「五キロ」は好き?

最近、ぼくは痩せたみたい。
誤解を恐れずに言うと、ぼくは生まれてこのかた「痩せたい」「太りたい」と思ったことはない。
男の子だし、別に体が資本な生き方をしてこなかったし、つまりは自分の体・体つきに対して一切の興味がなかったの。

三ヶ月で五キロ近く痩せたけど、でもってやっぱりそんなことには微塵も興味はないけど、ただ気になるのは、その五キロはどこにいったのかしら?ってこと。
五キロって、新生児よりも重い。

三ヶ月前までは自分の体の一部だった重さが、今はない。
失って気づく愛おしさ。
たとえ、今から五キロ太っても、その五キロは以前の五キロちゃんじゃなくて、他の違う誰か。

その違う誰かをまた愛することができるかしら。
ちょっと我儘な子だったらどうしよう、ちょっとエッチな子だったら、ちょっとか弱い子だったら?
そんな違う誰かを愛せるかどうか、試すためにまた少し太ってみようと思う。