宮古島の特産品のひとつが琉球石灰岩、トラバーチン。
各景勝地の入り口にその地名が書いてある岩に使われている。
トラバーチンは、温泉、鉱泉、あるいは地下水中により生じた
石灰質化学沈澱岩で多孔質、縞状など、多様な構造を持つ。
温泉沈殿物や鍾乳洞内の鍾乳石類、あるいは石灰分の多い河川沈殿物などで
できている。
石材業界の大きな分類の中では大理石にカテゴライズされる。
説明書きを見てもあまりよくわからないが、
宮古島自慢のひとつである。
しかし、正確には「沖縄のトラバーチンは偽物だよ。」
といえば叱られるかも知れない。
じつは、本物のトラバーチンに似ていることから
「トラバーチン」と呼ばれているだけ。
本物のトラバーチンは、温泉に溶けていた石灰分が沈澱して、
いくえにも積み重なって出来た物。そのため推積層を垂直に切断すると、
切断面に美しい模様が現れる。
産地としては、イタリアのチボリ地方が有名で、
コロセウムなど、古代ローマ時代の遺跡にはほとんどこれが使われていて、
現在もビルの内装材として世界中に輸出されている。
だったら宮古島のトラバーチンはいったいなんなのか?
それは、琉球石灰岩が、地下水や空気の作用で再結晶して
固くなったもの。やはり、その断面が美しい模様を描いていることから、
俗にトラバーチンと呼ばれるようになったそうだ。
沖縄各地のリゾートホテルの装飾材料としてもよく使われている。
有名なのは国会議事堂の玄関にも宮古島のトラバーチンが使われている。
しかし絶対量が少なくてかなり貴重な装飾材料となっているそうだ。