッパ、日本、北米(12))が、支払不能の破産状態、もしくはそれに近い状態となる。

米国連邦政府および州政府(ロシアおよび英国も同様)の支払能力の問題は、国際的大メディアで取り上げられ始めている。同様に、過去20年間の世界経済の主要プレイヤーである年金のソルベンシーの問題が浮上している。

注記
(1)
本件については、LewRockwellの資料をもとに、リスク資産総額測定によるTexas Ratioをベースに作成した破産寸前の米銀のリストが有益である。

(2)ニューヨーク連銀が作成した米国(第2四半期)のクレジットカードとモーゲージ滞納の動的マップにより、家計収入と負債規模に与える影響の規模を認識できる。
出典NewYorkFed 2008年12月

(3)全世界の株式市場時価総額の推移は、「幽霊資産」消滅を知る上での指標となる。不動産やその他資産の時価総額の損失を本推定に計上すると、株価の若干の持ち直しも帳消しにされることになる。

(4)従業員、サプライヤー、顧客などはもちろんのこと。

(5)このような状況が国全体で繰り返されると、社会的混乱を招く。実際に米軍は、この危機による社会不安は軍事行動を必要とすると考え始めている。 出典ElPasoTimes2008年12月29日

(6)本件についてE2020は、国際金融機関、特にその統計局に対して推奨を申し上げたい。当方の予想通り国際金融システム崩壊は2009年夏であり、国際金融資産およびフローは甚大なる影響を即座に受けるため、通貨バスケット方式による国際会計システムの構築が急務である。(政治指導者がグローバルバスケット方式を正式決定するまでの間は、例えば米ドル25%、ユーロ25%、円25%、人民元25%とするとか)グローバルな金融システムが再構築されるまでの間に統計の一貫性を保つためには、通貨バスケット方式の構築が、たとえ現在の統計(大半は米ドルベースの計算)のバックアップとしての非公式のものとか、裏帳簿的に記帳したものから派生したものとなっても、急務である。

(7) 「嵐の前の静けさ : グローバルな低迷に備えて」と題するDer Spiegelの一連の記事(12/18/2008)が、ドイツでの危機の様相を理解するのに役立つ。また、ユーロ圏における商品輸送市場の低迷も、本件を象徴している。 出典Libération,01/12/2009

(8)グローバル経済の先行指標としては、産業機械が挙げられる。産業機械は、6か月から1年先の世界の製造業の先行指標となる。建設機械と産業機械の世界二大生産国で輸出国はドイツと日本である。このセクターの生産と輸出の推移は、今後の世界の製造業の行方を知る上で信頼のおける指標となる。2008年10月-11月の日独の機械受注は16.2%下落となった。統計が発表されて以来最悪の結果である。となると、2009年の見通しはかなり厳しいものとなる。 出典MarketWatch,01/15/2009

(9)米国では2009年に、4分の1の小売店が倒産する。 出典ClusterStockAlleyInsider,12/27/2008

Europe2020 GEAB第30号(2008年12月16日)広報版

2008-12-16 13:58:22 | Europe2020
2ch経済板の有志が日本語に翻訳してくれたものをコピペ。

翻訳は大意は間違っていないかと思いますが、細かな誤訳がある可能性があります。 また、Europe2020では英語で有料版も配信しています。お金がある方はそちらをご利用ください。

英語版
Global systemic crisis – New tipping-point in March 2009: ’When the world becomes aware that this crisis is worse than the 1930s crisis’
http://www.europe2020.org/spip.php?article576〈=en


グローバルシステム危機次の転換点は2009年3月
「1930年の危機よりも事態は深刻であることを世界が気付く時」

-GEAB第30号広報(2008年12月16日)

進行中のグローバルシステム危機の今後だが、2008年9月と同規模の新たな転換点が2009年3月に訪れるものとE2020は予測する。一般大衆はその時期に、世界経済において3つの不安定要素が拡大していることに気付く。

・今回の危機の期間
・失業が世界中で爆発的に拡大
・企業年金制度が突然破綻の危機に

心理的要素全体がこの転換点の原因となる。この危機は国内外の政府や公的機関の手に負えないことが、ヨーロッパ、アメリカ、アジアで一般的に認識される。影響度に地域差はあるものの、世界全体が深刻なダメージを受けることになる(GEAB第28号参照)。

「先進国」の数億人の人口に直接の被害をもたらす。実態経済の状況が明らかになるにつれ、状況は更に悪化する。政府および国際機関は、社会的混乱 を巻き起こす深刻なリスクのある次の打撃が訪れるまで3ケ月の猶予しかない。失業増加と年金崩壊リスクに対する適切な対処が出来ていない国は、一般大衆が 遭遇するそのダメージで深刻に不安定化するであろう。

今回のGEAB第30号では、3つの不安定化過程を説明した(その内の2点は本広報にも掲載)。そして、台頭するリスクへの対処法を提言した。ま た本号では、E2020の予測の信頼性を客観的に評価する材料を提供している。使用している分析過程の方法論を詳述した。2008年におけるE2020の 予測的中率は80%であった。社会経済的側面の予測に限ると86%の的中率に達する。大激変の時にあって、この結果を出せたことに満足している。


今回の危機は、少なくとも2010年末まで継続する

米国のマネーベースと米国の経済危機の相関(1910年ー2008年)
出典 セントルイスFRB/ミッシュの世界経済分析

GEAB第28号にて説明した通り、今回の危機は世界の地域毎に異なる影響をもたらす。しかしポイントは、現在の大方の予測(つまり、今回の危機 発生を3年前に否定した専門家、今回の危機が全世界的規模になることを2年前に否定した専門家、今回の危機がシステム危機であることを6か月前に否定した 専門家のことをさす)とは異なり、この危機のデキャンティング段階は最低3年間継続するものと当方は明確に予測する。(1)2009年春に終了することも なければ、2009年夏でもなければ、2010初めでもない。

2010年初めの頃にになって、地域によっては安定し始めて、多少の改善を見るところもある。すなわち、アジア、ユーロ圏、産油国、鉱物資源国、 食糧生産国、コモディディー原産国(2)である。その他地域の危機は継続する。とりわけ、米国、英国、両者に経済的に依存する国は、約10年間の危機が継 続することになる。これらの国は、2018年以前には真の経済成長は望めない。

また、先に述べた2010年末時点の改善についても、高成長の復活ということでは決してない。今回の回復には時間がかかる。例えば、株式市場が 2007年レベルに復活するには10年が必要。復活できるかどうかも定かでは無いが。ウォールストリートが1920年レベルに回復するのに20年間もの歳 月を必要としたことを念頭に置くこと。

しかも、今回の経済危機は1930年よりも深刻で長い。これから3ケ月の間に、一般大衆は今回の経済危機が長期にわたるものであることを徐々に認 識することになる。そして、かかる状況は、社会経済的不安定をもたらす2つの性向を即座に引き起こす。将来不安とリーダーに対する批判増大である。

全ての企業年金制度の突然破綻リスク

特に、米国、カナダ、英国、日本、オランダ、デンマークではこの経済危機の様々な影響を受けて、2008年末以降、年金運用の大損失のニュースがあちこちで報道されることになる。

OECDは、2008年の1年間の年金基金の損失は4兆ドルと推定している。(4)オランダ(5)および英国(6)では、監視組織が年金基金の緊 急の資産再評価と国家介入を要請した。米国では、年金支払の増額と受給の減額の発表が増えている。(7) あと数週間で、これらの年金基金の大多数が損失額計算に着手することを念頭に置いてのことである。

いまだに彼らは、マーケットが改善すれば基金を増やすことが出来ると勘違いしている。年金基金の運営担当、受給者、政府は一同に2009年3月に なって気付くのは、この経済危機は継続すること、そしてベビーブーマー世代の定年退職の時期と附合すること、マーケットは2007年レベルには何年も戻ら ないこと(9)、年金関連セクターが大混乱となること、企業年金の国有化をせざるを得ないことである。

アルゼンチンは、第1号として数か月前に同様の決定を行った。上記の状況は、すでに進行中である。かかる状況の複合要因、および一般大衆が状況を認識することになるので、2009年春に大きな集団心理的トラウマが発生する。

1930年代の経済危機よりも深刻な危機にあり、短期脱出は不可能であることを誰もが認識するのである。世界中の一般市民および政府関係者の集団 心理が、決定的な影響を及ぼして、次の段階の危機の道筋を大きく修正することになる。幻滅の大きさと信頼感の喪失によって、社会的政治的不安定が世界的に 落ち着きをみせることになる。

最後に、GEAB第30号本編では、預金者や投資家や意思決定者が、世界システム危機の次の段階を理解し予測できるように13項目のQ&Aを設けた。

1. 資本主義に影響を及ぼして前回の危機と今回の危機との違いは
2. 1930年代の危機との違いは
3. 欧州およびアジアの危機は米国並みに深刻か
4. 各国政府が実行している現在のアクションは、この危機を克服するのに十分か。
5. 世界の金融システムに現在でものしかかるリスクは何か。この危機の中にあって、すべての預金は同等か。
6. ユーロ圏では、この危機の最悪の局面に対する真のプロテクションは何か。ユーロ圏が、現在のプロテクションを改善する方策は何か。
7. ブレトンウッズ体制(1970年代の最新のバージョン)は現在崩壊しているのか。ユーロはドルに取って代わるべきか。
8. 次回のG20ロンドン会合に期待できるものは何か。
9. デフレは、世界経済に対する現在の最大の脅威か。
10. オバマ政権は、いわゆる「米国大恐慌」を回避できるか。
11. ここ数か月でドルが再び崩壊に向かうという予測だが、ポンドおよびスイスフランは、まだ国際的なステータスを持っているのか。
12. CDS市場は、ここ数か月で崩壊するのか。かかる事象によってどんな影響があるのか。
13. 「米国財務省証券バブル」ははじけるのか。

---------注釈
(1) この危機については、2008年下半期にRobert GuttmannがMaison des Sciences de l'Homme Paris-Nord助成によりWEBで公開した研究を参照されたし。Revues.org
(2) コモディディーが、国際船舶市況上昇の要因となりはじめている。
出典Financial Times,12/14/2008
(3) 企業年金制度が最も発達している国(GEAB第23号参照)。アイルランドも当てはまる。
出典Independent,11/30/2008
(4) 出典OECD,11/12/2008
(5) 出典NU.NL,12/15/2008
(6) 出典BBC,12/09/2008
(7) 出典WallStreetJournal,11/17/2008;Phillyburbs,11/25/2008;RockyMountainNews,11/19/2008
(8) 出典CNBC,12/05/2008
(9) 年金基金で購入された米国財務省証券崩落の影響は重大。 GEAB第30号Q&A参照

Europe2020 GEAB第29号(2008年11月16日)広報版

2008-11-16 14:08:34 | Europe2020
2ch経済板の有志が日本語に翻訳してくれたものをコピペ。

翻訳は大意は間違っていないかと思いますが、細かな誤訳がある可能性があります。また、Europe2020では英語で有料版も配信しています。お金がある方はそちらをご利用ください。

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Phase IV of the Global Systemic crisis: Breakdown of the Global Monetary System by summer 2009

グローバルシステム危機の第4段階
2009年夏までの世界の金融システム動向詳細
-GEAB第29号広報(2008年11月17日)

G20が2008年11月14日と15日にワシントンで開催されたG20は、西側世界、とりわけアングロサクソンによる世界の経済金融支配の独占が終焉しつつあることを端的に示す史実である。

G20のようなサミットは、非効率性を生む結果となるだけである。なぜかと言うと、この会合では、現在の危機の根本問題(米ドルを世界金融システムの唯一の基軸通貨とするブレトンウッズ体制の崩壊など)に対処するのではなく、症状(銀行やヘッジファンドの金融危機、デリバティブ市場の崩壊、金融通貨市場の大幅な変動等)を治すことだけに集中しているからである。

1944年から継承したシステムを2009年夏までに完全にオーバーホールしないと、米国を中心とする現在のシステムの失敗が、全世界規模の経済、社会、政治、戦略の未曾有の不安定性をもたらし、2009年夏までには世界金融システムの崩壊へとつながるであろう。

今回のG20で発表された宣言を見ると、現在の危機のスピードと規模から完全にかけ離れたものである。(1)大惨事が起きるのは深刻に対処すべき根本問題に対してであり、開始する応答の初期(意味不明)に起きる。

4つの主要要因が、ブレトンウッズII(2)体制を2009年中に崩壊に導く。

・米国と英国という主要プレーヤーの急速な弱体化。
・将来の世界統治に対して3つの見方があり、世界の最大プレーヤー(米国、ユーロ圏、中国、日本、ロシア、ブラジル)が2009年春までに分裂する。
・過去10年間の(非)安定化のプロセスが封を切ったように加速化する。
・暴力的な反発がますます増加する。

E2020は、要因1と4については前号のGEABにて広範に説明済み。従って、今号(GEAB第29号)では、要因2と3を中心に解説する。

2008年9月末以来、世界のリーダーたちの動揺ぶりを見ると、パニックが最高潮に達していることがわかる。世界の政治指導者達は、家が火事で燃えていると理解している。

しかし、自明な点をまだ認識していない。家の構造そのものが問題となっていること。消防法の改正をしたり、消防署の組織再編をしたりしたところで、十分ではない。イメージ的にとらえてみると、世界貿易センタービルのツウィンタワーが崩壊したのは、消防官が遅れたためでもなければ、自動消火システムの水がカラになっていたためでもない。数分間で2機の航空機が衝突した衝撃に耐えられるだけの建築構造ではなかったことが原因である。

今日の世界金融システムも、同様の状況にある。ツウィンタワーは、ブレトンウッズ体制である。航空機は、「サブプライム危機」、「銀行破たん」、「景気後退」、「米国大恐慌」等の全連隊である。


大幅変動期の初年度(1900年以降のダウを%で表示) 出典 ChartoftheDCay

崩壊しつつある世界に属する現在のすべてのリーダー達(バラク・オバマも含めて(3))は、この問題への対応策を考えもつかないはず。

それは2006年、2007年時の中央銀行が、危機がどのような展開を見せるのか想像もつかなかったと同じこと。(4)彼らの目、彼らの信念、彼らの錯覚(同じようなもの)、の中で彼らの世界が消失しているのである。

(5)E2020研究チームは、持続可能なソリューション(6)が登場するには、世界のリーダーの2割の刷新が必要であると考える。つまり、根本的な観点の変更を可能とするような「クリティカルマス」が必要であると考える。しかも、階層的な人的集団ではなく、複雑な集団を必要とする。

現時点では、このクリティカルマスには遥かに及ばない。この危機に対するソリューションを見出すためには、新たなリーダー達は、今回の危機特有の性質を完全に認識したうえでポジションにつくことが必要である。

もし世界のリーダー達が、これから3ケ月の間にこの認識に欠けて、これから6か月の間にGEAB第28号で説明したアクションを取らないとすると、米国の負債は2009年夏までに内部で暴発し、米国のデフォルトないしはドルの劇的な下落につながるであろう。

米国の内部崩壊の後、米国ほどに中心的では無い各国(GEAB第28号参照)でも似たような状況がいくつも発生するであろう。例えば、英国であるが、米国と同程度のペースで巨額負債が膨張してる。

(7)FRBが資本不足の現実問題に直面し、サバイバルの危機にひんする前に、FRBの公式認定ディーラー(8)が今回の危機で次々と崩壊してゆくのを目撃することとなったのと同様に、米国は来年、経済面および金融面で米国と密接に統合されていた国々および金融面で依存度が高い同盟国が崩壊してゆく過程を目撃することになろう。


2008年に外貨準備高の高い国(出典 2008年10月 FMI/BRI/Wikipedia

本件に対する欧州の役割は必須である。(10)特にユーロ圏は、ワシントンに対して強いメッセージを送る必要がある。

米国は、過去の「特権」にしがみついていると、2009年には経済金融の落とし穴にはまることになる。世界が、いったんドルを諦めると、交渉をするのは手遅れである。

5500億ドル以上の米ドルを保有するユーロ圏は、中国、日本に次ぐ世界で第3位の保有国であり、アラブ諸国よりも多い。(ロシアの統計は正確ではないので除外) 従って、米国政府に現実を理解させて強制されることが可能なだけの、外交面、金融面、経済面、ビジネス面、金銭面の重みがある。

ユーロ圏以外のEU各国は、通貨、経済の深刻な危機の瀬戸際にあるので、EUは一丸となって進むであろう。ユーロ圏を除くと、非ユーロ圏の見通しは、短中期的にかなり暗い。

実際、ユーロは拡大している唯一の通貨である。気乗りしなかったアイスランド、デンマークなど、もしくは懐疑的なポーランド、チェコ、ハンガリーなどは、ユーロ参加をいまや望んでいる。

(13)時代の趨勢として、フィナンシャルタイムズは、米国の有形資産について掲載を開始した。軍事基地、国立公園、公共施設、博物館など。全て合わせて、1兆5千億ドル、すなわち2009年の予想される財政赤字に相当する額である。

米国政府の保障に依存しながらも、台湾は米国財政赤字の主要3要素の一つの購入を中止した理由もうなずける。ファニーメイ、フレディマックの株式(政府による救済にもかかわらず)。また、日本が米国財務省証券を売りに出していることも理解できる。

E2020の過去2年間の忠告にもかかわらず、ファニーメイやフレディマック、株式市場、米国の大プライベートエクイティバンク、金融機関全般に投資をされた方々は、心配無用。というのも「彼ら」がそれを阻止するので。

しかし残された問題は、「彼ら」がいまパニックに打ちひしがれており、「彼ら」が直面する準備のできていなかった状況について、「彼ら」は何も理解していないこと。GEAB第28号にて説明した通り、2008年は世界システム危機の起爆剤に過ぎない。そしていま、第四段階に入った。結果が露呈する段階なのである。


米国政府のバランスシート(2007年9月)- 出典米国GOA / フィナンシャルタイムズ

---------注釈
(1)これが、リリースされた最終コミュニケ(final communique released)でありフランスのプレス(フランス政府に近いJournal du Dimanche)からの初回の非公式版。ユーロ圏全体のメディアの論調が理解できる。明らかにG20は、今回の危機の沈静化にはならなかった。米国が真の問題対処に合意しないことからして、むしろ懸念を拡大した結果となった。

(2)ゴードン・ブラウンやニコラス・サルコジや、専門外のメディアがどうとらえようが、ブレトンウッズIIは、1970年代に起源がある。1971年に、米国はドルと金のペグをギブアップする決定を一方的に下し、次に1976年にJamaica agreement が締結され、当初のBretton Woodsフレームワークに終止符を打ち、変動相場制に移行した。(ブレトンウッズII)

(3)時期米国大統領は、選挙キャンペーンプログラム(社会保障、インフラ、中流階級の減税等々)の実施を、今回の危機の前ではあるが米国連邦政府が既に多額の負債を負っていた時期に、掲げていた。選挙演説以外では関係ないのであれば、アメリカにとっては完璧なプログラムである。

(4)本件については、GEAB第17号と第18号参照のこと。

(5)中国、日本、湾岸諸国などの多くの国のドル建て準備である。現在の政府首脳は、外貨準備に積み上がった数千億ドルもの金額が、実は額面の5割か3割程度の価値しかないことを想像することが出来ないであろう。次の政治家が合理的な結論を出して、別の世界システムを発明する責務がある。

(6)概念的に関連するものであり、効率的に実施されるものである。

(7)実際、英国の景気後退が深刻なので、2009年のEUの景気後退の大部分は英国の分が占めている。英国はこれから数年間、EUにいる「病人」となるであろう。

(8)FRBの専属公認業者とて認定されている「Primary Dealers」の歴史についてはWikipediaを参照のこと。安定期が数十年続いた後に、プライマリーディーラーが2008年危機で崩壊したことで、公認リストは急激に減少し始めている。

(9)依存している同盟国について申し上げると、パキスタンとウクライナは既にIMFの資金援助を受けているし、トルコの信用格付けは下がる予定。エジプト、イスラエル、コロンビアも、すぐに仲間入りする。

(10)ジョセフ・スティグリッツも、この件については2008年11月11日付Telegraphで指摘している。

(11)ユーロ圏が、深刻な状況に直面していないということはありえない。(GEAB第28号に経済見通しを掲載) しかし、現在進行中の歴史的危機という観点から言うと、米国、英国、またアジアでさえ、来年に直面する歴史的危機と比較するとユーロ圏の状況はマイナーである。

(12)例えば、ラトビアは自国第二位の銀行を緊急国有化したところであるし、ハンガリーはECBとIMFに資金援助を受けているし、ポーランドの成長率は崩壊しているし、デンマークとスウェーデンは2年後にはユーロ圏に加盟する。英国は窮地にある。

(13)出典NRC 2008年11月13日
ドルとのペッグを廃止したいと考える国、もしくは湾岸諸国のように2010年までに共通通貨創設を検討(出典GulfNews)している地域など

(14) 2008年9月22日にファニーメイが発表した第三四半期の記録的な損失(290ドル) を見ると説明がつく。出典Barron’s,10/24/2008;MarketWatch,11/10/2008
2008年11月17日

Europe2020 GEAB第28号(2008年10月16日)広報版

2008-10-16 14:26:18 | Europe2020
2ch経済板の有志が日本語に翻訳してくれたものをコピペ。
翻訳は大意は間違っていないかと思いますが、細かな誤訳がある可能性があります。また、Europe2020では英語で有料版も配信しています。お金がある方はそちらをご利用ください。

英語版 Global systemic crisis Alert - Summer 2009: The US government defaults on its debt
http://www.europe2020.org/spip.php?article565〈=en

グローバルシステム危機警報米国がデフォルト
 -GEAB第28号概要の広報(2008年10月16日)

GEAB第28号では、E2020は新たなグローバルシステム危機警報を発令することとした。2009年夏までに米国政府はデフォルトし、債権者(財務省証券、ファニーメイ株式、フレディーマック株式他)に対しての払い戻しを停止するであろう。

かかる破産は、米ドル建て資産所有者の全員に大きなマイナスを与えることになる。それが引き金となって、「新ドル」の設立し、デフォルトおよび、米国からの大量の資金流出に対処することになろう。

このプロセスは以下の5つの要因から起因する。詳細は、GEAB本紙を参照のこと。

・先日のドル高は、株式市場崩壊の直接的かつ一時的な結果である。
・先日の「政治的洗礼」により、ユーロは信頼にたる「避難場所」となり、米ドルの危機に代替手段を提供する。
・米国政府の負債は、コントロールが効かない程に急上昇している。
・米国実態経済の崩壊が今後継続し、国家デフォルトに対処する処方箋がなくなる。
 ・2009年は米国が、高インフレとなるのか、それともハイパーインフレなのか、それが唯一の残された疑問

今回の危機の今後を見るにあたり、アイスランドのケースを検証してみることとする。

2006年初頭から、E2020はこの件を研究してきた。アイスランドは、米国およびイギリスの進展を計るのに格好な前例である。アイスランドの財政システム崩壊は、国家の経済規模に不釣り合いなことをやった結果であると考えられている。

また、アイスランド人の大半も現在ではそのように認識している。

2003年―2008年のアイスランドのインフレ率(出典 アイスランド中央銀行)

財政的観点で見ると、アイスランドは自国がイギリスであるかのように勘違いしていた(1)、またイギリスも自国が米国であるかのように勘違いしていた、そして米国も自国が世界全体であるかのように勘違いしていた。

それからすると、アイスランドのケーススターディは(2)、今後12か月間の米国およびイギリスを理解する(3)のにきわめて有益である。

 現在の状況は、2つの歴史的現象である。 一つは、2008年9月以来(2008年2月GEAB第22号に記載済み)、全世界はグローバルなシステム危機が進展することを認識していたこと。米国金融システム崩壊と世界への波及についてである。

一方で、米国はこの世界金融システムの中心ではあるが米国が提唱し実施する対策に実効性が無いことを鑑み、世界の市場参加者は自身で独自に行動する方向に動きだしていることである。

まずユーロ圏の出来事(もしくは2008年10月12日(日)の首脳会議では、1.7兆ユーロに近い規模の決定をした。

この規模と性格(4)により、全世界の金融市場からのコンフィデンスを回復した。これが(ポスト2008年9月の世界)の典型例である。


 EUにおける預金保険(出典 AFP 2008年10月9日)

(ポスト2008年9月の世界)は、現実に存在する。2006年6月のLEAP/E2020((5)にて記述した通り、今回の危機の第4段階であり最終フェーズであるデキャンティング段階に既に入ったわけであるが、グローバルなシステム危機の開始月としては、歴史の教科書は先月を起点として掲載することになろう。

大勢の人間が関与する場合には、一般大衆の変化の認識は、かなり遅れた段階でやってくるものである。

 たしかに、2008年9月は、グローバルなシステム危機の「金融の起爆装置」が爆発した月である。2008年の第2四半期は「グローバルなシステム危機のインパクト段階の真っただ中に世界が突入した」時である。

そして、その四半期末には、当危機の「デキャンティング段階」に以降し、ショックの結果は落ち着きを見せる。この段階は、国によって異なるが3年から10年の最長期にわたる。そして多くの人および国に影響を及ぼすことになる。

新たなグローバル均衡の要素が芽生える段階でもある。本件については、以下の図(7)で示したようにGEAB第28号にて、2点のみ紹介している。 2006年以来、繰り返し説明して来たが、今回の危機は1929の危機よりもインパクトおよび結果の面ではるかに重要なものである。

我々は、地球全体に影響する危機の史上初の目撃者であり被害者である。20年間におよぶグローバライゼーションのおかげで、国家間で未曾有の相互依存性が生じている。

また、都市化の進行で生活必需品である水、食品、エネルギーの依存性も過去にない状況である。一方で、1929年の大恐慌とその悲惨な結末は、人々の集団的記憶のなかに鮮明に残っているので、慎重な市民の行動と、先見の明を持つリーダーの存在があれば、大惨事を招くような「再建」を防ぐことができるであろう。

 もちろん、ヨーロッパ、ロシア、中国、日本等が団結して、現在の世界の超大国である米国の進行する内部崩壊が全世界を破滅に導かないようにすることが必要である。

ソ連のゴルバチョフは例外だが、通常の帝国は、自分の権力を行使すれば歴史の流れに逆行できると思って無暗にあがくものである。本来は、その他の主要国が、このプロセスを平和裏に進行させること。そしてその関連国の市民およびリーダーが、明確な視点を持って、これからまさに起きようとする困難に立ち向かうことが必要なのである。


米国預託機関のFRBからの借入(1986年8月1日から2008年10月9日) (出典 セントルイスFRB)

 2008年10月初めのユーロ圏による国際金融チャンネルの「緊急修復」(8)は、3つの根本的問題がある。

・ この「修繕」は、全世界の金融システムをたった数週間で崩壊させてしまう危機に瀕したパニックを納めるために必要であったが、単に症状を一時的に抑えるだけの作用しかない。

せいぜい最長で2-3ケ月程度の若干の時間稼ぎとはなった。グローバルなりセッションと米国経済の崩壊(上記の図は、米銀によるFEDからの膨大な借入増を示している)は加速化し、経済・社会・政治の各分野で新たな緊張を作ることになる。

本件は早急に認識され、来月早々にも対処が必要となる(「金融対策」が実行された後即座に)

 ・膨大な金融手段が「緊急対策」のために世界中に投入された。

しかし、グローバルなリセッションに直面して実態経済の要因で信用システムが失墜するために、これらの投入した金融手段は回収せざるをえなくなる。

・この「緊急修復」は、更なる周辺化現象をもたらす。従って、米国の弱体化につながる。これは、ポールソンとバーナンキが提案した7000億ドル投入を承認するために米国政府が提唱した内容とは反対の方向に向かうプロセスが設定されていることになる。

その投入内容とは、政府による銀行の資本増強(ポールソンの意思決定が実行に移される)および銀行間融資保証(実際には、ユーロ圏の政府は、ここ数十年間で世界金融の中心であった米国の産業となっていたクレジット保険会社の代わりをつとめている。)などである。

米国がますます依存度を高める政府負債(9)および民間負債は爆発的に増大しているので(むろん年金は雲散霧消している(10))、かかるトレンドはますます米国離れを加速し、意思決定と金融の流れが米国以外に移る流れが出来あがる。

 上記の最後の件があるために、今回の危機およびその結果(金融、経済、社会、清司)に対する対応策が、ますます多岐にわたることになる。つまり、米国以外の世界にとって都合が良いことは、米国にとっては都合が悪い(11)ということである。まずユーロ圏が先行して自分の考えで独自に意思決定するべく決意いるようであり、それ以外の各国も同様である。

2009年夏の米国の突然のデフォルトがショックを引き起こすのは、世界主要国が米国と意思決定をデカップリングしたことに一部起因する。グローバルプレーヤーが本件をきちっと予見することにより、ショックを予測し緩和することができる。実は、それが今回のGEAB第28号の目的の一つでもある。先の9月ショックは世界中の政治家、経済界、金融、政策決定者に対して教訓を与えたものと我々は期待している。パニックに陥らずに、予測に基づいて行動することが肝要であるとご理解していただきたい。

もしユーロ圏、アジア各国、産油国、もちろん米国民も、2009年の夏の週末もしくは祝日の翌日の朝目覚めたら、米国財務省証券やドルが「新ドル」導入によって10%の価値しかないと知ったら哀れなので。

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注記 (1)アイスランドは、米国およびイギリスが提唱して実行した、経済規制緩和および金融化の原則を10年前に採用した。こうして英米映画のオースティン・パワーズのキャラクターのように、レイキャビクは英国政府および米国政府のミニミーとなった。この3カ国は、「牛のように大きくなりたがったカエル」が不幸な結末を迎えるイソップ物語の金融版を演じている。

 (2)アイスランドの株式は、パニック「回避」を目的に数日間の取引停止の後、76%も暴落した。 出典 MarketWatch 2008年10月14日号

(3)英国政府が発表した金融対策の金額は、銀行への資本注入の640憶ユール込みで6400憶ユーロで、さらに当該銀行の負債返済に3200ユーロ投入(出典 2008年10月9日付ファイナンシャルタイムズ)。不動産価格の急落、インフレ昂進、キャピタルベースの年金は雲散霧消、ポンド安、政府債務の増加などの経済状況下で、この金融対策でイギリスの銀行を「救済」出来るとは考えにくい。ユーロ圏の銀行と異なり、イギリスの金融システムは米国とものと全く同じであり、今回の危機の張本人であり、巻き添えを食ったわけではない。ゴードン・ブラウンは、自身をチャーチルとルーズベルトと肩を並べる人物と思っている。(出典 2008年10月14日 テレグラフ) 歴史を知らないのであろうか。チャーチルもルーズベルトも大恐慌への対処を迫られた時には、すでに10年間も政府に在職していたことをブラウンは忘れているのではないか。ポールソンもバーナンキも問題の張本人であり、問題を解決しているわけではない。チャーチルやルーズベルトは、ヤルタ会談やテヘランサミットを主催し、そこではフランスもドイツも部屋の外で待機させた。現時点でユーロ圏サミットをやる時にはブラウンが部屋の外で待機させられるであろう。

(4) 出典L'Express 2008年10月13日
(5)出典 GEAB N°5 2006年5月15日
(6)出典 GEAB N°26 2008年6月15日

(7) E2020は各国を6つのグループに大別して、今回の危機のインパクトを世界地図を用いてデキャンティング段階の予測を行った。2008年から2013年にかけての金融、経済、社会、政治の4分野で予期されるスケジュールを論述した。

(8)世界的パニックのスパイラルを鎮めたのはユーロ圏である。数週間にわたる英米の各種対策は、なんの効果も示していない。新たな集合体である「ユーロ圏サミット」の台頭および同サミットが行った広範囲の意思決定が、事態を新たに沈静化させた。それだからこそ、6年前のユーロ発足以来、英米政府は組織的に、かかるサミットを阻止してきたのである。イギリス首相が排除されているという印象を本人に与えないために、(事前会合と会議後のグループ写真他で)単なるジェスチャーをしただけのこと。実際は、イギリス首相がユーロ圏サミットに出席する理由は無いが。E2020の本版の正式版には、第一回ユーロサミットの減少および長期的影響について記述した。

(9)今回の米国の金融救済計画により、米国民の借金は一人当たりUS$17,000増加した。 出典 CommodityOnline 2008年10月6日

(10) 2兆億ドルの米国の私的年金が、この2週間で喪失した。 出典USAToday 2008年10月8日

(11) 短期的には少なくともその通りである。ワシントンとNYが支配している現在のシステムが根本的に再評価されるのであれば、中長期的に考えると米国国民にとって本件は悪い話ではない。このシステムは、米国を劇的な問題へと誘った。2008年10月11日付のニューヨークタイムズの記事にある通り、数千万人の米国市民が現在苦しんでいる。

(12)米国の破産と比較すると小規模の話ではあるが、金融市場で投資を再開しようと検討されている方々は、ニューヨーク証券取引所は、格付けの崩壊による全てのサーキットブレーカーの閾値を変更したことを知っておくべきであろう。
出典  NYSE/Euronext 2008年9月30日  Jeudi 16 Octobre 2008 In the same category: Global systemic crisis – End of 2008: Pension funds go off the rails -06/10/2008 The decisive six months to avoid a global recession: Five strategic advices for central banks, governments and other regulatory authorities -30/09/2008 LEAP/2020: Global systemic crisis September 2008 - Special announcement -24/09/2008 SEQUENCE 6 - 'Very Great Depression' in the US, social unrest and army's growing influence on public affairs (2nd quarter 2007 – 4th quarter 2009) -24/08/2008 Traffic Info LEAP/E2020 - May 2008 -12/05/2008 Special offer! Each new subscriber gets Special Edition 'GEAB/SUBPRIME CRISIS: Causes, development, consequences and strategic advice'... because an in-depth understanding is required to secure oneself -12/08/2007 GEAB Archives Offer (1) - Six archive issues of your choice for 50 euros -22/01/2007 French prospectivist, Pierre Gonod, analyses LEAP's work of anticipation -30/08/2006