旧暦5月4日は、漁港でハーリーが行われる。漁村で行われる大きなお祭り。
翌5日は、縁起の良い奇数の並ぶ5月5日、沖縄では甘菓子を作って
ヒヌカン(火の神様)や仏壇に供えて厄を祓い健康を祈願する。
甘菓子は小豆と緑豆と押し麦を黒砂糖で味付けしたぜんざい。
ほどよい甘さで栄養価も高く、大人も子供も喜んで食べた。
オバァは「豆は身体のクーラーよ。」と教えてくれたが、緑豆には体内の熱を取る
効果があるといわれ、漢方薬にも利用されている。
これから暑さが厳しくなる沖縄にピッタリの食べ物である。
この甘菓子に欠かせないのが菖蒲。沖縄の菖蒲は「ニオイショウブ」
と呼ばれるもので噛むとシナモンのようなさわやかな香りが
口いっぱいにひろがる。抗菌作用のある植物で、これをスプーンがわりに
使って甘菓子をいただくのが沖縄スタイル。
暑さに向かう季節に起こりがちな食中毒の予防をしていたのだろう。
子供の頃は銭湯に通っていた。風呂のある家は当時少なかった。
冬至の日には湯船に柚子の浮かぶ柚子風呂。
端午の節句は菖蒲の葉っぱが浮かべてあった。
あの頃は気にもしていなかったが、今は思い出の中で懐かしい。