うんたま森のキジムナー

チュー太郎

深い海底から突起した山のような、
水深が浅くなる場所を漁師は曽根と呼ぶ。
潮流によって海底の山を駆け上るように
プランクトンが吹き上がり、そのプランクトン
を餌に小魚が集まる。小魚が集まれば、そこに
植物連鎖がおこり、大きな魚などが集まる魚場に
なるわけだ。宮古島近海で有名な曽根は、
沖縄本島と宮古島の中間に位置する「宝山曽根」で
深海から突き出た海底山脈が浅いところで
水深約20m。宝の山と呼ばれるくらいな場所で
昔は、溢れるほどの魚が捕れたそうだ。

宮古島から足の速い船で約4時間、潮流も早く釣り
には行ったことがあるが、潜ったことはない。
宮古近海にも「曽根」と呼ばれる場所はいくつ
かある。そのような場所を知るにも、昔は漁師の
経験と感が頼りであったが、現在は詳しい海図と
航法装置によって正確に船を泊めることができる。
それまでは経験の豊富な漁師の話を色々と聞いて
から、そのような場所を教えてもらったけれど、
機会の方がより正確で老練の漁師の昔話を聞か
なくても良いのだ。

海図からはじき出した、以外と近くにある今だに
潜ったことのない曽根に漁に出た。誰も潜った
ことがない場所だから、大漁に胸を弾ませて海に
飛び込むと、透き通るような透明度に花畑の
ような珊瑚礁が広がる。2~3匹の魚を捕ってから、
ふと横を見るとまるで潜水艦のような見たことの
ないサメが襲いかかってきた。あわてて船に戻り、
翌日、漁協でこの話をすると、古い漁師達は
「あそこはチュー太郎の縄張りだから漁はでき
ないぞ」と言われた。一本釣りの漁師もチュー太郎と
呼ばれるサメに魚を捕られて漁にならないそうだ。
サメに名前がついているのもおかしな話だが、
最新の機械だけに頼らず、古い漁師の昔話にも
耳をかたむけて経験を積むのがよさそうだ。

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