気まぐれ剣士の言いたい放題
211 植福
現在の自分がどんな境遇にあるにせよ、過去に自分で蒔いた種が芽を出し、今のあなた自身の環境を創り出しています。過去を書き換えることはできませんが、未来を創り上げることは誰もができることです。今から、よい種を蒔けばいいことなんですね。
幸運の女神を呼び込むためには、女神の好むところを知って、その原因を創ることだそうです。そのためのひとつが「植福」です。
太宰春臺の「産語」に次のようなものがあるそうです。
中国の衛という国の君が蒲という処に出かけた時、はあはあと息を吐きながらうずくまって、松の木の苗を植えている老人を見ました。
衛君 一服してはどうかね。お前はなぜそんなに苦労して松の苗を植えているのか。
老人 家の棟や梁の材木を造ろうと思って植えているのでございます。
衛君 お前はいくつかね。
老人 八十五でございます。
衛君 この松が立派になって、お前が役立てられると思うかね。(笑)
(老人は植えるのをやめ、衛君を仰ぎ見て)
老人 樹木が役に立つようになるのには百年を待たねばなりません。
殿様あなたは、ご自分の世に用いようと思われるのですか。
ああ、国を治める方のお言葉とは思えません。私は老いぼれて死も近づいております。
ただ子孫の暮らしのことを思わずにはおれません。
衛君 (衛君は大いに恥じて)私は間違っていた。お前のそのよい言葉を先生としよう。
(心から感謝し、酒と食事をもって労ったのであります)
この爺さん、偉いですね。ツメの垢でも煎じて飲まなければいけませんね。「植福」は幸運の女神に好かれる条件なんですね。
あなたは子孫に何を残せますか。
気まぐれ剣士は、何も残せそうにありません。せいぜい残せるのは借金ぐらいなものですかね。
次回もお楽しみに。
以上
211 植福
現在の自分がどんな境遇にあるにせよ、過去に自分で蒔いた種が芽を出し、今のあなた自身の環境を創り出しています。過去を書き換えることはできませんが、未来を創り上げることは誰もができることです。今から、よい種を蒔けばいいことなんですね。
幸運の女神を呼び込むためには、女神の好むところを知って、その原因を創ることだそうです。そのためのひとつが「植福」です。
太宰春臺の「産語」に次のようなものがあるそうです。
中国の衛という国の君が蒲という処に出かけた時、はあはあと息を吐きながらうずくまって、松の木の苗を植えている老人を見ました。
衛君 一服してはどうかね。お前はなぜそんなに苦労して松の苗を植えているのか。
老人 家の棟や梁の材木を造ろうと思って植えているのでございます。
衛君 お前はいくつかね。
老人 八十五でございます。
衛君 この松が立派になって、お前が役立てられると思うかね。(笑)
(老人は植えるのをやめ、衛君を仰ぎ見て)
老人 樹木が役に立つようになるのには百年を待たねばなりません。
殿様あなたは、ご自分の世に用いようと思われるのですか。
ああ、国を治める方のお言葉とは思えません。私は老いぼれて死も近づいております。
ただ子孫の暮らしのことを思わずにはおれません。
衛君 (衛君は大いに恥じて)私は間違っていた。お前のそのよい言葉を先生としよう。
(心から感謝し、酒と食事をもって労ったのであります)
この爺さん、偉いですね。ツメの垢でも煎じて飲まなければいけませんね。「植福」は幸運の女神に好かれる条件なんですね。
あなたは子孫に何を残せますか。
気まぐれ剣士は、何も残せそうにありません。せいぜい残せるのは借金ぐらいなものですかね。
次回もお楽しみに。
以上