沖縄では、立冬の頃に暑さがぶり返すことを、
旧暦の10月頃暑さの表現として
十月夏小と書いて「ジュウガツナチグヮ」と呼ぶ。
グヮーとは小さいという方言で、夏の子供という意味。
今月6日沖縄本島那覇空港では30.7度を観測し
10月上旬の気温となった。
西表島でも30.4度を観測。
沖縄県内の真夏日は2017年以来だそうだ。
11月10日下地島空港で30.5度、
7日は、那覇、宮古、八重山で30度を超える暑さ。
本土では木枯らしが吹く頃に暖かな気温の日が
数日続く日がやってくる。
それを昔の人は小春日和と表現した。
沖縄は春より暑いので「夏」と表現する。
八重山の竹富島では、ちょうどこの時期に
「種子取祭」方言で(タンドゥイ)という
古くから伝わる祭事があるそうだ。
その祭事が行われる日には南風が吹き夏のような気候になるという。
この南風のことを「種子取南風」と書いて
(タンドゥイヌーフェー)と呼んでいるそうだ。
10月半ばに夏の終わりを告げるように強い北風が数日間吹く。
そしてそのあとに夏を取り戻したかのように戻り夏がやって来る。
若い頃、この戻り夏に浮かれていると老練のオジィ漁師から
「風に貸し借りはないさぁ」と言われた。
あの頃は、オジィの言っている言葉の意味がわからなかった。
あれから何十回と新北風、戻り夏を経験して、そして最近になって、
ようやくその意味がわかるようになった。
「風に貸し借りはない。」