飲む機会が多くなると「ソバがよく売れるさぁ」と
食堂のオバサンがいってた。
疲れた胃に、チャンプルーは、確かにチョトキツイ!
昔の沖縄ソバのだし汁は、醤油をたっぷり入れた、
真っ黒いものだったそうだ。
ところが、昭和のはじめ頃、那覇の「ゆたか屋」と
いうソバ屋が白いだし汁のソバを売り出した。
見た目にもおいしそうな白いだし汁は那覇じゅうの
評判となり、大勢の客が詰め掛けた。
客を奪われた、ライバルのソバ屋は、そのだし汁の
白さの秘密を探るためにやっきとなり、白い醤油を
使っているという噂を聞いて、当時、はるか大阪
まで海を渡って探しに行ったソバ屋の主人もいたとか。
この白いだし汁を考え出したのは「ゆたか屋」の
女将さん。それまで醤油八分・塩二分にしていた
割合を、醤油二分・塩八分にした。
つまり醤油ソバから塩ソバに味を変えただけ。
まだこの当時は、今のように豚や鳥からだし汁を
とっていなかったそうだ。
ソバのだし汁は、よく似た味でも、ソバ屋の
企業秘密である。カツオ出し・豚・鳥からだし汁をとるが、
その分量、割合はトップシークレット。
透明感が売りの「くになか食堂」のソバのだし汁は
一枚のレタスにその秘密があるといわれている。
