北信越BCリーグ2試合目を観戦してきました。球場は新潟市営鳥屋野野球場(現:新潟市鳥屋野運動公園野球場)。いや~懐かしい。ここを訪れるのは高3以来14年振りです。‥‥かつての印象にそこはかとない不安を持ちつつも入場し観戦してきました。
以下は恒例写真レポートとなります。

鳥屋野球場正面から。14年の時を経ても、変わっていませんでした。上記の通り球場名は変更されたのですけど看板は以前のまま。高度経済成長前に建造され、成長に取り残され風化を重ねてきた無味乾燥さを感じさせます。 ちなみにナイター設備などありません。

今日の試合前アトラクションは新潟市の郷土芸能である「万代太鼓」。樽太鼓に特徴があります。

今日の始球式。バスケットボールbjリーグの新潟アルビレックスBBから。会場アナウンスでははっきりと「兄弟チーム」と紹介しておりました。

新潟の先発は宮本晋伍。2回までは無難な投球を見せていましたが、3回に突如制球を乱し、押し出しで失点。その後何とか立ち直りかけるものの、5回には四球でランナーを溜め交代。3回以降はリリースポイントがばらばらで、ボールが手を離れた瞬間にボール球だと分かります。しっかりと指にかかったボールは悪くないだけに、恐らく握力が弱いのではないでしょうか。 (今日の新聞報道を見てみると、「四死球を出してはいけない」とプレッシャーを強く感じたともあり、精神面にも課題がありそうです)

一方の石川ミリオンスターズの先発は渡辺孝矢。常総学院卒ということで期待の若手といったところか?まずトップを決めてから投げ込むピッチングフォームは、横浜の川村丈夫に似ていますね。左手が有効に使えておらず手投げ気味ながら、アルビレックスの早打ちにも助けられ、7回を2失点とまとめます。7回はスタミナ切れか。

アルビ2番手は藤野仁。「とりゃあ」とか「よっしゃ」と叫びながら投げ込むピッチングフォームが印象的ながらも、これが気合だけに頼らずなかなかまとまりがあります。特にスライダーは再三際どいコースを突いており、もう少し長いイニングでの投球を見てみたいと思わせます。

石川の監督は金森栄次。現役時代のキャラクターからは監督としての姿が想像出来ませんでしたが、考えてみたら「PL学園」から「早稲田大学」に「プリンスホテル」と歩んだ軌跡は野球の名門コース。理論派といわれるのが分かります。理論派で場を盛り上げる才能があるとなれば、監督に最も向いているのかもしれません。

先に試合結果から。砂塵が舞い度々試合が中断するものすごい強風の中、今日もアルビレックスには良いところがありませんでした。四球は減ったものの(それでも先発で6個、3投手で計7個)、エラー4つと守乱で全くいただけない。四球もエラーも共に満塁の肝心なところで。体で止めなきゃ体で。
まぁここまではよいのですが(良くないけれど)、今回私が皆様にお伝えしたいのは、鳥屋野球場の凄まじき惨状。14年前でも相当なボロさでありましたが、当時と何等変わりなく朽ちるに任せたまま。これで政令指定都市を代表する球場というのですから全く情けない。いくら県営球場を整備中だといっても、この状況は無いのではないでしょうか。
まずはスコアボード。上の写真レポで既にお気づきかと思いますが、ご覧の通り
選手名の表示がなされておりません。高校野球ならまだ未表示も理解できますが、プロとしてカネをとって運営している以上、これは
怠慢以外の何者でもありません。開幕試合の三条市営球場では表示していたのですから尚更です。尤も、
選手名表示部分が余りにも小さく、表示されたとしても極めて見難く実用に耐えないので、それならいっそ表示する手間を省きたい気持ちは分かりますが。

スコアボードをよく見て頂ければ、
屋根は何と波板葺き。私が小学生の頃、たまにある野球中継でスコアボードが大写しになった際、この波板が見えるのが何だか恥ずかしいくらいでしたが、以来何等代わりがありません。21世紀になって6年経過しているというのに、仮にも政令市の公共施設の屋根に波板ですよ波板。屋根が飛ばされないよう板葺きの屋根に石を載せた家が立ち並ぶ、かつての日本海沿岸の寒村を思い起こさせるような物悲しさです。チーム名の新潟「空白」は、高校野球の転用品ですな(「新潟○」と略す高校が新潟市内に6校あるため)。ケチにも程があります。

スタンドの階段を歩いてみると、何とも不恰好な段に気がつきます。元々球場のある土地は「鳥屋野潟」という潟に隣接する地盤の悪い土地ですから、重量施設が不当沈下を起こすのは避けられません。そこで沈下を起こしたならばきちんと修繕すればよいのですが全く修繕されず、
段が生じたところにはゴムシートを被せて色を塗って誤魔化している始末。酷い、酷過ぎる。ちなみにこの上に足を乗せるとブカブカします。更に沈下しているということでしょう。曲がった段に足をとられコケて怪我をした場合、新潟市はどう責任をとるつもりなのでしょうか。っつ~か怪我した事のある人はいませんか?

バックネット裏の屋根を支えるコンクリート柱です。ものの見事に剥離を起こし、中身の砂利まで顕わになっている始末。これで耐震強度は保たれているのでしょうかね。ちなみにこの写真の奥には、夏が近づいてきているというのに
ツララもありますよ、コンクリートの遊離石灰分で出来た。

私が座った目の前、内野スタンドのフェンスです。ナイロンネットが防球フェンスで、ネットを支えるのはどこのホームセンターでも販売しているような単管。ネットの下1/4の部分にはかつての鉄線製フェンスの枠が見えますが、これも枠だけ。恐らく鉄線製フェンスだけでは全く防球にならないのと、鉄線製フェンスの網が老朽化したため撤去し、ネットフェンスを設置したのでしょうが、強固なフェンスが見当たりません。誰かが寄りかかれば、そのままするっとグラウンドに落ちてしまいそうです。まぁ大人は無理だとしても子供なら有り得そう。観戦に来ていた子供が鉄棒に対しするように、枠に乗り上がっていました。危険極まります。

私が座った席からバックネット裏を望みます。バックネット裏の屋根はごく僅かしかなく、コンクリートは何とも不気味な色になっているのがお分かりになるかと。カウント表示もありません。ちなみにバックネットの脇の通路にはフェンスがありません。バックネットがフェンス代わり(!)ということでしょう。

グラウンドに目を転じ外野レフト側です。まだ5月、本来ならこれから芝生の緑も益々濃くなるというのに、
芝生は剥げたままボコボコです。シーズンインしてからまだそれほど使用していないでしょうに、何という整備状況。というか全く整備していないのでしょうね。レフトを守る選手が足を引っ掛けているシーンを見ました。本当に危険です。いっそアルビのスポンサーになっている某ホームセンターから芝生を買って来て植えたらどうでしょうか。外野スタンドのラバーフェンスもかなりの色褪せ。恐らく設置以来交換していないのでは。クッション性なんて損なわれている可能性が大です。
ちなみにポール際の内野席は土盛スタンドなのですが、立ち入り禁止になっていました。コンクリートベンチも割れ、それはそれは凄まじい荒廃ぶりなのですが、こちらはまたの機会に。
サミット労相会議の開催決定はいいですけど、市長も日本一の参加チーム数を誇る「早起き野球」の開会式に出るくらいなら、もう少し公共施設の現状に目を向けてもいいんじゃないでしょうかね。え、開会式なんか形だけだからどうだっていい?‥‥さもありなん。