沖縄では白い砂糖はほとんど使わない。沖縄で砂糖と呼ばれるのは黒糖のこと。
料理には黒糖が使われる。
歴史を見ると1623年、沖縄で初めて黒糖が製造されたそうだ。
白糖と黒糖の違いは、サトウキビやその汁に含まれる香り、色、味、
そして栄養分を全て取り除いて純品にしたものが白糖である。
黒糖には、白糖にはまったく含まれないカルシウム、鉄、カリウムを
はじめ、微量成分としてのマグネシウム、銅、亜鉛、マンガンなどの
ミネラルが含まれている。
カリウムについては興味深い研究データがある。
青森県では食塩摂取量が高いわりに高血圧者が少ない。
これはリンゴに含まれているカリウムが起因しているそうだ。
沖縄県も以前は高血圧者が少なかった。
長寿県といわれた頃は、黒糖を摂取しているからという人もいた。
黒糖と健康との関連については動物実験で黒糖中に血清中のコレステロールや
中性脂肪を下降させる成分があることがわかっている。
最初はなかなか黒糖に馴染めなかったが、今は黒糖だけを使っている。
沖縄のオジィ、オバァたちは、サトウキビの搾り汁を煮詰めるとき
上澄部分の「砂糖油」といわれるものを農作業で荒れた手に
塗ったそうだ。
効果のほどはわからないが、料理以外でもいろいろな使い方をしている。