映画で見た蛍の墓。 戦時中の幼い少女とその兄の物語。
戦時下、両親と死別し、兄とまだ幼稚園児程度の妹。この二人で生きていかねばならなくなった。 身寄りがなく、親戚のおばさんに世話になるも、どこも食べていくのに必死で、生活の余裕もなく、この二人は親戚の家でも冷たく扱われ、ついには飛び出して、原野の洞窟のようなところをネグラにするが、食べ物もなく、妹は病気にかかり、医者にもかかりようがない。最後は妹は餓死状態であった。兄弟愛を見事に演じていると同時に、世間の実態、実相というものをよく著している。 みんな自分が一番可愛いのである。 露骨に本能で生きていく状態に追い込まれた時、人間は本性をむき出しにする。 人の面倒をみるなんてしないのであることがよ~くわかった。 この映画はテレビでも数度見たが、 いつもいつも涙、涙で実に悲しい。やりきれない。切ない。つらい。 自分の育った環境に実によく似ているのである。思い出しては涙。他人の見ていないところで涙。本当に悲しい。
時代が生み出した悲劇にしては、残酷すぎる。 幼い少年、少女には何の罪もないから、余計に悲しい。大人は、自分達が造った国家、自分達の意思というものがある程度あるにしろ、子供には何の罪もないのである。 にも拘わらず、いつの時代にも被害を受けるのは子供達。 食べるもの、着るものも、学校にいくのも、総てが叶わないとしたら、どうすればいいのか。 何の不自由もなく生まれ、育った人達には、つゆほどもわかるまい !。 幼い時に、両親と生死にかかわらずハグレルことがどれほど残酷なことか、恐らくわかるまい!。
この蛍の墓という映画は、自分の代弁者のような気がする。 これを書きながら涙を流す自分はいったい何なのだろうか。
自分史というものを、絶対に封印したくはない! 必ず、小説でもいい。世の中の人に知ってもらいたい。 世の中、こんな思いをしてきた少年がいるんだということを解ってもらいたい一心で。その機会を伺いつつ、いつ書こうか,機は熟しつあるといのに。