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けやき農園ブログ

農園の日々を園主がお届けします。

小岩井農場

2010-10-10 17:42:07 | 日誌
 100年余の歴史を持つこの農場のパンフレットに下記の一文があります。

「環境保全・持続型・循環型」を基本とし
「安全・安心・素性明らかプラス質の高さ」をすべての基礎に
生み出す商品・サービス・情報などを通して
社会貢献しています。

 経営理念にブレが無く地道に進む姿を見習いたいです…。

     

 写真のサクラの樹は「小岩井農場の一本桜」でもともと放牧する牛の「日陰樹」として植えたものです。品種は「エドヒガンザクラ」で苗は関東方面から求めたと考えられます。当初は10数本植えたのですが、現存はこの一本です。
 雲に隠れていますが、後には雄大な「岩手山」があります。昨年より「菜の花」を蒔き観光に力を入れると共に菜種油も絞っているとのことでした。

 環境に配慮している一つのおもしろい話を聞きました。「小岩井のうそ桜」です。農場内を通る道沿いに「ヤマザクラ」を植えたのですが春になっても花が咲きませんでした。花の咲かない「うその桜」を植えたと言われたそうです。真実は「うそ」は「うそ」でも「鳥のうそ」…「うそ」という名の鳥が冬の食料として桜の花芽を食べてしまい花を咲かすことが出来なかったのです。農場関係者はそれを知りながら「うそ退治」や「うそ避け」は一切しなかったそうです。
 鳥も自然環境の一員ですので、桜の花は諦めたそうです。この出来事は地元の新聞に「小岩井のうそ桜」の記事として記載されたと聞きました。(余談ですが、東北地方の桜の観光名所では、網を張ったり、脅かしの音をたてたり「うそ対策」が大変なようです)

 2日にわたり、車に同乗してくれて、小岩井や岩手の話や解説をして頂いた小岩井農牧㈱東京緑化支店の足澤(たるさわ)支店長、「ありがとうございました。」おかげで内容の濃い研修ができました。

 さて、これをいかに消化吸収し、フィードバック出来るか?難題です。

小野岩崎井上農場

2010-10-09 12:43:30 | 日誌
 農場創設者の名前が「小野」「岩崎」「井上」の頭文字をとって小岩井と命名した、100年以上続く日本最大級の農場です。とにかく広いです。面積は3000haおよそ山手線の内側の半分の広さだそうです。

     

 この牧場を訪れた人の多くは、森林を切り開いて牧場を創り上げたものと思うでしょう?実は真逆なのです。元々火山灰土の痩せて荒廃した原野で、樹林は無く不毛の土地だった様です。100年もの間、木を植え続け現在の景観が出来上がりました、現在もその植林活動は続けられています。
 100年の人間の努力が、自然が創出した森と同じ様な景観を生み出したのです。素晴らしい業績です。良く「100年の計」とか聞きますが、この様な実例を目の当たりにすると、先人たち偉大さを感じます。

 牛や羊などの畜産、牛乳やチーズなどの加工品は有名です。そんな農場が1972年より緑化造園事業を開始しました。農場内に広い圃場を有し、30余の従業員が「緑化樹(植木)」の生産管理を行っています。通常観光客が入れない農場の一部も見せていただきました。(家畜舎は、検疫上隔離されていました)
 農場を経営する小岩井農牧の社長は、東京の丸の内のビルに居て「農場はイイ、時間がゆっくり流れている…」と望郷に駆られているとか?
 広大な緑の中でゆったりとした気分になりました。「みどりはイイです」つづく

ジャンボ!

2010-10-06 12:49:16 | 日誌
 爽やかな秋晴れの下での作業です。皆さん笑顔が絶えません…先月までの酷暑の中の作業とは大違い、体も楽だし、気分も↑↑です。

     

 ハクサイのプラグ苗を植えた後に、「春ダイコン」も蒔きました。種蒔にはだいぶ慣れてきたようで、スムーズな作業でした。

     

 ジャンボニンニクも植えつけました。1片が普通のニンニクほどあります。収穫時には、おおよそ500gほどに成長肥大するとか?でもこのニンニクは匂いが少ないのも特徴です。収穫は来年の6月頃かと…どこまで大きくなるか?成長そして収穫も楽しみです。

キンモクセイ

2010-10-05 12:03:15 | 日誌
 トイレの芳香剤の花が咲き始めました。キンモクセイです。学名をOsmanthus. fragreans var. aurantiacus 花言葉は謙遜・真実など…毎年この時期に香り、秋の訪れを教えてくれます。属名のOsmanthusは「匂う花」の意味があります。

      

 この植物は中国原産の雌雄異株の常緑樹なのですが、日本には渡来した時に雄(♂)の株しか導入されなかったので、ほぼ100パーセント雄の樹で、実は成りません。原産地中国では、♀のキンモクセイはモチロン「ギンモクセイ」との中間種など金(黄色)~銀(白色)の様々な色の花を見ることが出来ます。
 香りを放つ花は、季節の移りを教えてくれてます。目で見て綺麗な花もいいですが、鼻で感じる花も良いです…視覚より嗅覚での記憶の方が鮮明な様な気がします。秋のキンモクセイ、春のジンチョウゲなどその季節の訪れを気づかせてくれる素敵な植物です。

 少しマニアックになりますが、晩秋の「カツラの樹」の落葉期に放つ何とも云えぬ甘い香りが私は好きです。カツラの樹が黄色く変色し始めたら、その樹に近づいてみてください…その甘い匂いに酔う事になるでしょう?

微妙

2010-10-04 13:15:28 | 日誌
 けやき農園の「ニンジン」を見ていたら、食害されている箇所が幾つか有ました。注意深く観察すとマルマル肥った「終齢のアオムシ」がいました。毛虫や芋虫の類が嫌いな人は、良く見ずにただ嫌いと思うでしょうか?人に(かせたり、刺したり、腫れたり)危害を加えないのでじっくり観察すると、以外に綺麗です。

      

 緑に黒のボーダーで黒の中にオレンジ色のドット柄…「微妙」ですが美しいです。このアオムシは羽化すると「キアゲハ」になります。大型で黄色に黒のアゲハチョウです。この辺りでは極一般的な蝶です。
 キアゲハだと思うと殺すのも「モッタイナイ!」気もします。またニンジンの葉を食害している害虫…取扱が「微妙」です。(終齢なので食害は今後広がらないと考え)とりあえずそのままにしておきました。

 蝶マニアの先輩に電話で聞いたところ、この時期に終齢の幼虫が、羽化するか蛹になるかは「微妙」だそうです。蝶として生活出来るのはおよそ2週間、その後卵から蛹にならなければ、越冬は出来きません。今年の様に急に寒くなる年は、無理をせず蛹になり越冬する方を選択するだろうとのことでした。
 昆虫も種の保存のため、季節の移り変わりを察知して生活しているようです。人間のように暖をとる手段を持たない分「微妙」な季節の進みを実感しているのでしょうか?