氣まぐれ剣士の言いたい放題

氣まぐれ剣士が剣道その他を思うままに書いています。
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211 植福

2005-09-21 21:06:38 | Weblog
気まぐれ剣士の言いたい放題

211 植福

 現在の自分がどんな境遇にあるにせよ、過去に自分で蒔いた種が芽を出し、今のあなた自身の環境を創り出しています。過去を書き換えることはできませんが、未来を創り上げることは誰もができることです。今から、よい種を蒔けばいいことなんですね。

 幸運の女神を呼び込むためには、女神の好むところを知って、その原因を創ることだそうです。そのためのひとつが「植福」です。

 太宰春臺の「産語」に次のようなものがあるそうです。
 中国の衛という国の君が蒲という処に出かけた時、はあはあと息を吐きながらうずくまって、松の木の苗を植えている老人を見ました。

 衛君 一服してはどうかね。お前はなぜそんなに苦労して松の苗を植えているのか。
 老人 家の棟や梁の材木を造ろうと思って植えているのでございます。
 衛君 お前はいくつかね。
 老人 八十五でございます。
 衛君 この松が立派になって、お前が役立てられると思うかね。(笑)
    (老人は植えるのをやめ、衛君を仰ぎ見て)
 老人 樹木が役に立つようになるのには百年を待たねばなりません。
    殿様あなたは、ご自分の世に用いようと思われるのですか。
    ああ、国を治める方のお言葉とは思えません。私は老いぼれて死も近づいております。
    ただ子孫の暮らしのことを思わずにはおれません。
 衛君 (衛君は大いに恥じて)私は間違っていた。お前のそのよい言葉を先生としよう。
    (心から感謝し、酒と食事をもって労ったのであります) 
 

 この爺さん、偉いですね。ツメの垢でも煎じて飲まなければいけませんね。「植福」は幸運の女神に好かれる条件なんですね。
 あなたは子孫に何を残せますか。
 
 気まぐれ剣士は、何も残せそうにありません。せいぜい残せるのは借金ぐらいなものですかね。
 次回もお楽しみに。
以上