うんたま森のキジムナー

アバサーオジィ

口が一つで、耳が二つあるのは、自分が話す
よりも人の話を倍聞くようにと人間を
作った神様が作ったそうだ。
私の場合は逆のほうがよかったのかも・・・
宮古島では同じ苗字、同じ名前が多いので、
呼び名(あだ名)で呼ぶことのほうが多い。
パイナガマビーチの前を歩いていると、
後ろから来た車の急ブレーキの音で
振り向いた。事故かと思ったら、私に
気づいて止まったらしい。
車の窓から顔を出したのは、通称アバサーオジィ!

ハリセンボンの事を沖縄ではアバサーと
言うが、おしゃべりの人の事もアバサーと
言う。わざわざ車からおりてきて、
「久しぶりだなぁ~1年ぶりくらいじゃないか」と
話かけてきた。「仕事がないから、今から釣りに
行って晩ご飯のおかずを仕入れてくるさぁ」
この会話だけで終われば普通のオジィ、でも
このオジィはアバサーと呼ばれるほどの
おしゃべり好き。

「実はよ、去年からまったく仕事がないさぁ」
「チョット待って、仕事の途中で急いでいるからね」
と急いで向かう先もないのに走って車の入れない
横道にむかって走ってしまった。
1年分の話を聞かされでもしたら大変だ。
ある人が「人は、時につきたくない嘘をついたり、
突然、思わぬ行動をするものだ」と
言う話を聞いたことがあるが、まさか自分が・・・・


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