七曲峠を上り、みはらし荘に着いた。
横手盆地と奥羽山脈が一望できる、まさにみはらし荘。
ニコンの望遠鏡が据え付けてあって、高松岳の避難小屋が見えた。
帰り、小さなダムに寄った。
水はほんのちょっとしかなかった。
ツレはゆるい傾斜をどんどん底へ下りて行った。
短い木の幹がぽつんぽつんと、釘のようになって立ち枯れていた。
なにか荒涼として、別の惑星みたいだった。
木の化石を見つけた。
一つは白くてまるで枯れ木なんだけど、確かに石で、石の幹の隙間に石英の層があった。
一つは石炭みたいに黒くて、白い岩にサンドされている。
黒い化石に石英の塊が埋まっていて、ところどころ金色に光った。
どんな木が、どんな時間を経て、今ここに出てきたのか。
ルーペでのぞくと、小さな隙間の奥にごく小さい結晶洞があったりして、
小さい石もこんな宇宙を含んでいることに気の遠くなる思いがした。